ゼレンスキー氏の元最側近、汚職事件で出廷 ウクライナで捜査進む

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ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の最側近だったアンドリー・イェルマーク前大統領府長官が、マネーロンダリング(資金洗浄)事件の容疑者として二つの反汚職機関によって名指しされ、12日にキーウの裁判所に出廷した。
反汚職当局によると、イェルマーク氏は、キーウ郊外での1050万ドル(約16億5000万円)規模の高級住宅の建設プロジェクト「ダイナスティ」に絡み、資金数百万ドルのマネーロンダリングに関わった疑いがもたれている。
当局は盗聴された会話の一部を公開し、他にも容疑者6人を特定した。
特別汚職対策検察庁(SAP)は、イェルマーク氏の身柄を拘束するか、保釈金約400万ドル(約6億3000万円)を課すよう、裁判所に求めていると説明した。
国家汚職対策局(NABU)のトップは、裁判前の捜査でゼレンスキー氏は対象になっていないと強調した。
この事態を受け、ゼレンスキー氏の顧問を務めるドミトロ・リトヴィン氏は、「進行中の手続き上の措置」について大統領府としてコメントする時期ではないと述べた。
イェルマーク氏の出廷に先立ち、弁護人イーホル・フォミン氏は、今回の容疑には「根拠がない」と、公共放送局ススピーリネに話した。また、かつてないほど大きな世論の圧力によって生み出されたものだと主張した。
イェルマーク氏は11日夜、記者団に対し、「私は家を1軒も持っていない。アパート一つと車1台を持っているだけだ」と述べた。そして、「捜査が終わり次第コメントする」とした。
イェルマーク氏は、ゼレンスキー氏の長年の親しい友人で、ロシアによる全面侵攻が2022年から続くなか、同氏の最側近であり続けてきた。ウクライナの対米交渉では主導的な役割を果たしていた。
しかし昨年11月、原子力エネルギー部門における1億ドル(約157億円)規模の横領事件をめぐり、自宅アパートが反汚職当局による家宅捜索を受けたことをきっかけに、大統領府長官を辞任した。
当時、イェルマーク氏は訴追されず、正式な容疑者にもされなかった。しかし、広がりを見せる疑惑は、ウクライナの欧州連合(EU)加盟の動きに影を落とした。ゼレンスキー氏は昨年、幅広い抗議デモとEUからの批判を受け、反汚職2機関の独立性を弱める内容の法案について、撤回に追い込まれた。
このときの捜査では、オレクシー・チェルニショフ元副首相が職権乱用で訴追された。実業家のティムール・ミンディッチ氏は、容疑者として名指しされた後、国外逃亡したと報じられた。ヘルマン・ハルシチェンコ元エネルギー相は、出国を試みて拘束された。
ミンディッチ氏は、ゼレンスキー氏がかつて立ち上げたテレビスタジオ「第95街区」を共同所有するなど、イェルマーク氏と同様、ゼレンスキー氏に近かった。現在はイスラエルで暮らしており、不正行為を否定している。

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こうしたなか、ロシアは3日間の停戦を終了させた。停戦は、第2次世界大戦におけるナチス・ドイツに対する戦勝記念日(9日)に合わせて実施された。
ウクライナ当局によると、ロシアの夜間の攻撃でドローン200機以上がウクライナに飛来し、少なくとも1人が死亡した。
一方、ロシアは、過去24時間でウクライナからのドローン100機以上を撃墜したと発表した。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は先週末、戦争が「終結に向かっている」と示唆した。しかし、クレムリン(ロシア大統領府)のドミトリー・ペスコフ報道官は12日、「やるべき課題はまだ山積みだ」と強調。プーチン氏が近い将来にゼレンスキー氏と会談する可能性は低いとの見方を示した。
ゼレンスキー氏はこれまで、ロシアについて、「この戦争を終わらせる意図はない」とし、さらなる攻撃を準備していると批判している。
ロシアの9日の戦勝記念日のパレードは、兵器の展示がないなど著しく控えめだった。一方で、プーチン氏は12日、射程3万5000キロメートルの新型核ミサイル「サルマト」を2026年末に配備すると発表した。
プーチン氏の発言中、ロシア国防省はミサイル発射の動画を公開。プーチン氏は「世界最強のミサイルシステム」だと説明した。
プーチン氏はまた、原子力推進式巡航ミサイル「ブレヴェスニク」や原子力推進式魚雷の開発が「最終段階にある」と強調した。












