トランプ氏、イランの回答は「全く受け入れられない」 戦争終結に向けたアメリカ案めぐり

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アメリカのドナルド・トランプ大統領は10日、イランとの戦争の終結に向けた提案に対してイランから回答があったと述べ、「全く受け入れられない」とはねつけた。
イランの政府系タスニム通信によると、同国は仲介するパキスタンを通してアメリカに提案を送った。それには、全ての戦線での即時終戦、アメリカによる海上封鎖の停止、イランを攻撃しないことの保証が含まれているという。
イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は10日、この提案には直接触れずに、「私たちは決して敵に頭を垂れない。対話や交渉の話が出ても、降伏や後退を意味するわけではない」と表明した。
一方、トランプ氏は、「イランのいわゆる『代表者ら』の回答を読んだ。気に入らない。全く受け入れられない」とトゥルース・ソーシャルに投稿した(太字は原文では全て大文字)。
アメリカとイスラエルが2月末にイランに対して始めた今回の戦争は現在、終結に向けた協議を促進するため、停戦状態にある。時折、交戦はあるものの、停戦はおおむね守られている。
トランプ氏は先週、この戦争は「すぐに終わる」との主張を繰り返した。
一方、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、米CBSの番組「60ミニッツ」で、イランには「解体されなくてはならない(ウラン)濃縮施設がまだある」と発言。戦争の終結は、イランの濃縮ウラン備蓄の「排除」が前提だと述べた。
ネタニヤフ氏はこのインタビューで、イスラエル軍に対するアメリカの財政支援について、「ゼロに減らしたい」との考えも示した。そして、「私たちは年38億ドルを受け取っている。残る軍事支援から自立すべき時が来ていると思う」、「今から始めて、今後10年かけて実現しよう」と述べた。
戦争終結に向けた動きをめぐっては、アメリカが14項目からなる1ページの覚書をイランに送ったと、米ニュースサイト「アクシオス」が6日に報じている。イランの核濃縮活動の停止、イランに対する制裁の解除、ホルムズ海峡の自由な航行の回復――などが項目として含まれているという。
こうした中、イランはホルムズ海峡の封鎖を継続しており、原油価格の世界的な高騰を招いている。
アメリカも、イランの港湾に出入りする船舶に対する海上封鎖を実施している。アメリカが示した条件を受け入れるよう、イランに圧力をかけるのが目的とみられる。イランはこれに激しく反発している。
イラン、近隣国に「深刻な結果」警告
イランは近隣諸国に向け、ホルムズ海峡でアメリカの措置に従うことに対して警告を発した。
イラン国営通信IRNAによると、同国軍のモハンマド・アクラミニア報道官は、ホルムズ海峡を通過する船舶について、まずイランと協力しなければ「深刻な結果」に直面すると発言した。
報道官はさらに、「(アメリカは)インド洋北部のこの広大な海域を艦隊で覆い尽くしたとしても、真の封鎖海域に変えることは決してできない」と述べた。

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ホルムズ海峡は通常時、世界の石油・天然ガスの約2割が通過する。アメリカとイスラエルが2月28日に空爆で今回の戦争を開始して以来、イランはこの水路を実効支配するに至っている。通過しようとする船舶に警告を発し、攻撃も実施している。
イランは、アメリカと同盟関係にあるペルシャ湾岸地域の国々に対し、報復措置も講じている。
国際航路を監視する英海上貿易業務調整機関(UKMTO)によると、カタール・ドーハから北東約43キロメートルの海上で、ばら積み貨物船が「正体不明の飛来物によって攻撃され」、小規模な火災が発生した。死傷者はなかったという。
イランのファルス通信は、匿名の情報筋の話として、この船は「アメリカ国旗を掲げて航行し、アメリカ所有のものだった」と報じた。
一方、クウェートは10日、同国の領空にドローンが侵入し、軍が「対処した」と発表した。
それからしばらくして、アラブ首長国連邦(UAE)は、イランから飛来したドローン2機を防空システムで迎撃したと発表した。
40カ国超の国防相が集まり協議
こうした中、イギリスの海軍が中東地域に軍艦を派遣し、ホルムズ海峡での海上輸送の安全確保を目指す国際的な任務に参加する可能性があることが9日、発表された。
キア・スターマー英首相は、そうした任務は戦闘終結を受けて初めて実施されると述べた。同首相はフランスのエマニュエル・マクロン大統領と共に、この取り組みを推進している。
これに対しイランは10日、同海峡でフランスやイギリスが軍を展開すれば、「断固かつ即時の対応」を取ると警告した。
これを受けマクロン氏は、フランスとして海軍の派遣は「全く想定していなかった」と説明。それよりも、「イランとの間で調整された」安全確保の任務を想定していたとした。
イギリスが主導する、ホルムズ海峡での船舶保護の計画をめぐっては、40カ国以上の国防担当相が11日に集まり協議する予定。英仏両国の国防相が会合の共同議長を務め、敵対行為が収まった後の海上交通の監視や管理について、連携する各国が取り組みを概説するとみられる。











