イスラエルのレバノン攻撃で17人殺害、4月末以来110人に 停戦中でも

画像提供, EPA
サマンサ・グランヴィル記者(ベイルート)
レバノン保健省は4日、イスラエルによるレバノン南部への攻撃で17人が殺害されたと発表した。4月17日に停戦が発効しているものの、数日間でことさらに大勢が殺害される事態となっている。
保健省によると、4月30日以降の死者数は110人に上る。イスラエルは、標的はイスラム教シーア派組織ヒズボラだとしている。
レバノン側の死傷者数は、民間人と戦闘員を区別していない。ただし、死亡者のうち2人、負傷者のうち14人は子どもだという。
イスラエルは、4月30日から自国の兵士17人が死亡したとし、ヒズボラが数百発のロケット弾やドローンを発射したと非難している。
双方は互いに相手が停戦に違反したと主張しており、戦闘を止めるための外交努力は今のところ失敗に終わっている。
イスラエル軍のアヴィチャイ・アドライ報道官は4日、レバノンの複数の村の住民に対し、自宅から少なくとも1キロ離れるよう呼びかけた。
対象の村はいずれも「イエローライン」の外側に位置している。イエローラインとは、レバノンとイスラエルの国境から約10キロ広がるイスラエル占領地域の帯を指す。イスラエルは、自国への脅威に対処するため同地域で活動を続けているのだと主張し、この地域は停戦条件の対象外だとしている。
イスラエル軍は、停戦合意は「計画され、切迫もしくは進行中の攻撃」に対する行動を認めるものだと主張している。レバノン当局はその解釈に異議を唱え、イスラエルが停戦違反を繰り返していると非難している。
ヒズボラ側も、攻撃の継続を認めている。イスラエル国境近くにあるレバノン南部ナクーラでイスラエル兵をドローンで攻撃したほか、レバノン南東部カンタラでイスラエル軍部隊をロケット砲で攻撃したという。自分たちの攻撃は、イスラエルによるレバノン南部の村々への爆撃に対する報復だとヒズボラは説明した。
ヒズボラはこれ以前の砲撃や、同組織が「神風ドローン」と呼ぶものを使った攻撃についても、実施を主張している。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ヒズボラのドローン能力がもたらす脅威が高まっていることを認め、対応には「時間がかかる」と警告した。
4月14日に米首都ワシントンでイスラエルとレバノンの代表団が対面して協議したことは、数十年ぶりの大使級直接交渉だったため、象徴的な意味はもつが、現地での具体的な成果は出ていない。
レバノンのジョセフ・アウン大統領は、今後の交渉を続ける前提として、イスラエルが停戦を完全に履行するよう求めている。
ヒズボラ指導者のナイム・カセム師は4日、外交プロセスに否定的な姿勢を示した。
「直接交渉は成果のない一方的な譲歩だ。勝利の象徴的イメージを欲しがるネタニヤフのためになるもので、中間選挙を控えたトランプ(米大統領)のためにもなるものだ」とカセム師は演説で述べた。
この点は、交渉の仲介者にとって大きな課題となっている。ヒズボラは協議することは敵の利益になると見なしており、イスラエルは停戦維持のためには一定水準の軍事行動の継続が必要だとしている。
レバノン保健省によると、最新の戦闘が始まった3月2日以降、国内で死亡した人は2600人を超えている。
ヒズボラ関係者はBBCに対し、それ以降に死亡した戦闘員は1000人未満だと話した。











