アメリカ、ドイツ駐留部隊を5000人削減へ 両国首脳がイラン戦争めぐり対立するなか

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米国防総省は1日、ドイツから米軍兵士5000人を撤収させる計画を発表した。ドナルド・トランプ米大統領とフリードリヒ・メルツ独首相はこのところ、イランとの戦争をめぐり、お互いを非難し合っている。
メルツ首相は先に、アメリカはイランの交渉担当者に「屈辱を受けた」かもしれないと発言をした。これに対しトランプ大統領は、ソーシャルメディアへの投稿で、メルツ首相は「ひどい仕事をしている」と述べ、移民やエネルギーを含む「ありとあらゆる問題」を抱えていると批判した。
アメリカはドイツに大規模な駐留軍を置いている。現在、同国各地の基地に3万6000人以上の規模の現役部隊が配備されている。
トランプ大統領はまた、イタリアとスペインからも米軍を撤収させる可能性にも言及した。
米国防総省のショーン・パーネル報道官は声明で、この命令はピート・ヘグセス国防長官によるものだと述べた。
「この決定は、国防総省がヨーロッパにおける戦力態勢を徹底的に見直した結果であり、戦域の要件と現地の状況を踏まえたものだ」と、パーネル報道官は説明し、「撤収は、今後6カ月から12カ月で完了すると見込んでいる」とした。
トランプ氏は長年、北大西洋条約機構(NATO)同盟を批判してきた。最近では、ホルムズ海峡再開に向けた作戦への協力を加盟国が拒否していることから、その批判を強めている。
さらに、イランとの戦争への両国の対応を批判し、「イタリアはまったく助けになっていないし、スペインはひどかった」と付け加えた。
「何についても、彼らは『関わりたくない』と言っていた」

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メルツ首相は4月27日、ドイツ中部マルスベルクのギムナジウム(大学進学のための中等教育機関)での講演で、「アメリカには明確な戦略がまったくない」と述べ、アメリカがどのような「出口戦略」を選ぶのか「見えてこない」と話した。
さらに、「イラン側は明らかに交渉が非常にうまい。より正確に言えば、交渉をしないことに非常に優れていて、アメリカ側にイスラマバードまで行かせたうえで、何の成果もなく帰らせた」と述べた。
そのうえで、イラン指導部によって「国家全体」が「屈辱を受けている」と付け加えた。
これに対しトランプ大統領は、自分のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に、メルツ首相は「イランが核兵器を持つのは問題ないと思っている」うえ、「何を言っているのか分かっていない」と投稿した。
さらに、「ドイツが経済的にも、それ以外の面でも、これほど低迷しているのも無理はない」と書いた。
BBCは、米首都ワシントンにあるドイツ大使館にコメントを求めている。
ドイツにおけるアメリカ軍の展開はヨーロッパで最大規模。その大半は、南西部カイザースラウテルン近郊にあるラムシュタイン空軍基地に配備されている。
また、イタリアにはおよそ1万2000人、イギリスには1万人が駐留している。
アメリカ軍の駐留規模がドイツより大きいのは、日本のみ。
トランプ大統領はかねてドイツにおける米軍削減を提案してきたが、これまでのところ実行には移されていない。
2020年には、ドイツに駐留する兵士1万2000人をヨーロッパの他のNATO加盟国に移すかアメリカに戻すとする提案が議会に阻止された。この提案はその後、ジョー・バイデン大統領によって撤回された。
トランプ氏は当時、NATO加盟国は防衛費を国内総生産(GDP)の推計2%以上にするという目標を、ドイツは大きく下回っているとして、ドイツは「義務を果たしていない」と非難していた。
しかし、その状況はメルツ政権の下で大きく変わった。
ドイツは2027年に防衛費に1058億ユーロ(約19兆円)を支出すると予測されており、GDP比では3.1%に達する見通しだ。
アメリカは昨年、ヨーロッパからインド太平洋地域へと軍事的関与の重点を移すというトランプ政権の計画の一環として、ルーマニアでの米軍駐留を縮小する決定を下した。
ルーマニアの国防相はこの決定について、ヘグセス国防長官からルーマニアは自国防衛にもっと注意を払う必要があると伝えられた後にされたものだと述べた。
この決定には、一部の共和党連邦議会議員が反対したほか、ロシアを警戒する東欧諸国からも懸念の声が上がった。











