トランプ氏、「一刻を争う」とイランに警告 交渉行き詰まるなか

トランプ氏の顔のアップ写真。ダークスーツ姿で、斜め前方を見ながら口を開いている

画像提供, Reuters

画像説明, トランプ氏は、戦争終結に向けたイラン案を「ごみ」のようだと切り捨てている
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アメリカとイランの戦争終結に向けた協議が行き詰まる中、ドナルド・トランプ米大統領は17日、イランに対し、「時間は刻々と過ぎている」と警告した。

トランプ氏は自分ソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に、「(イランは)早急に動いたほうがいい。さもないと何も残らないだろう」と投稿。「一刻を争う状況だ!」と強調した。

このメッセージは、イランが合意に応じなければ「文明が丸ごと」滅びるとした、トランプ氏の4月初旬の停戦前の脅しと似ている。

複数メディアによると、トランプ氏はこの日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と電話で協議した。

一方、イランのメディアは、紛争終結を目的としたアメリカの最新案に対し、アメリカが具体的な譲歩を一切示していないと報じた。

政府系メヘル通信は、アメリカが妥協しないことが理由となり「交渉の行き詰まり」を招くことになるとした。

政府系ファルス通信は17日、イラン案に対し、アメリカは五つの条件を提示したと伝えた。それには、イランが稼働させる核施設を1カ所に限定することや、高濃縮ウランの備蓄をアメリカに移転することなどが含まれているという。

イランの核開発計画をめぐっては、トランプ氏が15日、「20年間の凍結」を受け入れる意向を示した。これは、核開発の完全停止を求める従来の姿勢の転換を示す可能性がある。イランの核開発は、両国間で主要な対立点となっている。

イランの要求を拒むアメリカ

トランプ氏は先週、戦闘終結に向けたイランの要求を「全く受け入れられない」とはねつけ、停戦は「大規模な生命維持装置」に頼っている状態だと警告していた

イラン外務省のイスマイル・バガイ報道官は当時、自分たちの要求は「責任ある」「寛大な」内容だと主張した。

イランの政府系タスニム通信によると、イランの要求には、全戦線での即時戦闘終結、イランの港湾に出入りする船舶に対するアメリカの海上封鎖の停止、イランを攻撃しないことの保証が含まれている。全戦線での戦闘終結という条件は、レバノンでイランが支援する武装組織ヒズボラをイスラエルが継続的に攻撃していることもふまえたものとされる。

また、戦争被害に対する賠償の要求や、ホルムズ海峡でのイランの主権の確認も含まれているとされる。

今回の戦争は、イスラエルとアメリカが2月28日、イランに大規模な空爆を実施して始まった。その後、双方は協議を進めるために停戦で合意。時折の交戦はあるものの、停戦はおおむね守られている。

イランは、ホルムズ海峡を実質的に封鎖し続けている。同海峡は、世界の石油および液化天然ガスの約2割が通過する重要な水路。

これにより、原油価格は世界的に急騰している。イランは海峡の封鎖を、アメリカとイスラエルによる攻撃への報復措置だとしている。

一方、アメリカも、イランの港湾に出入りする船舶に対する海上封鎖を実施している。アメリカが示した条件を受け入れるよう、イランに圧力をかけるのが目的とみられる。

アメリカとイランの協議では、パキスタンが仲介役を務めている。両当事国の立場にはなお、大きな隔たりがあるとみられる。