トランプ氏、EUが貿易協定を承認しなければ「はるかに高い」関税課すと 7月4日を期限に

トランプ氏が斜め前方をみて口を開いている

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レイチェル・クルン・ビジネス記者

アメリカのドナルド・トランプ大統領は7日、欧州連合(EU)が現在アメリカに課している関税をゼロに引き下げなければ、7月4日までに「はるかに高い」関税をEUに課すと警告した。一方アメリカの国際貿易裁判所はこの日、トランプ氏が今年2月に各国に課した10%の関税が、通商法の下で正当化されないとの判断を下した。

トランプ大統領は、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長との電話協議の後、「わが国の250回目の誕生日まで猶予することに同意した。残念ながら、そうでなければEUの関税は直ちに、はるかに高い水準に跳ね上がる」と述べた。

トランプ大統領は1日にも、トゥルース・ソーシャルへの投稿で、EUが「完全に合意した貿易協定を順守していない」と非難し、トラックと自動車への関税を25%に引き上げると述べていた

一方フォン・デア・ライエン委員長は、トランプ大統領が示した期限を前に、EUとして「関税引き下げに向けて良い進展がある」と述べた。

EUとアメリカは2025年7月に貿易協定に合意したが、その実施をめぐっては今月6日、EU議会議員と加盟国政府との協議が合意に至らず、動きが止まっている。

EUとアメリカが合意した枠組みでは、トランプ氏が昨年4月に課した欧州製品大半への30%の関税が、15%に引き下げられる。欧州側はその見返りとして、対米投資を約束するほか、アメリカの対EU輸出拡大につながると見込まれる変更を、域内で実施すると約束している。

この協定は、2026年3月に欧州議会で条件付きで承認された。議員の過半数が協定を実施するための法案を支持した一方、アメリカが確実に協定上の義務を履行するよう、複数の安全策が追加された。

議員らは、アメリカ製品に対する関税をゼロとすることを受け入れるのは、鉄鋼およびアルミニウムを使って製造された欧州製品が、トランプ大統領によるこれら金属製品に対する世界一律50%関税の対象から除外される場合に限るとの条件で採決した。

しかし、合意の履行には、加盟27カ国による承認が必要だ。

その交渉を主導する欧州議会のベルント・ランゲ国際貿易委員長は7日、トランプ大統領がソーシャルメディアに声明を投稿する前に、議員と各国政府が交渉で良い進展を遂げていると話した一方、「まだ道のりは残っている」と付け加えた。

交渉担当者らは19日にフランス・ストラスブールで、次回の協議を行う予定だ。

ランゲ氏は声明で、「EUとアメリカ双方の市民と企業に利益をもたらす追加的な保証を提供するため、欧州議会の使命を推進し、守ることに、これまで以上に力を注いでいる」と述べた。

米貿易裁、トランプ氏の10%関税は正当化されないと

貿易や関税の合意をめぐる交渉が続くなか、トランプ氏は、より広範な関税措置について、その合法性を得るのに苦労している。

アメリカの国際貿易裁判所は7日、トランプ大統領が導入した一律10%の世界的関税について、アメリカの通商法の下で正当化されないとの判断を示した。

この関税は今年2月、トランプ氏が昨年各国に課したいわゆる「解放の日」関税の大部分を、米連邦最高裁が無効と判断した後に導入されたもの。

トランプ氏はこの関税について、深刻な「国際収支の赤字」を是正するために、大統領に一時的な関税を課す権限を与える1974年通商法122条を発動した。この10%の関税は、7月下旬まで適用される予定だ。

しかし裁判所は今回、トランプ氏が指摘した赤字に対処する手段として、この法律は適切ではないとの判断を示した。

ただしこの判断は、10%の関税を全面的に停止するものではなく、輸入業者2社に適用されるにとどまる。それでも、今後の法的異議申し立てへの道を開くものとなる。