米最高裁、郵便投票の制限認めず トランプ氏の計画を阻止

青空と雲の下、クリーム色のギリシャ建築様式の建物が立っている

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画像説明, 米連邦最高裁(8月12日、ワシントン)
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米連邦最高裁判所は14日、11月の中間選挙に向けて郵便投票を制限しようとするドナルド・トランプ米大統領の計画について、実施を認めない判断を示した。2年前の大統領選や連邦議会選では、約3割の有権者が郵便で投票した。その大半は民主党支持者だった。

最高裁は、トランプ大統領が郵便投票を厳格化するために出した大統領令による郵政公社(USPS)の新規則について、これを一時的に差し止めた連邦地裁判事の命令を支持した。

ただし、今回の最高裁判断でこの件が決着する可能性は低い。保守派のブレット・キャヴァノー最高裁判事は、郵便投票の制限について今回は差し止めに賛成したが、今後の訴訟ではトランプ氏に有利な判断をする可能性に言及した。

トランプ氏は今年3月、選挙不正対策だとして、市民名簿に登録されている有権者にのみ投票用紙を配達するよう、USPSに指示する大統領令に署名した。

これに異議を唱える市民団体や23州とコロンビア特別区(首都ワシントン)が、トランプ政権を提訴。連邦議員の選挙を実施する時期、場所および方法は、各州の議会が決めると、連邦憲法が定めていることから、トランプ氏の大統領令は州の権限を侵害するものだと主張した。

今回の最高裁判断についてキャヴァノー判事は意見書の中で、「最終的な規則が郵政公社の法的権限の範囲内にある可能性は、少なくともそれなりにある」と書いた。しかし、「この規則を2026年の選挙に適用するのは、恣意(しい)的で気まぐれな行為となる」と主張した。

同じく保守派のサミュエル・アリート判事とクラレンス・トーマス判事は、トランプ氏の計画を阻止することに反対した。両判事は、大統領令に対する異議申し立ては「一か八かやってみた」だけのもので、最終的に成功する可能性は低いと述べた。

「郵政公社は、郵便物を統括するための幅広い権限をもっている」と、2人の保守派判事は付け加えた。

ホワイトハウスはこの決定について、直ちにはコメントしていない。

トランプ氏はホワイトハウスに復帰して以来、郵便投票を制限しようとしてきた。本人は郵便投票を利用しているものの、この方法は市民ではない者による投票を可能にし、不正行為が発生しやすいと長年主張してきた。

トランプ氏は3月の大統領令で、郵便投票用紙の封筒に固有のバーコードを導入するよう郵政公社に指示。 州および地方の選挙管理当局には、郵便投票用紙を受け取った有権者に関する情報をオンラインポータルに登録することを義務付けた。

これに対して複数の州政府がトランプ政権を訴えたほか、郵便労働者組合も、選挙までに事務員を訓練することは不可能だと述べた。

トランプ政権は訴訟資料の中で、郵政公社に命じた新規則は合憲だと主張。「各州は、選挙を実施するにあたり連邦郵便制度を利用することを選んだ。それにもかかわらず、連邦議会が郵政公社に付与した規則制定権限から、自分たちの選挙関連郵便物はなぜか免除されるなどと主張することはできない」と述べていた。

これについて、マサチューセッツ州ボストンにある連邦地裁のインディラ・タルワニ判事は今月4日、大統領令を差し止める仮処分命令を出した。同判事は、11月の選挙直前にこの措置を実施すれば、有権者の権利を損なう可能性があると判断した。

政権側は、タルワニ判事による命令に対し、差し止め請求を出したが、ボストンにある連邦控訴裁判所はこれを退けた。

13日には、首都ワシントンの連邦地裁でカール・ニコルズ判事が、大統領令の執行停止を命令した。

どちらの政党が連邦議会を支配するかが決まる中間選挙を前に、すでに一部の州では郵便投票用紙の配布を開始している。

トランプ氏にとって、郵便投票をめぐり最高裁で敗訴するのは今回が初めてではない。

最高裁は6月、投票日までに消印が押された投票用紙を州が集計することは認められると判断を示した。投票所を閉じた後に届いた票の集計を阻止しようとする、トランプ政権の主張を退けた。

トランプ氏はこれまでに、2020年の大統領選挙で自分が負けたのは、大々的な選挙不正のせいだと虚偽の主張をしてきた。