【解説】 BRICS首脳会議、イラン戦争で関係を再構築 分断も明らかに

プーチン氏、モディ氏、習氏が並んで手をつないでいる

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画像説明, インドで開催されたBRICS首脳会議に参加した(左から)ロシアのプーチン大統領、インドのモディ首相、中国の習国家主席(12日、デリー)
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アザデ・モシリ南アジア特派員(デリー)

先週末、世界で最も影響力のある人々がインドの首都デリーに集まり、巨大な円卓を囲んだ。

インドのナレンドラ・モディ首相は、自分の隣に座るリーダーたちはみな一緒に、ますます「ルールを受け入れる者」ではなく「ルールを作る者」になるべきだと宣言した。

この席には中国の習近平国家主席、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領、イランのマスード・ペゼシュキアン大統領、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国のハーリド・ビン・ムハンマド・ビン・ザイード・アル・ナヒヤーン皇太子、南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領など、新興国グループ「BRICS」の首脳らがいた。

BRICSは、中国、ロシア、インド、ブラジル、南アフリカに加え、現在はインドネシア、イラン、エジプト、エチオピア、UAEも構成国となっている。

各国は、決して自然な同盟国同士とは言えない。それぞれが国境紛争や軍事衝突の歴史を持っている。

インドと中国は2020年、国境を争うヒマラヤ山脈地帯で激しい衝突を起こした。イランとUAEは現在、中東で起きている戦争で対立する立場にある。イランはこの戦争の一環として、BRICSの仲間であるUAEに向けてミサイルやドローンを発射した。

インドがこうした国々の首脳を一堂に会させることができたという事実自体が偉業であり、インドの外交力の証でもある。この会議はまた、イランでの戦争を踏まえ、各国が関係を見直す場ともなった。

しかし、新たな世界秩序のあるべき姿で合意し、明確で具体的な成果を達成することははるかに困難な課題だ。サミットはその緊張感が全体で漂っていた。

欧米の対抗勢力になるのか

中国、ロシア、イランといった加盟国にとって、BRICSはアメリカと西ヨーロッパの影響力を軽減するための手段となる。

しかしインドは今回、BRICSを反欧米陣営と位置づけることに消極的だった。モディ首相自身もサミットで、BRICSは「誰とも敵対していない」と述べた。

この違いは、互いに敵対関係にある国々と、それぞれ関係を維持したいと考えているインド政府にとって、重要な意味を持つ。

「BRICSには、反欧米的な組織になることを望む国もあるが、実際にはそうではない」と、ベテランのインド外交官で大使経験者のアニル・トリグナヤット氏は語る。同氏の見解では、インドが成し遂げたのは「戦争の時代における戦略的自律性」の推進と、「加盟国間の協力関係を強化する」ための取り組みだ。

スーツ姿のトランプ氏が屋外で、振り返って手を振っている

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画像説明, BRICS加盟国のいくつかは、トランプ米大統領の怒りを買うことを嫌がっただろう

共同宣言の内容

加盟国間の意見の相違がこれほど顕著になることは滅多にないにもかかわらず、今回のBRICS首脳会議は、共同宣言をまとめることに成功した。

今年に入ってからすでに2度、BRICS閣僚会議は共同声明の採択に至らなかった。今回は合意に達したものの、加盟国間で意見が大きく分かれる問題については触れず、具体的な解決策はほとんど示さなかった。

「ニューデリー宣言」はサミット初日に採択された。しかし注目すべきは、そこに何が書かれていないかだ。

中東での戦争に関して、この宣言は「最大限の自制」を求めている。また、「民間インフラや平和的な原子力施設への攻撃」を非難している。だが、責任の所在は明らかにしていない。

共同声明はまた、パレスチナ問題で2国家解決への支持を改めて表明。パレスチナ人の強制移住やイスラエルによる「占領を正当化または長期化させる」可能性のある行動に反対することで、既存の国連決議を慎重になぞっている。

一方、ロシアによるウクライナ侵攻については一切言及していない。その点で、これまでのBRICSの宣言とは異なっている。

貿易に関しても同様の慎重な姿勢が見られた。「無差別な関税引き上げ」への懸念を列挙し、一方的な制裁を非難しているものの、アメリカを名指しすることは避けた。これにより、米政府の怒りを買うことは避けられるだろう。

いくつかのBRICS加盟国は、ドナルド・トランプ米大統領の怒りを買うことを嫌がっただろう。トランプ氏は以前、中央銀行発行のデジタル通貨を外国貿易と連携させるなど、BRICSが掲げたいくつかの提案を「反米的」と呼んでいた。

シンクタンク「国際危機グループ(ICG)」の上級アナリスト、プラヴィーン・ドンティ氏は、「中東の紛争を非難しながらも、どの国名も挙げなかったのは、インドらしいと言える」と述べた。

「関税について強い言及があったことにうれしい驚きを感じた。インドはもっと遠回しな言い方をしたかったかもしれないが、彼らの不満を伝える機会だったのかもしれない」

サミットの裏側で

英語で「BRICSサミット」と書かれたボードが立てられた一室で、ターバンと裾の長いアラブの伝統服を着た男性とスーツ姿の男性が、椅子に座って会談している

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画像説明, イランのペゼシュキアン大統領(右)とアブダビのハーリド・ビン・モハメド・ビン・ザイード・アル・ナヒヤーン皇太子は、BRICS首脳会議の傍らで会談した

トランプ氏の貿易に関する脅迫や中東戦争の衝撃を受け、多くのBRICS加盟国の経済にとって、世界秩序の再構築は喫緊の課題となっている。

今回のサミットが提供したのは、ほんの数カ月前には想像もできなかったような会合のプラットフォームだった。

まず、イランのペゼシュキアン大統領とアブダビのハーリド皇太子が会談した。これは、双方の間で行われた、米・イスラエルとイランの戦争開始以降で最高レベルの直接会談となった。

イランにとっては、アメリカとイスラエルの軍事攻撃や経済的圧力の中でも、イランが決して孤立しているわけではないと示す機会になった。

アメリカによる制裁や「経済的追放作戦」、そして港湾の封鎖に耐えようとする中、ペゼシュキアン氏はマレーシア、インド、エチオピアなどのBRICS加盟国やパートナー国との経済関係の強化を強く求めた。

中国の習国家主席のデリー訪問は7年ぶりだった。2020年の国境紛争以来、中国とインドの間には根深い不信感が漂っていたが、その緊張は緩和されている。また、貿易収支も大きく不均衡で、インドは中国に対して圧倒的な赤字となっている。

習氏とモディ氏の間では、モディ氏のトレードマークである抱擁ではなく、友好的な握手が交わされた。習氏の滞在時間は24時間未満で、12日夜にモディ氏が主催した盛大な夕食会にも出席しなかった。

しかし、これまで困難な関係が続いてきた両国にとって、このサミットはやはり大きな節目となった。公式発表によると、両首脳はビジネス関係と交通網の強化、そして貿易障壁の解消で合意した。

前出の元インド外交官のトリグナヤット氏は、これは近年の両国関係の緩やかな改善の一環であり、双方に協力する意思があると信じている。しかし、それが実質的な進展につながるかどうかは、まだ分からない。

「私はいつも、信頼は必要だが、まずは確認しなければならないと言っている」と、同氏は言う。

次に何が起こるのか?

今回の首脳会議は、西側が支配する世界の外側で、BRICSに加盟するライバル国同士が対話し、駆け引きを行う場所を作り出せることを示した。

より難しい問題は、次に何が起こるかということだ。加盟国がこれまで以上に新たな世界秩序を必要としていることは明らかだが、具体的に何がこれまでの世界秩序に取って代わるべきなのか、そしてどのようにそれを実現するのかという問いに答えるのは、はるかに困難だ。

追加取材:シャーロット・スカー記者