北朝鮮、2階建てウラン濃縮施設を新しく建設 IAEAが発表

ダークスーツ、白シャツ、ノーネクタイ姿の金氏が演台に立ってマイクの前で口を開いている。背後には北朝鮮の国旗が見える

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画像説明, 北朝鮮の金総書記。同国は2022年に核保有を宣言し、決して核兵器を手放さないと誓った(2026年2月撮影)
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イヴェット・タン

国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長は7日、北朝鮮が2階建てのウラン濃縮施設を新しく建設したと発表し、「深刻な懸念」を表明した。

IAEAのグロッシ事務局長は理事会への声明で、「DPRK(朝鮮民主主義人民共和国)の核開発計画の継続といっそうの進展は、国連安全保障理事会の関連決議に対する明白な違反であり、誠に遺憾だ」とした。

新しい施設は、寧辺(ヨンビョン)の主要核施設の一部。ウラン濃縮に使う遠心分離機のカスケードを、最大28基収容できるとされる。

IAEAはまた、先月末に公表した報告書で、北朝鮮が、別のウラン濃縮施設で拡張した付属施設においても稼働を始めたとした。

こうした事象は、北朝鮮が、制裁対象となっている核インフラを着実に拡大させていることを示している。IAEAは2009年に北朝鮮から追放されて以降、査察官を派遣できておらず、検証を衛星画像に頼っている。

IAEAが新施設の存在に初めて言及したのは、今年6月だった。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が同月3日に「新たに開設された核物質生産工場」を視察したとし、その工場は寧辺のウラン濃縮施設だと特定した。また、金氏が「生産能力の大幅な拡大」をたたえ、「より大規模な計画実行の可能性が開かれる」と述べたとした。

グロッシ氏はこれ以前にも今年、新施設建設の可能性について触れていた。

もっとあると研究者

金氏は、世界最貧レベルの国を統治しながら、秘密の核兵器開発に毎年巨額を費やしている。核不拡散に関するシンクタンクの2022年の報告書は、その額は年間6億4000万ドルに上るとしている。

英オックスフォード大学のエドワード・ハウエル講師は、「北朝鮮の核開発計画がこれほど懸念されるのは、施設の多くが知られておらず、隠されているため、(検証の)対象にするのが難しいからだ」とBBCに説明した。

「寧辺以外にも、例えば降仙(カンソン)など、他の施設の存在が判明している。北朝鮮では核ドクトリンが外交と内政の政策に組み込まれており、隠された核生産施設はもっとあると考えるべきだ」と、ハウエル氏は述べた。

IAEAは今回、首都平壌(ピョンヤン)に近い降仙のウラン濃縮施設についても、今年1月に稼働を開始したとみられると発表した。降仙では2024年に付属施設が最初に建設されたという。

IAEAは4月、北朝鮮が核爆弾の製造能力を強化しているとみられると表明。寧辺の施設拡大を注視しているとしていた。

北朝鮮の核開発は、現体制下で加速している。ミサイル実験も過去最多ペースで、長距離ミサイルシステムの実験を2017年に開始して以来、多数の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射してきた。金氏はそれらを指揮してきた。

核兵器の実験は、北朝鮮はこれまで6回実施している。最後は2017年9月に行った

金氏と高官らが、ずらりと並んだ遠心分離機の間の通路を歩いている

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画像説明, 金氏が今年、「新たに稼働を開始した」核濃縮施設を訪問した際に撮影されたとされる写真

韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は8月、北朝鮮との間で戦争を正式に終結させるための協議を提案した。その際、その協議が「北朝鮮の核能力の進化を止めるための効果的な方法」を話し合う場になり得るとも述べた。

北朝鮮は、この提案にまだ反応していない。

北朝鮮は2022年、自国は核保有国であると宣言。推定数十発とされる核兵器について、決して手放さないと誓った。

李大統領は昨年、BBCに対し、北朝鮮が年間15~20発の核弾頭を新しく生産していると述べた。また、ドナルド・トランプ米大統領と金氏の間で核生産の凍結が合意されれば、それを支持すると話した。

(追加取材:コー・ユー)