エボラ出血熱、コンゴ民主での死者少なくとも118人に 当局が対策呼びかけ

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コンゴ民主共和国(旧ザイール)で発生しているエボラ出血熱のアウトブレイク(大流行)において、少なくとも118人の死亡が報告され、感染疑いが390件以上に上っていると、地元当局が発表した。
同国政府の報道官はさらに、感染が報告される地域の範囲が広がっているとも述べた。
また、隣国ウガンダでも感染例が2件と死者が1人確認されたと、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)が発表した。
世界保健機関(WHO)は17日、エボラウイルスの「ブンディブギョ株」によって引き起こされている今回の流行について、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に当たると宣言した。ただし、パンデミック(世界的大流行)の緊急事態の基準には達していないという。
一方で、現時点で確認・報告されているよりも「はるかに大規模な感染流行」になる可能性があり、現地や地域での感染拡大のリスクはかなり高いと、WHOは警告している。
コンゴ民主共和国政府は、対応チームが感染疑いの追跡や調査に懸命に取り組んでおり、パニックになる必要はないとして、人々を安心させようとしている。
しかし、東部イトゥリ州のニャクンデ、北キヴ州のブテンボ、さらに東部の大都市ゴマなど、新たな地域で感染例が確認されているため、懸念は否応なく高まっている。
WHOは現在、感染例が確認されたコンゴ民主共和国とウガンダの2カ国に対し、ウイルスの拡散を防ぐため、国境を越えた検疫を実施するよう助言した。
また、近隣諸国に対しては、医療施設および地域社会での監視を含め、「備えと対応態勢の強化」を求めた。
隣国ルワンダは「予防措置」として、コンゴ民主共和国との国境沿いでの検疫を強化すると発表した。ナイジェリアは、状況を「綿密に監視している」という。
アフリカCDCのジーン・カセヤ事務局長は18日、BBCワールドサービスの番組「ニューズデイ」に対し、感染疑いがほぼ400件に達していると述べた。
カセヤ氏はまた、流行株に対する承認されたワクチンや効果的な医薬品が存在しない状況では、人々は公衆衛生上の対策に従うべきだと発言。これには、エボラ出血熱で死亡した人々の葬儀の取り扱いに関する指針も含まれると述べた。
「葬儀が原因で感染者が出るなど、そのような事態になってほしくない」と、カセヤ氏は話した。
10年以上前の大規模流行の初期段階では、遺族などが遺体を洗う手助けをする共同葬儀が、多くの人々の感染につながったという。
アメリカ人医師1人が感染、対策強化へ
コンゴ民主共和国で確認された感染例には、アメリカ人医師1人が含まれていると、米CDCと、この医師が所属していた医療宣教団体「サージ」が明らかにした。
両機関はBBCがアメリカで提携するCBSニュースに対し、感染した医師が治療のためにドイツに搬送される予定だと述べた。
米CDCはこの医師の氏名を公表していない。一方サージは、所属するピーター・スタッフォード医師がエボラ出血熱の検査で陽性と判定されたと述べた。
同団体は声明で、患者の治療中にウイルスにさらされた他の2人の医師は症状がなく、隔離の手順に従っていると述べた。
CBSニュースはまた、関係筋の話として、コンゴ民主共和国では少なくとも6人のアメリカ人がエボラウイルスにさらされたと報じた。
米CDCは、「直接影響を受けている少数のアメリカ人の安全な撤収」を支援していると述べたが、人数は明らかにしなかった。
医療ニュースサイトのSTATニュースは、米政府がこれらの人々を安全な隔離場所へ移動させようとしていると、関係者の話として伝えた。
また別の情報筋の話として、ドイツにある米軍基地が移動先になる可能性があると伝えたが、これは確認されていない。
米CDCは17日の記者会見で、今回の流行の影響を受けたとされるアメリカ人について直接の質問には回答しなかった。
一方、18日に発表した声明では、アメリカに対するリスクは比較的低いとしつつも、感染症の国内流入を防ぐため、さまざまな対策を導入すると述べた。
これには、流行地域から到着する渡航者の監視に加え、過去21日間にウガンダ、コンゴ民主共和国、または南スーダンに滞在していたアメリカ国籍でない者に対する入国制限の実施が含まれる。
米CDCはまた、航空会社やその他の関係機関と協力し、乗客の接触追跡を実施し、検疫や医療機関の対応態勢を強化するとした。
アメリカ政府は、コンゴ民主共和国について最も厳しいレベル4の渡航勧告を出し、渡航を控えるよう警告している。
エボラウイルスは、1976年に現在のコンゴ民主共和国で初めて発見された。コウモリから感染が広がったと考えられている。
WHOによると、エボラ出血熱に対する確立された治療法はなく、平均致死率は約50%。
2014~2016年には西アフリカで、これまでで最大規模の流行が発生し、2万8600人以上が感染。ギニア、シエラレオネ、アメリカ、イギリス、イタリアなど、西アフリカ内外の複数の国に拡大し、1万1325人が死亡した。
エボラ出血熱とは? 今回の流行は?
・今回の流行の原因は? エボラ出血熱はウイルスによって引き起こされる病気だ。発症はまれだが、症状は深刻で、多くの場合で死に至る。流行の原因となるエボラウイルスは3種あり、今回は「ブンディブギョ株」がかかわっている
・どうやって感染する? 血液など感染者の体液や吐しゃ物などを介して、人から人へと感染する
・致死率は? 過去のエボラウイルスのブンディブギョ株の流行では、感染者の約30%が死亡した
・潜伏期間は? 感染後2~21日で症状が現れる
・どんな症状が出る? 初期症状は突然現れ、発熱、頭痛、倦怠感など、インフルエンザに似た症状が見られる。病気が進行すると、嘔吐や下痢が現れ、臓器が機能しなくなる。一部の患者では、内出血や外出血が見られる
・発生源は? 流行は、オオコウモリ(フルーツコウモリ)など感染した動物から人が感染することで始まる
・ワクチンはある? ザイール株に対するワクチンはある。だが、WHOによると、今回のブンディブギョ株に対するものはない








