イラン、ホルムズ海峡近くで「浮体式武器庫」の船舶を拿捕か

ホルムズ海峡の航空写真にBBCヴェリファイのロゴが添えられている画像

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トーマス・コープランド記者、BBCヴェリファイ(検証チーム)

ホルムズ海峡の東側に面するオマーン湾で、「浮体式武器庫」として運用されていたとみられる船舶がイラン軍によって拿捕(だほ)されたと、英海事リスク・マネジメント会社ヴァンガードが伝えた。

イギリスの海上貿易業務調整機関(UKMTO)は、同船が現在「イランの領海へ向かっている」と述べた。

ヴァンガードはこの船舶を、ホンジュラス船籍の「ホイ・チュアン」と特定している。BBCヴェリファイ(検証チーム)が船舶追跡サイト「マリントラフィック」のデータを分析したところ、この船舶が過去1カ月にわたり、オマーンおよびUAEの北東沿岸沖に滞在していたことが示されている。

最後に位置情報を送信したのは14日で、アラブ首長国連邦(UAE)フジャイラの北東70キロメートルの地点でだった。

ホイ・チュアンの運航会社はヴァンガードに対し、同船は浮体式武器庫として運用されており、海上で海賊から船舶を守る警備会社のために武器を保管していると説明した。

BBCヴェリファイは、この船に何が積まれていたのか、また誰のために使用されていたのかを確認できていない。

BBCは以前にも、警備員が速やかに武器や弾薬を受け取ったり返却したりできるようにと、この種の船が紅海やアデン湾、オマーン湾に配備されていると報じた。

オマーン湾とペルシャ湾を隔てるホルムズ海峡は、2月28日に米・イスラエルとイランとの紛争が始まって以来、イランによって封鎖されている。通過する輸送は事実上停止され、原油・ガス価格の高騰を招いている。

また、イランとアメリカは停戦に合意したものの、双方がこの海峡で攻撃を受けたとし、互いの停戦違反を非難している。

「ホイ・チュアン」が拿捕されたとされる海域の地図。西側にペルシャ湾、東側にオマーン湾があり、間をホルムズ海峡が隔てている。これらの海の北側にイラン、南側にアラブ首長国連邦とオマーンがある。オマーン湾に面したUAEのフジャイラ港の北東沖に、「ホイ・チュアン」が最後に位置情報を送信した地点と、英海上貿易業務調整機関(UKMTO)が警告したエリアが示されている。送信地点は、警告エリア内にある。出典はマリントラフィックとUKMTO

ホイ・チュアンが拿捕されたとされる14日の前日には、インド船籍の船舶「ハジ・アリ」がオマーン沖で攻撃を受けた。

ヴァンガードによると、「ハジ・アリ」では「ドローンまたはミサイル」によるものとみられる爆発があったとされ、その後、オマーン沖で「沈没したと報じられている」。

インド当局は14日、「乗船していたインド人乗組員は全員無事であり、救助にあたったオマーン当局に感謝する」と述べた。

マリントラフィックの船舶追跡データによると、「ハジ・アリ」は6日にソマリアのベルベラ港を出港している。インド海運省は、同船の目的地はUAEのシャルージャだったと述べた。

ヴァンガードは、この船舶は家畜を輸送しており、「船内で火災が発生したと報じられ、その結果、船が沈没する前に乗組員は退船を余儀なくされた」と伝えている。

インド当局によると、乗組員14人はオマーン沿岸警備隊によって同国のディバ港に移送された。

インド外務省は、この攻撃について「容認できない」との声明を発表した。

スーツ姿で握手する習氏とトランプ氏

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画像説明, 中国の習近平国家主席(左)とアメリカのドナルド・トランプ大統領もホルムズ海峡の状況について協議した(14日、北京)

こうしたなか、中国を訪問中のドナルド・トランプ米大統領は、習近平国家主席との会談でホルムズ海峡の状況について協議した。

トランプ氏は首脳会談後にFOXニュースのインタビューに応じ、中国がホルムズ海峡の開放を望んでいると述べた。

また、アメリカ側が発表した要旨によると、「両国は、エネルギーの自由な流通を支えるために開放され続けなければならないとの点で一致した」という。