アメリカとイラン、合意に「まだ達していない」が「非常に近づいている」と米副大統領

ダークスーツに赤いネクタイを着けたヴァンス米副大統領が、メディアのマイクに向かって話している

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ダニエル・ブッシュ米ワシントン特派員(米副大統領を同行取材)、マックス・マッツァ

アメリカのJ・D・ヴァンス副大統領は28日、イランとの戦争をめぐる協議について、合意には「まだ達していないが、非常に近づいている」としたうえで、両国は依然として、合意に向けていくつかの隔たりを解決する必要があると述べた。

BBCはヴァンス氏に対し、ドナルド・トランプ米大統領が合意文書への署名に近づいているのかと尋ねた。するとヴァンス氏は、両国が「いつ、あるいは実際に」合意を最終化するのかについて言及するには時期尚早だと答えた。

報道によると、両国が検討している合意案は、停戦の60日間延長や、イランの核開発計画の今後をめぐる協議の継続などが含まれている。

米政府関係者は28日の早い時点で、アメリカとイランが合意の枠組みについて一致し、トランプ大統領とイラン指導部の承認を待っている状況だとBBCに語っていた。

しかし、イランの政府系タスニム通信は、合意が最終化あるいは確認された事実はないと報じた。

交渉は流動的か

ヴァンス氏は28日夕、交渉担当者が「(ウラン)濃縮の問題」などをめぐり、「いくつかの文言についてやり取りしている」と述べた。

合意には「まだ達していないが、非常に近づいている。我々は引き続き取り組んでいく」と、ヴァンス氏は記者団に語った。

アメリカは長年、理論上は核兵器製造に転用可能な高濃縮ウランの生産を停止し、既存の備蓄を廃棄するよう、イランに求めてきた。

この日、ワシントンで記者団の取材に応じたヴァンス氏は、イランが「誠意をもって」交渉に臨んでいるとアメリカは信じているとの楽観的な見方を示した。

アメリカとイランの当初の停戦合意が発効した4月8日以降、トランプ氏は戦争終結に向けた交渉が進展し、合意に近づいていると、繰り返し示唆している。しかし、これまでのところ具体的な成果は出ていない。

湾岸諸国の同盟国や戦争に反対する野党・民主党、そして紛争の長期化を懸念する与党・共和党の一部議員らから、トランプ氏に戦争終結を求める圧力が高まっている。

合意をめぐるアメリカとイランの相反する主張が28日に報じられたことから、交渉が依然として流動的なことが浮き彫りになった。

両国は互いの主張を否定し合い、報じられた提案の詳細もほとんど明らかにしていない。双方が実際に、敵対行為の終結にどれほど近づいているのか、再び疑問が生じている。

トランプ氏をはじめとする米政府関係者は「オプションB」、すなわち戦闘作戦への回帰が依然として選択肢に残っていると警告している。

一方で、停戦が延長されれば、アメリカとイランの交渉団はその間、特にイランの核開発計画や高濃縮ウランの残りの備蓄などをめぐる、より複雑かつ技術的な問題について協議できるようになる。

トランプ氏は、高濃縮ウランをアメリカが引き取るか、イランと共同で現地または第三国で希釈する可能性を示唆してきた。

報道によると、合意案にはホルムズ海峡における「制限のない」船舶の通行を認め、イランが30日以内にこの狭い海峡から機雷を除去することが含まれる。

そしてアメリカは、イラン港湾に対する海上封鎖を解除し、イランが石油の販売を再開できるよう制裁も解除するとされる。

28日にアメリカとイランが暫定的合意に至ったと最初に報じた米ニュースサイト「アクシオス」によると、トランプ氏はこの合意案について説明を受けたものの、即座には承認せず、数日かけて検討する見通しだという。

イラン国営メディアは27日、両国の間で検討されている14項目からなる「了解覚書」(MOU)の非公式な草案の内容を報じた。

それによると、この草案には、アメリカによるイラン港湾の海上封鎖の解除、「イラン周辺」からの米軍の撤退、イランとオマーンが船舶の管理や航路設定を担うかたちで、ホルムズ海峡を通過する非軍事的な船舶の往来を再開することが含まれるとされる。

ホワイトハウスは、この内容を「完全なでっちあげ」だとしている。

通常時に世界の液化天然ガスと原油の約5分の1が通過するホルムズ海峡の封鎖は、世界の燃料取引に影響を及ぼしている。

28日にホワイトハウスでの記者会見を主導したスコット・ベッセント財務長官は、イランとの合意が成立したかどうかについて明言を避けた。

「大統領に先んじて動くのは常に間違いだ」、「すべては大統領の判断に委ねられる」とベッセント氏は述べた。

最終的な和平合意にイランの「再建」が含まれる可能性について問われると、ベッセント氏は「合意に至ってからでないと、その先の話には進めない」と答えた。

こうした中、イランとアメリカはここ数日、ぜい弱な停戦合意に違反したと互いを非難し合っている。

イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)は、米軍がイラン南部を新たに空爆したことを受け、27日に湾岸地域の米軍基地を攻撃したと発表した。

イラン国営メディアは同日、IRGCがアメリカの航空機(ドローンの可能性がある)を撃墜したと報じたが、米中央軍(CENTCOM)はこれを否定し、「アメリカの機体が撃墜された事実はない。すべての航空資産の所在は確認済み」だとソーシャルメディアに投稿した。

(追加取材:バーンド・デブスマン・ジュニア)