【2026年サッカー男子W杯】アルゼンチン代表、フォークランド諸島について横断幕を試合後に掲示 FIFAが処分の可能性

画像提供, Getty Images
アドワイド・ラジャン スポーツ記者
サッカー男子ワールドカップ(W杯)北中米大会は15日(日本時間16日)、アメリカのアトランタ・スタジアムで準決勝があり、イングランドがアルゼンチンに1-2で敗れた。試合後にアルゼンチンの選手たちはピッチで、フォークランド諸島に対する自国の領有権を主張する横断幕を掲げた。このため、国際サッカー連盟(FIFA)から処分を受ける可能性が出ている。前大会優勝のアルゼンチンは19日の決勝戦で、スペインと対戦する。
イングランドとの準決勝が終わると、アルゼンチンの選手たちは「Las Malvinas son Argentinas」(マルビナスはアルゼンチンのものだ)と書かれた横断幕を掲げて勝利を祝った。「マルビナス」はフォークランド諸島の、アルゼンチンでの名称。
南西大西洋のフォークランド諸島はイギリスの海外領土だが、イギリスとアルゼンチンの間で主権をめぐる紛争が続いている。
アルゼンチンの東海岸から約480キロの沖合に位置する諸島をめぐり、両国は1982年4月から6月にかけて戦争状態に突入した。74日間のこの紛争で、アルゼンチン兵655名とイギリス兵255名が死亡した。島民3名も犠牲となった。
FIFAは2014年、スロヴェニアとの親善試合前に選手たちが同じメッセージの横断幕を掲げたとして、アルゼンチン・サッカー協会に2万ポンドの罰金を科した。 FIFAは当時、この行為は政治活動およびチームの不正行為に関する規則に違反していると述べた。
準決勝の勝利後、アルゼンチンのビクトリア・ビジャルエル副大統領はソーシャルメディア「X」に、アルゼンチン兵と思われる人たちの動画とともに「これは単なる試合ではなかった」と投稿した。
ビジャルエル氏はさらに、横断幕を掲げる選手たちの写真と共に、「フォークランド諸島はアルゼンチンのものだ。(FIFAは)スタジアムへの持ち込みを禁止したが、私たちがそれを血と心の中に宿していることを忘れている」 とも投稿した。
試合に先駆けて、ビジャルエル氏は準決勝について、「侵略者を元の場所に戻すための試合だ」とも述べていた。
アルゼンチンの選手たちは、決勝トーナメント1回戦でエジプトに3対2で劇的な勝利を収めた後、フォークランド紛争やアルゼンチンの偉大なディエゴ・マラドーナ、リオネル・メッシ両選手に言及するチャントを歌った。
しかし、リオネル・スカローニ監督は準決勝の前、サッカーと政治を「混ぜるつもりはない」と述べていた。
「現実として、これはサッカーの試合だ。特に何年も前に起きた出来事を尊重して、物事を混同することはできない」と監督は話した。
「あれは私たちの国の歴史において、とても悲しい時期だった。それについて、私たちにできることはあまりない。それが現実だ」とも監督は言い、「世界のほかの地域ではさまざまな出来事が起きている。私たちは戦争の存在を批判する。もちろん、私たちはその人たちを忘れていない。しかし、これはサッカーの試合だ。両者を混同すべきではない」と強調した。
アルゼンチンは試合終盤、エンツォ・フェルナンデスとラウタロ・マルティネスのゴールでイングランドに逆転して勝った。両国間の歴史的な緊張関係のため、この準決勝戦は厳重な警備体制の下で行われた。













