トランプ氏の投稿を「いち早く閲覧」、月額最大1600万円のサービスを10社超が利用

紺のスーツに青いネクタイを着けたトランプ氏が、大統領執務室で黒い椅子に座り、口を閉じ、左の方を見ている

画像提供, Bloomberg via Getty Images

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アメリカのドナルド・トランプ大統領のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」を所有するトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループは10日、トランプ氏ら影響力のあるアカウントの投稿をいち早く閲覧できる、月額最大10万ドル(約1600万円)のサービスについて、10社以上が利用していると明らかにした。

「トゥルースAPI」と呼ばれるこのサービスは、8月初旬に提供が始まった。ニューヨークの金融街ウォール・ストリートのトレーダーらが、市場を動かし得るトゥルース・ソーシャルでの投稿に素早くアクセスできるというもの。同サービスの導入は物議を醸している。

トランプ・メディアのケヴィン・マクガーン暫定最高経営責任者(CEO)は決算報告で、トゥルース・ソーシャルの高速アクセスサービスの初期登録者について、大半が高頻度取引(HFT)を行う企業で、月額6万ドル~10万ドルを支払っていると明らかにした。

トランプ・メディアは先に、2026年4-6月期決算で、2億3800万ドルの赤字を計上したと発表した。

同社によると、2026年4-6月期赤字は前年同期の額の10倍以上。これは同社が、暗号資産など、メディアとは無関係の事業に参入したことが背景にある。

これまで黒字化に至っていない同社は、今後はソーシャルメディア事業という本来の使命に再び重点を置くとしている。

トランプ・メディアは7月、トランプ氏が政策などを頻繁に発表するトゥルース・ソーシャルについて、金融街ウォール・ストリートの企業や機関投資家が投稿にいち早くアクセスできる有料サービスを発表した。同サービスの加入者が、株式やその他の活発に取引される資産売買において優位性を得られる手段になると受け止められている。

この動きをめぐり、法的・倫理的な疑問が浮上している。トランプ氏の家族が依然として筆頭株主である企業が、トランプ氏自身の公的発言から利益を得る可能性があることが適切なのかという点などが疑問視されている。

トランプ・メディアは11日の決算報告で、この新サービスについて、「当社に新たな収益源をもたらすことが期待される」と述べた。

マクガーンCEOによると、同社はこのサービスが、広告やデジタル資産を含むより広範なメディア戦略に加え、「意味のある」「持続的な」収益源に成長すると見込んでいる。

トランプ・メディアはテクノロジー企業、報道機関、賭博市場との連携も模索しているとも、マクガーン氏は付け加えた。

BBCはトランプ・メディアに追加のコメントを求めている。

同社の2026年4-6月期の売上高は170万ドルで、前年同期比89%増だった。しかし、暗号資産価格の下落により全体としては赤字となった。

4-6月期末時点の総資産は20億ドル、金融資産は約19億ドルだったと、トランプ・メディアは明らかにした。金融資産には、現金、短期投資、デジタル通貨が含まれる。

同社は、暗号資産の保有やクリーンエネルギーへの投資など、他分野にも事業を拡大している。

調査会社「10x Research」のアナリスト、マーカス・ティーレン氏はBBCに対し、トランプ・メディアはメディア企業というよりも、メディア企業の形をまとった暗号資産保有会社に近く、損失の大半はそうした戦略に起因していると指摘した。

ティーレン氏によると、トランプ・メディアは暗号資産事業以外にも、ソーシャルメディアなどの分野へと事業の多角化を進めているものの、これらの事業はまだ大きな収益を生み出すには至っていない。

トランプ・メディアは、「Crypto.com」とのプロジェクトとして、トゥルース・ソーシャル・プラットフォームに予測市場機能を導入する計画を進めていたが、今月初めに中止した。