アメリカのカリブ海などでの小型船攻撃、人道に対する罪の可能性と国連報告者

画像提供, Reuters
ロバート・グリーノール
国連のベン・ソール人権・対テロ特別報告者は21日、アメリカ軍がカリブ海などにおいて麻薬密輸船だとして船舶への空爆を続けていることは、国際法違反で、人道に対する罪に該当する可能性があると報告した。
ソール氏の報告書によると、アメリカ領海外のカリブ海と太平洋において昨年9月以降、米軍による攻撃が少なくとも68回あり、それによって220人以上が殺害されている。
ソール報告者は、たとえ標的が指定テロ組織のメンバーだと特定できたとしても、国際法上の自衛権が発動するようなアメリカへ武装攻撃を、船舶が実行しているわけではないと指摘した。
この報告に先立ち19日には、アメリカ南方軍がカリブ海で、麻薬運搬船だとする高速船を攻撃し4人を殺害したとして、映像を発表している。
南方軍はこの攻撃についてソーシャルメディアに掲載した声明で、「確認された情報によると、当該船舶は麻薬密輸に積極的に関与していた。今回の作戦で麻薬テロリスト4人を殺害した」と述べた。
しかし、国連人権理事会が21日に発表した概要説明の中で、ソール報告者は「このような攻撃は、生命に対する権利を侵害する連続的な超法規的殺害に相当する。国または個人の自衛を理由に正当化されるものではなく、国際人道法、国際海洋法、麻薬取締条約、または国際テロ対策法の下でも正当化されない」と指摘した。
「報告されている68件の攻撃で223人が殺害されており、これが慣習国際法の下の、殺人という人道に対する罪に該当すると信じるに足る合理的な根拠がある」とソール氏は結論付けた。
BBCニュースは、この国連報告についてホワイトハウスと米国務省にコメントを求めた。
ピート・ヘグセス米国防長官はかつて、麻薬運搬船だとする船舶攻撃の全般的な目的は「麻薬テロリストを西半球から排除すること」と、アメリカを「国民の命を奪う麻薬」から守ることだと述べている。
米軍は昨年9月初めから、「海上の犯罪ネットワーク」を標的とした「南方の槍(やり)」作戦を開始した。
しかし、アメリカ当局は攻撃した船舶が麻薬密輸に関与していたという、決定的な証拠を提示していない。
専門家たちは当初から、米軍によるこうした空爆の合法性を疑問視してきた。自国民が標的となった中南米諸国の指導者たちは、当初アメリカを強く批判した。
しかし、ヴェネズエラの指導者で、空爆に反対していたニコラス・マドゥロ前大統領は今年初め、首都カラカスへの米軍強襲で拘束され、アメリカに連行された。
「南部の槍」作戦をもう一人、公然と批判していたコロンビア左派のグスタボ・ペトロ大統領は、トランプ氏が支援する候補者が6月の大統領選挙で勝利したことを受け、8月に辞任した。















