ゼレンスキー氏、同盟国からロシアのエネルギー施設への攻撃抑えるよう要請されたと発言

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ヴィタリー・シェフチェンコ キーウ
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は30日、世界的な燃料危機が続く中、ウクライナの同盟国がロシアのエネルギー関連インフラへの攻撃を抑制するよう自分に促したと明らかにした。そのうえで、ロシアが先にウクライナのエネルギーインフラを標的にすることを止めた場合に限り、ウクライナは攻撃を止めると述べた。
ゼレンスキー氏の発言が、どの同盟国を指したものかは明らかになっていない。中国とインドは依然としてロシア産石油への依存度が高く、欧州連合(EU)はロシア産ガスへの依存が続いている。
ゼレンスキー氏は、メッセージアプリ「ワッツアップ」の音声メッセージで記者団に対し、ウクライナがロシアのエネルギー系を攻撃しているのは、ロシアと同じ手法で対抗しているまでのことだとも話した。
ゼレンスキー氏の発言は、ウクライナがロシアのエネルギー部門に対して一連の長距離攻撃を実施した後に出たもの。これには、サンクトペテルブルク近郊のウーストルガ港にある主要な石油輸出ターミナルへの攻撃も含まれている。
音声メッセージの中でゼレンスキー氏は、「ロシアの石油部門、つまりエネルギー部門に対する我々の反撃を減らすには、どのようにすればいいのかと、一部のパートナー国から言われている」と述べた。
「もしロシアがウクライナのエネルギーを攻撃しない用意があるなら、私たちもそれに応じて相手のエネルギーを攻撃しない」
米・イスラエルとイランの間の戦争と、イランが石油の重要な海上輸送ルートのホルムズ海峡を事実上封鎖したことを受けて、エネルギー価格が急騰している。その状況でアメリカは、ロシア産石油に科していた制裁の一部を緩和した。
一方で、中国とインドは依然としてロシア産原油の最大の購入国で、クリーン・エア・タスクフォース(CREA)によると、2月にはロシアの輸出量の85%が中国とインドへのものだった。
一方、EUはロシア産ガスの最大の購入者で、ロシアの輸出量の34%を占める。特に液化天然ガス(LNG)では、49%を占めている。
ロシアがウクライナの石油精製所に絶え間ない攻撃を加えた結果、ウクライナは現在、輸入燃料に大きく依存している。その多くはポーランド、ギリシャ、リトアニア、トルコを経由している。
ウクライナが輸入するガスの半分近くは、以前はハンガリーから来ていた。しかし、ロシアから石油を運ぶパイプラインの修理がEU融資の停滞によって足止めされているとハンガリーはウクライナを非難しており、このルートは停止されたようだ。
ロシア領内の奥深くにあるエネルギー関連インフラに対してウクライナが実施する攻撃について、何が主な標的で、どのような影響が出ているのかは重要機密情報のため、明確な情報はほとんどない。
ウクライナのエネルギーインフラへの攻撃がこのところ報じられるが、そのほかに兵器工場も攻撃を受けている。
「ウクライナ軍には十分な燃料」とゼレンスキー氏
ゼレンスキー氏は28日、バルト海にあるロシアのウスチ・ルガ石油ターミナルに対して25日に実施した攻撃によって、同港の能力の60%を機能停止させたと記者団に述べた。
ゼレンスキー氏は先週、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)、カタール、ヨルダンを歴訪した。各国はいずれも現在、イランによる空からの攻撃に苦しめられている。
この外遊でゼレンスキー氏は、ウクライナのドローン技術と専門知識を提供するとともに、ロシアのミサイル攻撃からウクライナを守るための支援を求めた。
世界的な原油価格の高騰はロシアの戦時経済への資金流入を意味するが、同時にウクライナの戦闘能力を脅かしている。
ゼレンスキー氏は28日の記者会見で、BBCの質問に答える形で、ウクライナ軍には現在のところ十分な燃料があると述べた。ただし、湾岸諸国を訪問した際に、追加を確保しようとしたのだと明らかにした。
また、黒海経由の穀物輸出を阻止しようとするロシアの試みを退けたウクライナには、ホルムズ海峡に関しても通商路の封鎖を解消する有用な経験があるとも述べた。
ロシアの攻撃はウクライナのエネルギーシステムに深刻な損害を与え、とりわけ冬季には100万人以上が電力と暖房を失った。











