エストニア、領空内に飛来したドローンをNATO戦闘機が撃墜と発表

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ロシアと国境を接するエストニアは19日、ドローン1機が領空内に飛来し、北大西洋条約機構(NATO)の戦闘機が撃墜したと発表した。ロシアによる電子妨害で進路を外れたウクライナのドローンだった可能性があるとしている。
エストニアのハンノ・ペフクル国防相によると、ルーマニア空軍のF-16戦闘機がミサイルを発射して対応。ドローンの破片は、エストニア中部の湿地帯に落下した。被害は報告されていない。
ウクライナはこの事案を受け、ロシア国内の「正当な軍事目標」に向けて発射されたウクライナのドローンの進路を、ロシアが意図的にそらしたと非難。「このような意図しない事案について、エストニアおよびすべてのバルト諸国のすべての友人に」謝罪するとした。
NATO加盟国であるエストニア、ラトヴィア、リトアニア上空にはこのところ、ドローンが相次いで侵入している。こうした事案について、ロシア側はコメントしていない。
ラトヴィアでは、ロシアに向けて発射されたウクライナ製ドローンが自国領内に迷い込んだことで、政治危機に発展。先週にはエヴィカ・シリニャ首相が辞任した。
今月初め、ラトヴィアの石油貯蔵施設にウクライナのドローン2機が直撃した。施設には当時、石油は貯蔵されていなかった。ウクライナ側は、ロシアによる電子妨害が原因だとしている。
同様の領空侵犯は、3月にもエストニアとラトヴィアで報告されている。
ロシア政府は、バルト3国がウクライナに「空の回廊」の使用を許可し、ロシア国内の標的を攻撃させていると非難している。3カ国の政府はいずれもこれを否定している。
ウクライナは最近、バルト3国に近いロシアの石油・ガス施設などに対する、ドローンやミサイルによる攻撃を強化している。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2022年2月に、ウクライナへの全面侵攻を開始した。
ドローンを追跡・撃墜、同盟国以外の領空使用は認めず
エストニアのペフクル国防相は19日の記者会見で、領空内に侵入したドローンについて、現地時間19日正午すぎにヴォルツヤルヴ湖とプルツァマー町の間の地点で撃墜されたと説明した。
このドローンはエストニア領空に侵入する前から、潜在的な脅威として特定されていたとも、ペフクル氏は述べた。
エストニア国防省は声明で、「ラトヴィアから進路を外れたドローンについて、早期に情報を得て、エストニアはそのドローンを追跡した。その後、バルト空域警備任務に参加するルーマニアの戦闘機がこれを撃墜した」と説明した。
ペフクル氏は、この事案について「直ちに」ウクライナ側の担当者と協議し、謝罪を受けたと付け加えた。
「エストニアは同盟国以外に領空の使用は許可していない。ウクライナ側からも使用許可の要請はなかった」と、ペフクル氏は述べた。
地元メディアはその後、地上に落下したドローンの破片とされる写真を公開した。
エストニアの公共放送ERRによると、ドローンが墜落した森林から約30メートルの場所には集合住宅がある。
地元住民の1人は、「大きな爆発音がして、ドローンが空から落ちてくるのが見えた」と話したと、ERRは伝えた。
バルト3国からの攻撃をウクライナが準備とロシア
ウクライナ外務省のヘオルヒー・ティヒー報道官は、ロシアが「意図的に、プロパガンダを強化しながら」、「ウクライナのドローン(の進路)をバルト3国へとそらし続けている」と述べた。
ティヒー報道官は声明で、「このような意図しない事案について、エストニアおよびすべてのバルト諸国のすべての友人に謝罪する」としたうえで、「我々はロシアへ到達するために、ロシアの領空を利用している」と強調した。
この声明の数時間前には、ロシア対外情報庁(SVR)が、ウクライナがエストニア、ラトヴィア、リトアニアからロシアの標的に向けてドローンを発射することを計画していると主張していた。
SVRは、ウクライナのドローン攻撃を担当する軍事要員がすでに、ラトヴィアの軍事基地に配備されていると報告している。
ラトヴィア側は、これをロシアの「偽情報」だと一蹴。ラトヴィア外務省は、同国政府は「ロシア連邦内の標的を攻撃するために、自国の領土や領空を使用することは認めていない」とした。
ウクライナ外務省のティヒー報道官も、「ウクライナがラトヴィア領内からの対ロシア攻撃を準備しているとするロシア側の最新の虚偽の主張には、真実はまったくない」と述べた。
NATOの東端に位置するバルト3国では、ロシアがNATOの軍事同盟の結束を試すため、大規模な挑発を計画しているのではないかとの懸念が高まっている。
昨年、NATO加盟国のポーランドの領空に十数機のドローンが侵入したことを受け、より多くのNATO加盟国が、部隊や戦闘機を東方へと移動させることで合意した。











