インファンティーノ氏、誤り認め謝罪 FIFA会長にはとどまる

ダークスーツ姿のインファンティーノ氏が斜め前方を見ている

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画像説明, FIFAのインファンティーノ会長は2016年に初選出された
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国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長(56)は5日、FIFA主催大会で株式を投資家に売り出す計画を打ち出し、強い批判を浴びて撤回した問題で、「誤り」があったとして謝罪した。だが、FIFA幹部らの支持を得て、会長の座にとどまることになった。

自らの提案をめぐる騒動への批判が高まるなか、インファンティーノ氏は5日、モロッコ・ラバトのFIFAアフリカ事務所に理事会メンバーを招集。会議終了の4時間後、FIFAは同氏を支持する声明を発表した。

インファンティーノ氏に対しては、欧州サッカー連盟(UEFA)が先週末、信頼を失ったとし、提案は「卑劣でこっそりまとめられた不透明な事案」だったと批判していた。

批判はFIFA内部からも多く出ている。マティアス・グラフストローム事務局長は4日、FIFA職員への内部メモで、この状況を「悲しく、非難されるべき一連の出来事」だとしていた。

しかし、5日の会議後に出された声明では、グラフストローム氏を含む幹部らが、インファンティーノ会長を「改めて全面的に支持した」とした。

インファンティーノ氏とグラフストローム氏は、FIFAの副会長、理事会、加盟211協会に署名入りの書簡を送付。自分たちの誤りについて「心からおわびする」とともに「二度とこのようなことが起こらないよう約束する」と述べた。BBCはこの書簡を確認している。

インファンティーノ氏は、男子と女子のワールドカップ(W杯)を含むFIFAの大会について、新設の子会社FIFAフォワード・エンタープライズ(FFE)を通じて民間投資を受け入れる案を打ち出し、これを支持する協会には4000万ドル(約60億円)を提供するとしていた。この提案は大きな非難を浴び、のちに撤回された

FIFAは5日の会議後の声明で、FFEをめぐって「過ち」があったことを「認める」とした。また、FIFAの理事会と加盟協会が「プロセスから排除されたと感じたことや、プロセスが別の方法で処理されるべきだったこと」は「意図しないもの」だったとした。

FIFAは同時に、「(FIFAの)誠実性、優れたガバナンス、適正手続きに対するいかなる攻撃もこれ以上容認しない。その名声と評判を守るため、必要なあらゆる措置を講じる」とも表明した。

インファンティーノ氏をめぐっては、英紙タイムズが最近、モロッコに対して支援の見返りとして2030年W杯決勝の開催を約束したと報道。FIFAは「虚偽で誤解を招く」として否定し、スペイン、ポルトガル、モロッコの3カ国が共催する同W杯の決勝の開催地は「適切な時期に」決定されるとしている。

さらなる批判後の内部支持

インファンティーノ氏は、来年3月にモロッコで開催されるFIFA総会で、会長4期目となる再選を目指している。対立候補は11月18日までに立候補する。当選には、FIFA加盟211協会が投じる票のうち106票が必要。

ウェールズを含む複数の協会が、インファンティーノ氏再選への支持を撤回している。イングランドもその動きに続くと見通しとなっている。

インファンティーノ氏の辞任を求める声は、これまでのところヨーロッパと、ヨルダンから上がっている。ヨルダンは、今回の騒動以前に同氏の再選を支持する書簡に署名していなかった数少ない協会の一つだった。

一方、インファンティーノ氏への支持を表明している国は、はるかに多い。その多くは、同氏の強固な支持基盤となっているアジアとアフリカの国々だ。

ここ数日の間にも、エジプト、モロッコ、ニジェール、モーリタニア、コンゴ民主共和国、フィリピンがインファンティーノ氏への支持を明確にしている。

いずれも、インファンティーノ氏のFIFAフォワード・プログラム(FFEの前身)を通じて、3年ごとに800万ドル(約12億6000万円)の資金援助を受けてきた国々だ。

これまでの動きを時系列で

・7月27日(月)

FIFAのインファンティーノFIFAが自分のインスタグラム・アカウントに15枚のスライドを投稿。自分を批判する人々に対し、自分のリーダーシップについて「憎悪や虚偽のうわさを広める」のではなく、「瞑想(めいそう)したり、祈ったり、サッカーの試合を観戦したり」するよう呼びかけた。

・7月28日(火)

英紙タイムズとフィナンシャル・タイムズは、インファンティーノ氏がW杯をはじめFIFA主催大会の株式を民間投資家に売却する計画を立てていると報じた。

UEFAは、サッカーは「FIFAが売るべきものではない」とする初の声明を発表し、FIFAが「一線を越えた」と非難した。

FIFAは計画を正式に発表した。

・7月29日(水)

インファンティーノ会長はFIFA加盟211協会すべてに書簡を送り、自分の計画を支持すれば4000万ドルを提供すると伝えた。ただし、最初の2000万ドルを受け取るためには9月19日までに支持を表明する必要があるとした。

UEFAは「FIFAが我々のスポーツを利用して、自分たちや仲間の私腹を肥やし続けることは許されない」と批判した。

・7月30日(木)

UEFA加盟55協会は、インファンティーノ会長の計画が実行された場合、W杯をボイコットすると決議した。

北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)も、加盟41協会が会長案を「拒否した」と発表した。

・7月31日(金)

FIFAは「誰もサッカーを売り渡してなどいない」と反論し、計画を継続すると表明した。

AFCは、UEFAとCONCACAFに「連帯する」と表明したが、インファンティーノ会長の提案を明確に拒否することは避けた。

インファンティーノ会長のコルデイロ上級顧問が、「サッカーにとって悪い取り決めで、サッカーの未来を抵当に入れることになる」と抗議辞任した。

アンディ・バーナム英首相は、インファンティーノ氏はFIFAを率いるのに「不適任者」だと述べた。

FIFAのケヴィン・ラムール最高執行責任者は、FIFAの首脳陣さえこの計画について「だまされていた」と批判した。

・8月1日(土)

インファンティーノ氏はイギリス時間1日午前0時30分ごろに声明を発表し、計画は実行されないとした。

UEFAは、インファンティーノ氏のリーダシップに対する信頼を失ったとする声明を発表。

CONCACAFは、「一方的かつ甚だしくひどいガバナンス行為」があったとし、FIFAリーダシップを「全面調査」すべきだとした。

・8月3日(月)

ウェールズ・サッカー協会が、インファンティーノ氏の会長再選の支持を撤回。FIFA加盟協会としては初めての動き。

インファンティーノ氏が撤回した民間投資受け入れ案をめぐり、UEFAが法的措置を取る可能性を示した。

イングランド・サッカー協会が、以前表明していたインファンティーノ氏の再選支持を撤回するとの書簡を送る見通しとなった。