米国とイラン、新たに互いを攻撃 停戦交渉が行き詰まるなか

白黒動画のスクリーンショット。タンカーの一部が写っている。上部にはUNCLASSIFIED(機密指定解除済み)の緑色の文字が入っている

画像提供, X/US Central Command

画像説明, 米軍はタンカーを攻撃した場面だとする映像を公開した
Published
この記事は約 4 分で読めます

米軍は2日、イランに対して「自衛」のための攻撃を実施し、船舶や湾岸諸国に向けて発射された弾道ミサイルやドローンを撃墜したと発表した。一方、イラン側も米軍基地などを攻撃したとした。

米中央軍(CENTCOM)は、ホルムズ海峡にあるケシュム島を空爆したとし、「中東全域でのイランによる攻撃の試みへの対応」だと説明した。

同軍によると、イランがクウェートに向けミサイル2発を発射した。いずれも目標に届かなかったか空中分解したという。バーレーンに向けても3発を発射したが、迎撃されたという。

一方、イラン革命防衛隊(IRGC)は、近隣諸国の米軍基地やヘリコプターをミサイルとドローンで攻撃したと発表した。イラン国営メディアはこの攻撃について、ケシュム島南部の通信塔に対する米軍の空爆への報復だと伝えた。

米中央軍は、ケシュム島への空爆はイラン軍の地上管制所が標的だったと説明。また、「地域の海域を正当に航行していた民間船員」に向けてイランが攻撃用ドローン3機を発射したとし、米軍がそれを撃墜したとした。

イラン革命防衛隊は、「ホルムズ海峡の安全を脅かす行為に対し、侵攻的な米軍は重い代償を払うことになる」とした。

イランはこれまで、米軍基地があるバーレーンやクウェートへの攻撃を繰り返している。

タンカーを攻撃したと米軍

米中央軍はケシュム島への空爆の発表に先立ち、ホルムズ海峡付近をイランに向けて航行していた積荷のない石油タンカーを攻撃し、航行不能にしたと発表した。この攻撃について、同海峡でのアメリカによる海上封鎖の一環だと説明した。

同軍によると、イランのカーグ島に向かっていたボツワナ船籍のタンカー「レクシー」の乗員が過去24時間に「警告をたびたび無視した」ため、米軍機が2日、このタンカーの機関室に向けてミサイル「ヘルファイア」を発射したという。同軍は、タンカーが被弾した瞬間だとする映像を公開した。

イランはこの件について公にコメントしていない。BBCはボツワナ政府にコメントを求めている。

米軍は、イランの港湾に出入りするすべての船舶を対象とした海上封鎖を4月13日に開始した

米中央軍によると、それ以降、米軍は商船6隻を航行不能にし、122隻の進路を変更させたという。

アメリカによるイランの港湾封鎖の範囲を示す地図。封鎖対象となるペルシャ湾、ホルムズ海峡、マーン湾に沿うイラン南部の沿岸部は赤色で、イランの領海はピンク色で示されている。カーグ島とバンダルアッバスを含む港湾や主要な桟橋が紫色の点で示されている。出典はマリーン・リージョンズ

こうしたなか、アメリカでは2日、マルコ・ルビオ国務長官が、イランとの戦争が始まってから初めて議会に姿を現した。

ルビオ氏は上院の委員会で、ホルムズ海峡の再開と引き換えにイランへの制裁を緩和すると、米交渉団が提案したことはないと証言。

「現時点で協議しているのは、(中略)いかなる制裁緩和も条件付きだということだ。制裁緩和は、制裁が課された根本的な理由、すなわちイランの核開発計画への対応として行われる必要がある」と述べた。

ルビオ氏と委員らの間では緊迫したやり取りがみられた。委員の1人が紛争終結に向けた米政府の戦略に疑問を呈し、ルビオ氏が「戦争は終わっている」と述べる場面もあった。