フランス南西部で山火事が激化、次の熱波で最高気温40度の予報も

道路に面した乾燥した緑地で、大きく炎が燃え上がっている。重装備の消防士がホースで懸命に消火に当たっている。道路には複数の緊急車両が停まっている。

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画像説明, 仏南西部では消防活動が続いている(27日、サン=ジャン=ディラック)
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ラウラ・ゴッツィ記者

フランス南西部ジロンド県の山火事は28日も猛威を振るっており、消防隊員らは24時間体制で消火活動に当たっている。同国では今後も、気温の上昇が予想されている。

「火災は(旧約聖書の)ダヴィデと巨人ゴリアテの戦いのようなものだ」と、フランス消防士全国連盟のエリック・ブロカルディ報道官は語った。

同報道官によると、ここ数週間でフランス各地で消防隊員4人が死亡した。また、ジロンド県だけでも2000人が消火活動に派遣されている。火災はここ数日にわたり、南西部沿岸からボルドー市にかけての田園地帯を焼いている。

ジロンド県のソフィー・ブロカス知事によると、すでに火災に見舞われていた14カ所で、28日に新たな火災が発生した。

「まだ安心できる状況ではない」と、ブロカス知事は述べた。

今夏4度目となる熱波は29日までに始まると予想されており、この地域の気温は40度に達する見込みだ。

同じく山火事が続いているスペインでも、同様の高気温が予想されている。

スペインでは先週、山火事によって7万人以上が避難を余儀なくされたほか、現在も数十のコミュニティーが脅威にさらされている。ただし、多くの住民はすでに帰宅を許可されている。

マドリード州は特に大きな影響を受けており、ペドロ・サンチェス首相は、今後数時間から数日間は非常に困難な状況が続くものの、「トンネルの先に」光が見え始めていると述べた。

隣国ポルトガルでは、東部グアルダ県で発生した大規模火災に対し、消防士400人が3カ所の現場で消火活動にあたった。

ボルドー市では脅威遠のくが大気汚染が悪化

仏南西部のボルドー市では、27日に発生した山火事の一つが、市の郊外からわずか15キロの地点まで迫ったが、現在は大きな脅威にさらされていない。

しかし、ジロンド県の消火活動を指揮するレミ・ラスレイユ司令官は、「ボルドーおよび都市圏への影響を懸念している」と述べた。

市内では、大気汚染も大幅に悪化した。

「日曜日の夕方には、本当に人影がまばらになっていた」と、英エセックス州から来た観光客はBBCに言い、空気が灰の粒で「ひどく煙っぽく」なっていたと付け加えた。「誰もが屋内に閉じこもっていた。不気味でとても悲しい光景だった」。

濃い灰色の煙に覆われた川沿いの遊歩道。歩行者はみなマスクで顔を覆っている

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画像説明, ボルドーでは煙を避けるために大勢がマスクを着用している

住民や観光客の大多数はマスクを着用しており、煙の臭いは何日も服にこびりついていたとも、この観光客は述べた。

この観光客によると、ボルドーのシャルトロン市場を歩いていた消防士の一人が「拍手喝采を浴びていた」という。市場では、空気中に舞う灰のためにレストランが休業を余儀なくされていた。

ボルドーのイギリス人コミュニティーの会長を務めるグレアム・ホワイト氏は、「街はとても静かだ」と話した。「商店やレストラン、カフェは閑散としている。興味深いことに、まだ煙が立ち込めていた26日の方が、テラス席に座る勇気のある人たちがいた」

この地域に数年前から住んでいるホワイト氏は、今起きているのは「何か重大な」出来事だと述べた。

一方、一部の報道でボルドーの状況が「次のロンドン大火になる」という意見もあったが、そうはなっていないとホワイト氏は話した。1666年に起きたロンドン大火では、シティ・オブ・ロンドンの大半が焼失した。

フランスのステファニー・リスト保健相は、政府は大気汚染を「非常に警戒している」と述べ、影響を受けている地域の人々に屋内にとどまるよう促した。

仏ジロンド県での山火事の推移を示した図。日付ごとに、沿岸からボルドー市までの地図に、燃え続けている火災(赤色)と7月22日以降の火災(ピンク色)が示されている。22日には他地域では山火事の大半が鎮火されたが、南西部では高い警戒が続いた。当局は、乾燥した熱風により火が燃え広がる可能性を警告。24日には、瞬く間に2000ヘクタール超に延焼し、被害はル・ポルジュまで広がった。ボルドー市に火が近づくなか、26日には、20万人超が避難した。火災はレージュ・キャップ・フェレまで広がった。27日までに4万2000ヘクタールが焼失。当局は引き続き、沿岸での強風予報から新たな発火リスクをモニタリングしている。出典は米航空宇宙局(NASA)の熱源検出サイト「FIRMS」

ジロンド県のブロカス知事は28日朝、ラカノー沿岸にあるすべてのキャンプ場に対し、新たな避難命令を出した。一方、近隣の町にいる人々はその場にとどまることを許可されたものの、必要となれば緊急避難できるよう準備を指示された。

今回、避難指示を受けた約4000人の観光客に加え、フランス全土ではここ数日間で22万人が避難を余儀なくされている。

また、当局によると、火災によって推定240棟の家屋が破壊されたという。

28日正午までに、消防隊員らは再び勢いを増し始めた火災に対処するため、地域の様々な場所で既に活動を開始していた。

南部ヴァール県で放火の疑いで逮捕された23歳の男性には、禁錮15年の実刑判決が下る可能性がある。ローラン・ヌニェス内相は、火災に関連して今月6日以降で184人が逮捕されたと述べた。

一軒家の塀に黒いスプレーで「MERCI(ありがとう)」と書かれた白いシーツがかけられている

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画像説明, ボルドーから南西に下ったビスカロッスの住宅には、消防隊への「ありがとう」のメッセージが掲げられた

ボルドー西部にある数少ないワイナリーの一つ、シャトー・ピック・カイユのペギー・プルイネック総支配人はBBCに対し、煙の影響で先週末は休業したものの、その後に状況は改善したと説明。26日夜の雨が助けになったと話した。

ブドウ畑は危険にさらされてはいないものの、観光客がこの地域から「姿を消してしまった」、「この夏、観光業界は間違いなく影響を受ける」ともプルイネック氏は述べた。

「今起きていることは前例のない事態だ。幸いにも今のところ大きな影響は受けていないが、観光客数の減少によってビジネスは打撃を受ける」

「しかし、家や事業を失った人が大勢いる。言うまでもなく、消防士たちは何週間も懸命に働き続けていて、疲れ果てているに違いない」

一方、先週末に避難命令が出されたカップ・フェレ半島の住民の一人は、フランスのメディアに対し、今は内陸の大都市よりも自分が住んでいる半島の方が心配だと話した。

「誰もがボルドーを救うことについて語るが、ボルドーにはコンクリートしかない。コンクリートが燃えるのを見たことがあるか?」

「ここには木々しかないし(中略)すべてが燃え尽きた光景を見ると、まさに大惨事だ」

(追加取材:グザヴィエ・パラス)