ギャバード米国家情報長官、6月末に辞任へ 夫のがんが判明と

黒い長髪の女性の横顔。耳に大きな金色のイヤリングをしている

画像提供, Getty Images

画像説明, タルシ・ギャバード国家情報長官
Published
この記事は約 4 分で読めます

アメリカのタルシ・ギャバード国家情報長官が22日、辞任の意向を示した。夫が骨のがんと診断されたためとしている。

辞任を表明した書簡の中でギャバード氏は、「夫の強さと愛が、あらゆる困難の時に私を支えてきた」、「私がこの多忙で時間を要する仕事にとどまる一方で、彼にこの闘いに一人で挑むよう求めることは、良心に照らしてできない」と述べた。

ドナルド・トランプ大統領はソーシャルメディアへの投稿で、ギャバード氏は「驚くべき仕事をしてきた。我々は彼女を惜しむだろう」と述べた。

ギャバード氏は6月30日付で辞任する予定。トランプ氏は、アーロン・ルーカス主席副長官が長官代行として職務を引き継ぐと述べた。

ギャバード氏は、2024年の大統領選でトランプ氏を忠実に支持し、トランプ政権発足後、アメリカの情報収集体制において最も強力な人物の一人となった。しかし今年に入り、アメリカがイランに対して軍事行動を取り、キューバに圧力をかけ、さらにヴェネズエラの大統領を排除した中で、公の場にほとんど姿を見せていなかった。

不介入主義の退役軍人、民主党からトランプ氏支持へ

ギャバード氏は政治キャリアを通じて、海外での戦争への介入に反対する立場を取ってきた。トランプ氏が今年2月にイランへの攻撃を決定したことで、同氏との間で緊張が生じた。

アメリカとイスラエルによる攻撃後、ギャバード氏はその決定への支持を避け、3月に行われた議会公聴会でも、この紛争がもたらし得る影響について政権が認識していたかどうかという質問を、慎重に回避した。

また、野党・民主党が、ホワイトハウスと情報機関がイランの核濃縮能力について主張した内容に不一致があると指摘した点についても、質疑の中で厳しく問われた。

ギャバード氏は昨年、議会でイランは核兵器開発を目指していないと証言したが、トランプ氏はこの発言を退ける姿勢を示していた。

「彼女が何を言ったかは気にしない」とトランプ氏は当時、記者団に述べ、「彼らは兵器を保有する寸前だったと思う」と主張した。トランプ氏は、アメリカがイランと戦争状態に入った理由として、イランの核能力を繰り返し挙げている。

2カ月前には、ギャバード氏の側近だったジョー・ケント氏が、イランへの攻撃に抗議して国家テロ対策センターの所長職を辞任。大統領に対して「方針転換」を求めた。

ケント氏の辞任後、ギャバード氏は公にトランプ氏のイランに関する決定を支持。大統領には、何が差し迫った脅威かを判断する責任があると述べていた。

ギャバード氏はイラクに医療部隊と共に従軍した退役軍人であり、その政治キャリアでいくつかの「初」を達成している。

2002年に21歳でハワイ州議員に初当選。これは同州史上、最年少の選出だった。1期務めた後、州兵部隊がイラクに派遣されたことを受けて議員職を離れた。

2013年には民主党から出馬し、初のヒンドゥー教徒の連邦下院議員となった。2020年には、反介入主義の外交政策を掲げて大統領選の予備選に出馬したが、途中で撤退した。

2022年に民主党を離党し、当初は無所属として登録した。その後、FOXニュースのコメンテーターとして活動する中で、ジェンダーや言論の自由といった問題について積極的に発言し、共和党に加わる前からトランプ氏の強い支持者となった。

2024年の大統領選でもトランプ氏を支持し、選挙戦を共に展開し、選挙後には政権移行チームの一員を務めた。

ギャバード氏が国家情報長官に就任して以降、アメリカの情報機関コミュニティーの規模は縮小した。昨年、職員をほぼ50%削減する計画を発表した際、同氏はこの機関が過去20年で「肥大化し非効率になっていた」と述べた。