トランプ政権、「反武器化基金」を断念 与党の一部も強く抵抗

紺色のスーツに鮮やかな青色のネクタイを締めたトランプ氏が演壇に立ち、口を開いている。後方には、ダークスーツに水色のネクタイを締めたブランチ氏がいる

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画像説明, 米司法省のブランチ長官代行(左)は「反武器化基金」の設立を前面に立って推進してきた
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アメリカのドナルド・トランプ政権が「反武器化基金」の設立を断念した。トッド・ブランチ司法長官代行が2日、明らかにした。この基金は、政府によって不当に標的にされたり捜査の対象にされたりしたと主張する人々への補償を目的としたもので、18億ドル(約2870億円)規模となる計画だった。野党に加え与党の一部議員からも、強い反対の声が出ていた。

ブランチ氏はこの日の議会公聴会で、「この基金は前進させない。以上」と述べた。

「反兵器化基金」は、トランプ氏が自らの納税申告書の流出をめぐって内国歳入庁(IRS)を相手に起こした訴訟の和解の付帯条項に含まれたものだった。トランプ政権が先月、これを発表していた。

設立計画は野党・民主党と、与党・共和党の一部から強い批判を浴びた。2021年1月6日の議会議事堂襲撃事件で起訴された人々や、警官への暴行で有罪判決を受けた人々まで補償することになりうると、反対派は主張した。

実際、同事件で起訴された多くのトランプ氏支持者が、同基金に請求するつもりだと表明してきた。トランプ氏の元側近らも同様の考えを示してきた。

また、同基金を差別的だと主張する男性2人によって訴訟も起こされた。ヴァージニア州の連邦地裁のレオニー・ブリンケマ判事は先月29日、司法省に対し、6月12日の予備審理まで設立を一時差し止めるよう命じた。原告らは、自分たちはトランプ政権による政治的報復の対象にされたが、賠償を請求することは認められないだろうと主張していた。

同省は1日にXで発表した声明で、この裁判所の命令に「強く反対する」としつつも、従う意向を示した。同時に、同基金は「多くの人々が不当に受けた甚大な虐待、危害、憎しみを補償する」ものだとし、設立の妥当性を主張。「民主、共和、保守、無所属、その他の政治的立場を問わず、武器として利用されたり、標的にされたり、迫害されたりした人すべてに開かれている」としていた。

BBCのダニエル・ブッシュ米ワシントン特派員は、この基金をめぐって激しい批判が巻き起こったのは、トランプ政権2期目において顕在化しつつある傾向だと指摘。一部の共和党議員らはこのところ、トランプ氏の権力を拡大したり、味方を優遇したり、政敵を懲らしめたりしようという動きが度を越していると判断した場合、それに反発する姿勢を見せていると説明した。

同特派員はまた、こうした共和党議員らはトランプ氏の大統領復帰以来、たびたび同氏に立ち向かっているとし、同氏が政権2期目で与党を完全支配できていないことを示していると伝えた。