トランプ政権、「反武器化基金」の一時差し止め命令に従うと発表 「政治的捜査」補償が目的の基金

白いアメリカ帽と赤いゴルフセーターを着たドナルド・トランプ大統領が、ホワイトハウスの外の白い柱のそばを通り過ぎるときに手を振っている

画像提供, Reuters

画像説明, トランプ米大統領
Published
この記事は約 4 分で読めます

アメリカの司法省は1日、ドナルド・トランプ政権が打ち出している「反武器化基金」をめぐり、設立の一時差し止めを命じた裁判所の決定に従うと発表した。同基金は、過去の政権下で連邦政府の「政治的捜査」の対象となり、不当な扱いを受けたと主張する人々への補償を目的としたもので、規模は18億ドル(約2870億円)。

同省は同時に、「(裁判所の)決定に強く反対する」と声明で述べた。

「反兵器化基金」の設立は、トランプ氏が自らの納税申告書の流出をめぐって内国歳入庁(IRS)を相手に起こした訴訟の和解の付帯条項に含まれた。トランプ政権は先月、これを発表した。

野党・民主党は同基金を「裏金」と批判。与党・共和党からも反対の声が出ている。ヴァージニア州の連邦地裁のレオニー・ブリンケマ判事は先月29日、6月12日の予備審理まで設立を一時差し止めるよう命じた。

司法省は妥当性を主張

司法省はソーシャルメディア「X」に投稿した声明で、「反武器化基金」の妥当性を主張。「多くの人々が不当に受けた甚大な虐待、危害、憎しみを補償する」ものとして設立されるとした。

同省は、この基金が「民主、共和、保守、無所属、その他の政治的立場を問わず、武器化されたり、標的にされたり、迫害されたりした人すべてに開かれている」と主張している。

ホワイトハウスに裁判所の決定についてのコメントを求めたところ、司法省が出すとした。

司法省の報道官は先週、ブリンケマ判事が2ページの文書で基金設立の一時停止を命令した際、この基金の合法性に「極めて自信がある」と述べていた。

判事命令は、同基金が差別的だと主張した男性2人がヴァージニア州で起こした訴訟で出されたもの。原告らは、自分たちはトランプ政権による政治的報復の対象にされたが、自分たちが賠償を請求することは認められないだろうと主張した。

2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件で起訴された多くのトランプ氏支持者は、同基金に請求するつもりだと表明している。トランプ氏の元側近らも同様の考えを示している。

与野党が強く反対

共和党の上院トップのジョン・スーン院内総務は、この基金に強く反対している。

1日には議会で自らの立場を改めて表明。移民当局に資金を提供する720億ドル(約11兆5000億円)規模の予算案を議会で通すためには、ホワイトハウスが基金を中止するのが望ましいと述べた。

スーン氏はまた、「この問題での自分の見解を明確にした」とし、「最善の対処方法は、政権が自ら中止を決定した場合だ」と付け加えた。

民主党の上院トップのチャック・シューマー院内総務は1日、同党として基金の廃止を求めていくと示唆した。

シューマー氏はXへの投稿で、「上院民主党は、トランプの腐敗したMAGA裏金を禁止する法案を推し進め、どんな大統領もこれを二度とできないようにしていく」と表明。「それが葬り去られて復活できないようにする。トランプのボールルーム(大宴会場)でそうしたように」と書いた。

トランプ政権の1期目で副大統領を務めたマイク・ペンス氏も先週末、この基金を厳しく批判。「最初から悪い考え」で、中止べきだと述べた。