ゲイツ氏、エプスティーン元被告から個人的な交流を求められるも「決して応じなかった」 米下院監視委で証言

ダークスーツに、紺と白のストライプのネクタイを着けたゲイツ氏が、口を閉じ、前方を見ている。背後にはダークスーツ姿の男性らが立っている

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画像説明, 米下院監視委員会による非公開の聞き取りのため、連邦議会議事堂に到着したマイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏(10日、米ワシントン)
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米マイクロソフト(MS)共同創業者のビル・ゲイツ氏は10日、連邦議会議事堂で非公開で行われた下院監視委員会の聞き取りで、性犯罪で有罪とされた富豪ジェフリー・エプスティーン元被告とは個人的な交流は一切なかったと証言した。また、エプスティーン元被告がゲイツ氏の慈善活動のための資金調達を実現できなかったことから、元被告との関係を断ったとも述べた。

ゲイツ氏は、エプスティーン元被告に関する調査を進めている下院監視委の非公開の聞き取りに自主的に応じた。同氏は聞き取りの中で、エプスティーン元被告が資金調達のために接触した複数の有力者の名前を挙げたと報じられている。

また、自身の不倫に関する情報を利用して、エプスティーン元被告が圧力をかけてきたとも証言した。

監視委のメンバーは、エプスティーン元被告が「友人収集家」であり、ゲイツ氏のような人物と関わり、「権力と影響力を誇示」していたことが、ゲイツ氏の証言で示されたと指摘した。

ゲイツ氏は聞き取りの冒頭で、エプスティーン元被告が継続的に犯罪行為に及んでいるのを目撃したことは一度もなく、そうした兆候もなかったと述べた。

「私は彼の(エプスティーン元被告が所有する)島にも、牧場にも、フロリダ州の自宅にも行ったことはない。私が誰かを被害者にしたこともない」とゲイツ氏は述べた。「彼は個人的な関係を築こうとしたかもしれないが、私がそれに興味を持ったことは一度もなく、応じたこともない」。

また、「エプスティーンによる犯罪行為のサバイバーたちが、受けるべき正義を得られることを願っている」と述べた。

これまでにゲイツ氏のほか、ビル・クリントン元大統領ヒラリー・クリントン元国務長官ハワード・ラトニック商務長官が、超党派下院委の聞き取りに応じている。

エプスティーン元被告は2008年、未成年者に対する売春の勧誘で有罪判決を受け、性犯罪者として登録された。2019年には、性的人身取引の罪で起訴され、裁判を迎える前に同年、拘置施設で死亡した。元被告の共犯者で、有罪評決を受け禁錮20年の刑で収監されているギレイン・マックスウェル受刑者は、今年2月に監視委の非公開のオンライン証言聴取に臨んだが、黙秘権を行使して回答を拒否した。

米司法省が1月に公開したエプスティーン元被告に関する資料数百万点では、ゲイツ氏の名前が数千回確認され、ゲイツ氏が元被告と一緒に写った写真も複数枚含まれていた。

ゲイツ氏は、不正行為について否定しており、元被告の違法行為も知らなかったとしている。

エプスティーン元被告と会ったのは「誤った判断」

ゲイツ氏は冒頭の発言で、今年初めにインタビューで語った内容を繰り返した。エプスティーン元被告と会ったことは誤った判断だったとし、自分は「彼と知り合ったことを後悔している大勢のうちの一人」だと主張した。

米司法省が公開した資料の中には、ゲイツ氏とエプスティーン元被告の操縦士が航空機のそばに立っている写真が含まれていた。ゲイツ氏はこれについて、元被告のプライベートジェットで旅行したのだと述べた。

公開資料には、元被告のものとされる電子メールの下書きもあり、ゲイツ氏の私生活に関する真偽不明な内容が記されていた。その中には、元被告がゲイツ氏のために「既婚女性」との「不適切な密会」を手配したとする主張や、「ロシア人女性たち」から性感染症を移され、ゲイツ氏に薬を調達しなければならなかったとする主張が含まれる。

別の電子メールには、ゲイツ氏が当時の妻メリンダ氏を同じ感染症から守るために、妻に「密かに」抗生物質を飲ませようとしていたと書かれている。ゲイツ氏はこれらの主張を否定しているが、ロシア人女性2人と不倫関係にあったことは認めている。

「エプスティーンは、私の不倫に関する情報に加え、それに重ねられた多くのうそを利用して、私に彼と再び関わるよう圧力をかけてきた」と、ゲイツ氏は述べた。

ゲイツ氏は、エプスティーン元被告とは2011年に会ったと証言した。これは、元被告が未成年者に売春を勧めた罪で有罪になってから3年後のことになる。ゲイツ氏によると、同氏が関わるグローバルヘルス・イニシアチブのための資金調達について話し合う中で、交流が深まっていったという。

ゲイツ氏は当初から、自分の財団の活動でエプスティーン元被告が役割を担ったり、報酬を受け取ることはないことを、明確にしていたと話した。

下院監視委の民主党トップのロバート・ガルシア委員は、聞き取りの最新状況について、「ゲイツ氏は、ジェフリー・エプスティーンが恐ろしい犯罪で有罪判決を受ける可能性があることを認識していたにもかかわらず、自身の財団への資金提供を求めるため、彼(元被告)との交流を続けていた」と記者団に語った。

ゲイツ氏は監視委に対し、2014年にエプスティーン氏が「献金者になり得る」人々を集めた後、「有意義な慈善活動の支援につながるはずだったこれまでの話し合いが行き詰まっていることに気がついた」と述べた。その集団には、話し合いを進めることに興味を持っている人が一人もいないことは明らかだったと、ゲイツ氏は付け加えた。

「その時点で、私はエプスティーンが約束を果たすことは決してないだろうという結論に至った」とゲイツ氏は述べた。「これ以上は関わらないと彼に伝え、それ以降は彼との連絡や面会を断った」。

監視委の民主党議員たちは、エプスティーン元被告が集めたという複数の人物の名前をゲイツ氏が明かしたものの、名前は公表しないと述べた。

監視委のティム・バーチェット委員(共和党)は、ゲイツ氏が「非常に厳しい」質問に慎重に回答していたと述べた。

「エプスティーンが『友人収集家』だったことは私にもはっきりとわかる。彼は大物たちを周りに集めて、一緒に写真を撮ったり、一緒に過ごしたりするのが好きだった。それが彼の人を引き込むやり方だったのだと思う」

バーチェット氏はまた、ゲイツ氏は「数十億ドルの資産を持つ人物にしては、かなり打ちのめされたような」様子だったとも、記者団に述べた。

ガルシア氏をはじめとする監視委の民主党議員によると、ゲイツ氏はエプスティーン元被告の電子メールの下書きについて言及し、元被告から女性や少女、あるいは未成年者を紹介されたことは一度もないと主張したという。

「(ゲイツ氏の)回答の一部からは、ジェフリー・エプスティーンと関わりのあった男性の多くが、その交流の中で自分が見たいものだけを見ていたことがうかがえる」と、民主党のエミリー・ランドル議員は述べた。

エプスティーン氏が有罪となり渡航を制限されていたことについて、ゲイツ氏は2月、「18カ月間の何か」で移動を制限されていたことを認識していたものの、元被告の経歴について十分に調べなかったのだと、自身の財団のスタッフに説明した。

情報業界の大物の一人であるゲイツ氏が、すでに公開されている事実を含む、エプスティーン元被告の経歴についてほとんど関心がなかったということがあり得るのか、議員らはゲイツ氏を徹底的に調査した。

(追加取材:ギャリー・オドノヒュー北米主任特派員)