ロシアのミサイルがウクライナ北部の集合住宅に直撃 就寝中の子どもら19人死亡

レンガ造りの複数階建ての建物の外壁の一部が破壊され、周囲にがれきが散乱している。黄色い重機ががれきを撤去している。男性4人が担架に人を乗せて運んでいる
画像説明, がれきの中で捜索活動が続く中、時間の経過とともに死傷者数は増加した(7日、ウクライナ・チェルニヒウ州プリルキ)
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ウクライナ北部の集合住宅に7日、ロシアのミサイルが直撃し、就寝中の子ども5人を含む19人が死亡した。この攻撃で30戸の住居が破壊された。

首都キーウの東に位置するチェルニヒウ州プリルキへの攻撃は7日未明に起きた。当局によると、犠牲になった子どものうち3人は1歳。また、1人の男児は母親と祖母と共に死亡した。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、今回の攻撃を、ロシアによる「最も卑劣な攻撃」の一つと非難した。また、ロシア軍が7日に74歳の誕生日を迎えたウラジーミル・プーチン大統領への「誕生日プレゼント」として実行したと示唆した。

ロシア政府はプリルキへの攻撃には言及せず、「大規模攻撃」でキーウなどにある軍需産業施設を標的にしたと発表した。

7日のウクライナ各地へのロシア軍の攻撃による死者は、合わせて25人に上った。キーウ、中部クレメンチュク、オレクサンドリヤではそれぞれ2人が死亡した。クレメンチュク当局の責任者によると、同市では集合住宅や民家430戸以上が損壊し、数十人が負傷した。

プリルキでは、救助隊が5階建て集合住宅のがれきの中で、数時間にわたり犠牲者の捜索にあたった。

救助隊は7日午後遅く、現場で5人目の子どもの遺体を発見したと発表した。プリルキへの攻撃では50人以上の住民が負傷したほか、複数の住宅や青少年施設も被害を受けた。

チェルニヒウ州軍政トップのビャチェスラウ・チャウス氏によると、プリルキには巡航ミサイル5発が撃ち込まれ、うち1発が集合住宅に直撃した。

ゼレンスキー大統領は、殺害された1歳の子どもたちの名前をオレクサンドル、キリロ、セルヒイと明らかにした。また、マクシムという8歳の男児も殺害されたと述べた。

セルヒイ・コレツキー首相によると、サーシャという名前の男児は、母カテリーナさんと祖母ヴィクトリアさんと共に殺害された。この一家のうち、男児の姉オルハさんだけが生き残ったという。

地元メディアは、一家が集合住宅の5階に住んでいたと報じた。カテリーナさんが工場で働いている間はヴィクトリアさんが孫の世話をしていたという。

大きく破壊された建物の前にがれきが広がっている。大勢の人や赤いヘルメットを着けた救助隊が集まっている
画像説明, 集合住宅のがれきの中での捜索活動の様子(7日、プリルキ)

ゼレンスキー大統領は、「ロシアは(ウクライナに)苦痛を伴う示威的な攻撃を仕掛けようとした」と述べた。この日の攻撃では計70発のミサイルが発射されたとも付け加えた。

また、ウクライナが過去24時間にわたり、ロシアのペルミ、サマラ、アストラハンにある標的を攻撃したとも述べた。「黒海でも報復を行った」としたが、詳しい内容は明らかにしなかった。

キーウでは、ロシアの集中砲火から逃れるため、多くの住民が地下鉄の駅で一夜を過ごした。ヴィタリー・クリチコ市長は先週、ロシアの攻撃によって首都が引き裂かれていると述べていた。

ウクライナの国家警察は、キーウ市内の一角に落下したものの爆発しなかったロシア製短距離弾道ミサイル「イスカンデル」だとする写真をインターネット上に公開した。BBCヴェリファイ(検証チーム)はこの写真が本物であることを確認した。ミサイルの破片とみられるものは、高層集合住宅に囲まれた空き地に落下した。

検証済みの別の動画では、クレメンチュクの集合住宅に囲まれた場所に、損傷した複数の車やがれき、倒木があるように見える。

迷彩服に蛍光黄色のベストを着けた男性が、不発弾の破片とみられるもののそばに膝をつき、周囲の砂を掘っている
画像説明, ロシアの短距離弾道ミサイル「イスカンデル」の不発弾の破片とされる写真

ウクライナ空軍は、弾道ミサイル5発、巡航ミサイル39発、ドローン100機以上を撃墜したと発表した。この中には、ここ数週間で甚大な被害をもたらしてきたロシアのジェット推進ドローン46機も含まれるという。

ただ、この発表が正しければ、計26発の巡航ミサイルまたは弾道ミサイルがウクライナの防空網を突破したことになる。ゼレンスキー大統領は同盟国に対し、防空支援を改めて求めた。

ゼレンスキー氏によると、今回の攻撃の「主要標的」の一つはウクライナのエネルギーインフラだった。ロシア政府はこれに先立ち、ウクライナによるロシア国内のエネルギー施設への攻撃を受け、ウクライナのエネルギー関連施設への攻撃を強化すると表明していた。

ゼレンスキー氏は7日の別の投稿で、ウクライナが過去24時間に報復攻撃を実施し、ロシア側の標的4カ所を攻撃したと明らかにした。標的には石油関連施設2カ所と訓練場のほか、黒海の標的が含まれるという。

6日夕には、ロシア南部の黒海沿岸にあるソチの沖合で、石油タンカーが巨大な煙に包まれる映像が浮上した。

ロシア運輸省はその後、リベリア船籍のアフラマックス石油タンカー「リオ」がドローン攻撃を受けたと発表した。当局は、乗員は救助されたとしている。

ブルガリア、沈没船の乗員捜索を打ち切り

こうした中、ブルガリア沖で6日にドローン攻撃を受けて沈没した船舶について、ブルガリアの海事行政執行庁のルメン・ニコロフ中将が行方不明の船員の捜査を打ち切ったと述べたと、ブルガリアのBTA通信が伝えた。船員の詳細は不明だが、複数のシリア人が乗船していたとみられるとニコロフ氏は述べたという。

船舶追跡データによると、この船は5日までボスポラス海峡の南端に停泊していた。その後、黒海に入り、北へ向かったとみられる。船舶追跡サイト「マリン・トラフィック」で最後に報告された位置情報は、グリニッジ標準時5日午後11時43分、黒海のブルガリアの排他的経済水域内だった。

ブルガリアの専門ニュースサイト「Maritime.bg」は、「アルファ・ワタン」号がドローン攻撃を受け、ビャラの東約70カイリ(約130キロ)の地点で沈没したと報じた。

ブルガリアのルメン・ラデフ首相は6日、民間貨物船に加え、穀物を運んでいた別の船もブルガリアの排他的経済水域内で攻撃を受けたと明らかにした。2隻目の船の乗員18人は救助された。

同国は、これらの攻撃の背後に誰がいるとみているかは明かしていない。ロシア政府もこの件についてコメントしていない。

ロシアはウクライナとの戦争の一環として、黒海、特にその東側での攻撃を強めている。ゼレンスキー氏は6日夕の演説で、一連の船舶攻撃の責任はロシアにあると主張した。

(追加取材:BBCヴェリファイ)