モスクワ市長、ウクライナが過去最大規模のドローン攻撃と 製油所や集合住宅を直撃
モスクワ市長によると、ウクライナは19日夜から20日にかけてモスクワ地域に対し過去最大規模のドローン攻撃を行い、市内の主要石油精製所と首都近郊の住宅ビルを直撃した。
モスクワのセルゲイ・ソビャニン市長は、首都に向かっていたドローン450機を撃墜したと発表。今回の攻撃を「過去最大規模」と呼んだ。モスクワ州の知事によると、少なくとも2人が殺害され、20人が負傷した。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ウクライナ軍がモスクワと周辺にある「重要な」石油施設と補給拠点をドローンとミサイルで攻撃したと認め、ロシアの「戦争体制を支える数十億ドル」に相当する被害をもたらしたと述べた。
他方、ウクライナ当局によると、19日にはウクライナのキーウ、スーミ両州がロシアに攻撃され、子供3人を含む9人が殺害されたという。
モスクワ州のアンドレイ・ヴォロビョフ知事によると、首都の南にあるソフィノ村で20日、ドローンが3階建ての集合住宅に直撃し、44歳女性が殺害された。子ども2人を含む5人が負傷したという。
知事はさらに、オレホヴォ・ズエヴォ地区で民家が攻撃され、高齢男性が死亡したと、通信アプリ「テレグラム」で明らかにした。
BBCがソーシャルメディア上で確認した動画には、モスクワ上空の夜空で爆発が起こる様子や、倉庫が炎上する様子が映っている。
モスクワのソビャニン市長は、ドローンが首都の大通り近くの建物と製油所を攻撃したと述べた。ウクライナ軍当局によると、製油所の3つの主要施設が損傷したという。
ウクライナの国防省によると、モスクワ製油所はモスクワ州の燃料の3割以上を供給する施設。そこで精製されるガソリン、ディーゼル燃料、航空燃料の一部が、ロシア軍に供給されているという。
ウクライナのエウヘニー・フマラ国防相は、こうした施設への攻撃は「敵が侵略戦争を継続し、部隊展開に物資を供給する能力を直接的に損なうものだ」と述べた。
モスクワのソビャニン市長は、ウクライナによるこの大規模攻撃は、20日で3日目となったロシア議会選挙を「妨害しようとする動き」だと批判した。この選挙はクレムリン(ロシア大統領府)が厳しく統制しているもの。そのため、自由でも公正でもなければ、透明性もないと広く批判されている。
ロシア国営メディアは、ロシア選挙管理委員会の委員長の話として、ロシアが支配するウクライナ南部ヘルソンで20日、バスがドローン攻撃を受け2人が殺害されており、そのうち1人が選挙関係者だったと報じた。

画像提供, Reuters
モスクワ周辺の空港では、最大のシェレメチェヴォ空港が夜間の運営を「一時的に制限」すると発表。ヴヌーコヴォ空港では全便の発着を停止した。両空港の制限は20日の朝までに解除されたが、どちらも一部の便に遅延が生じる可能性があると警告した。
これに先だちウクライナのキーウ州では19日、首都近郊のファスティウ市でロシア軍の攻撃のため、母親とその幼い子どもの男の子と女の子が殺害されたと、同州軍政当局のトップ、ティムール・トカチェンコ氏が明らかにした。
トカチェンコ氏はさらに、キーウ北郊ヴィシュホロドへの別の攻撃で、負傷した子どもが病院で死亡したと述べた。
ウクライナ北東部スーミ州のオレフ・フリホロフ知事によると、同州ではロシアのドローンが乗用車に衝突し、4人が殺害された。
ゼレンスキー大統領によると、ロシアは19日にもヘルソン州の修道院をドローンで攻撃し、聖職者1人を殺害、4人に負傷を負わせた。
ドナルド・トランプ米大統領はソーシャルメディア上で、ウクライナとロシアはエネルギーインフラへの攻撃を行わないことで合意したと主張した。しかし、双方は過去1週間にわたり、エネルギーインフラを攻撃し続けている。
トランプ大統領は18日、ロシア製石油・ガスの主要購入国、中国やインドなどに関税を課すことで、ロシア経済を標的とする制裁法案に署名した。この制裁法は、ロシア産エネルギーの主要購入者に対して100%の関税を課す権限を、アメリカ大統領に与えるもの。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、2022年2月にウクライナへの本格的な侵攻を開始した。













