【解説】 前駐米大使の任命問題、今なおスターマー英首相に打撃

黒いファイルを手に、黒い玄関扉から出てくるスターマー氏

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画像説明, キア・スターマー首相
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クリス・メイソン政治編集長

これは、現代の政府がどのように機能するのかを知るためのスナップショットだ。

閣僚たちは、互いに電話や電子メール、ワッツアップで連絡を取り合っている。テキストのやりとりは、口頭での会話の代わりとしてリアルタイムで行われている。

そうしたやりとりは、その時々の雰囲気や直感、そして個人的な見解を記録している。

イギリス政府は1日、与党・労働党の重鎮だったピーター・マンデルソン卿の駐米大使任命に関する政府資料を公開した。1500ページに及ぶ資料の精査は現在も進められている。まだまだ読み解く余地があり、BBCは今後もこの文書を読み込んでいく。

すでに最大野党・保守党が文書内の労働党閣僚の発言を取り上げ、波紋を呼んでいる。現在、労働年金相を務めるパット・マクファデン氏は、政府の福祉給付削減について労働党の議員たちが、尻込みして神経質になっていたと発言していた。

マンデルソン卿へのメッセージでマクファデン氏は、「私が出席するあらゆる会合は、『誰かに給付を与えるため、ほかの誰に課税できるか』という話ばかりだ。質問の設定そのものが間違っている」と述べていた。

この件がこれで終わるとは考えにくい。

また、何かが欠けているのも分かる。ここ数週間で報じられてきた、マンデルソン卿の任命やその審査に関する内容については、その手続きに関する情報が文書に含まれていなかった。このため、詳細は依然として明らかになっていない。

しかし、この騒動におけるこれまでの暴露と比べると、現在は二つの点が際立っている。

まずは、漸減効果がすでに出ている点だ。マンデルソン卿をめぐる騒動についてこれ以上の、あっと驚く暴露を受け止める余力が、イギリス国民に果たしてどれほど残っているのだろうか。

第二は、文書公開による政治的必然、つまりスターマー氏への政治的打撃がどうなるかだが、今や首相の権威は放っておいても衰えているのだ。先月の地方選での大敗を受け、水面下では実質的な次期党首争いが進行している。

とは言うものの、マンデルソン卿の問題がなければ、スターマー政権にとって今週はもっと良いものになっていたはずだ。

マンデルソン卿任命をめぐる悪いニュースというブーメランは、引き続きこの政権の周りを飛び回り続け、定期的に政権に直撃し、頭痛の原因になっている。

そして、スターマー氏が首相官邸で過ごした日々を(その長短にかかわらず)振り返る時がいつか訪れ、首相としての成否を本人や周りが論評する時になったら、首相として下したどの判断の影響が大きく、どの判断が間違っていたかと批評するにあたり、マンデルソン卿をアメリカに派遣したという決断は、中心的な論点となるはずだ。