アフガン旧治安部隊100人以上が殺害や失踪 タリバン復権後=人権団体

Taliban inspect the scene of an operation against the IS militants at an IS hideout in the outskirts of Kabul, Afghanistan, 18 November 2021.

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画像説明, 首都カブール近郊を警備するタリバン戦闘員
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人権擁護団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は11月30日、アフガニスタンが今年8月に武装組織タリバンに制圧されて以降、旧政府の治安部隊に所属していた100人以上が殺されたか、行方不明になっていると報告した。タリバン上層部が約束した恩赦が各地の司令官に行き届かず、旧政府の兵士や警官が標的にされたと指摘している。

HRWは、タリバン上層部が「故意の」殺人を「許していた」と非難。一方のタリバンの報道官は先に、報復殺人が行われていたことを否定している。

タリバンは8月、アメリカをはじめとする外国駐留部隊の撤退を機にアフガニスタンを掌握し、アシュラフ・ガニ政権を追放した。

その際、警察や軍隊を含む旧政府職員に対し、恩赦の下で安全を保障するとしていた。

しかし、この恩赦の内実には、多くの疑問が投げかけられていた。

タリバンは過去にも、治安部隊や政府職員を殺害してきた。2020年前半からアフガン掌握までの18カ月間には特に、数多くの残虐な殺人を行ってきたとされている。犠牲者には裁判官やジャーナリスト、平和活動家などが含まれている。

アナリストらは、権力を奪還する前に反対派を排除し、生き残った人たちに恐怖を与えるための計画だったと分析している。

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HRWの報告書によると、タリバンが実権を握った後も旧政権関係者の殺害は続いており、これまでにガズニ州、ヘルマンド州、クンドゥズ州、カンダハル州で合わせて100人以上が殺されたり、行方がわからなくなったりしている。

またタリバンは、安全証明書を送るためと称し、旧治安部隊のメンバーに情報を登録するよう要請したが、この情報を拘束や処刑、あるいは「失踪」のために利用していたという。

さらに、旧政権が残した雇用記録から公務員を割り出して拘束・処刑したと、HRWは指摘した。

同団体のパトリシア・ゴスマン・アジア地域局長は、「タリバンの上層部が約束した恩赦は、地方の司令官によるアフガン旧治安部隊メンバーの処刑・失踪を止めなかった」と説明。

「タリバンはこれ以上の殺害を阻止し、責任者に償わせ、犠牲者遺族を補償する義務がある」と述べた。

タリバンのモハマド・ハサン・アフンド暫定首相は11月27日の演説で、報復活動は行われていないと述べ、タリバンは実権を握った際に「すべての人に恩赦を与えた。報復の例がどこにあるのか?」、「誰にも心配する要素はない」と話したばかり。