イスラエルとレバノン、停戦の履行で合意 ヒズボラによる攻撃停止が条件

スーツ姿の男性3人と女性1人が、米国、イスラエル、レバノンの国旗が掲げられた長いテーブルに着席している

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画像説明, 会合に出席したアメリカ、イスラエル、レバノンの3カ国の高官ら(3日、米ワシントン)
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イスラエルとレバノンが停戦の履行で合意した。米国務省が3日、発表した。

合意は、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラによる攻撃の「完全な停止」などを条件としている。ヒズボラはイランの支援を受けている。

イスラエルとレバノンは4月に暫定的な停戦で合意している。しかし3日も、今回の合意発表の前に、イスラエル軍はレバノン南部を空爆し、少なくとも9人を殺害。ヒズボラもイスラエル北部に向けてロケット弾を発射した。

米国務省は声明で、「すべての国が、イスラエルとレバノンの関係の将来は、両国の主権政府によって決定されなければならないことを再確認した。レバノンの未来を人質に取ろうとする、国家または非国家主体によるいかなる試みも拒否した」とした。

今回の合意は、レバノン南部リタニ川以南のイスラエル支配地域からの「すべての(ヒズボラ)工作員の撤退」も条件としている。

声明によると、「レバノン軍が独占的に支配し、すべての非国家主体を排除する試験的な区域」の創設を、アメリカが支援するという。

イスラエルとレバノン側との間では1日にも、部分的な停戦が合意された。イスラエルがレバノンの首都ベイルートへの爆撃を停止し、ヒズボラもイスラエルを攻撃しないという内容だった。

ただ、ヒズボラの政治評議会メンバーのマフムード・カマティ氏は2日、「停戦合意などなかった。(ベイルート南部の地区)ダヒエが守られただけだ」とBBCに説明。米ワシントンで開かれたレバノンとイスラエルの協議の場でのいかなる約束にも、ヒズボラは従わないと主張した。

両国は今月22日に再び会合を開き、「包括的な合意に達することを目指して」協議する予定。ヒズボラはこれまでのところ、今回の発表について公のコメントを出していない。

アメリカのマルコ・ルビオ国務長官は今回の合意の発表に先立ち、「ヒズボラが関わらない、(レバノンの)安全保障に向けた行動計画」をイスラエルとレバノンが策定することを期待していると、記者団に述べた。

中層の建物群の付近で大きな煙が上がっている

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画像説明, イスラエル軍は3日、レバノン南部ナバティエ地区を攻撃した

イスラエルが2月末にイランを空爆し、同国の最高指導者を殺害したことを受け、ヒズボラは3月2日、イスラエルに向けてロケット弾を発射するなどの報復攻撃を開始した。これによりレバノンは、アメリカ・イスラエル対イランの戦争に巻き込まれた。

イスラエルはヒズボラによる攻撃への対応として、レバノン各地を空爆し、同国南部を地上侵攻している。

4月16日にはアメリカの仲介で、イスラエルとレバノンが停戦で合意した。だが、戦闘は収まっていない。逆に、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は先週、同国北部がドローンやロケット弾で攻撃されたことを受け、ヒズボラへの攻撃を強化し、レバノンでさらに前進するよう軍に命じている。

レバノン保健省によると、現在の戦争が始まってから、同国では少なくとも3516人が殺害されている。同省の統計は戦闘員と民間人を区別していない。

同省はまた、過去3カ月間に少なくとも128人の救急隊員や医療従事者が、イスラエルによる救急車や医療施設への攻撃で殺害されたとしている。

国連によると、レバノンでは100万人以上が避難者として登録されている。同国の国土の8分の1以上が、イスラエルによる避難命令の対象地域となっている。

イスラエルは、同国の兵士26人と民間人4人が、この戦争中に国境の両側で殺されたとしている。

全身黒い服の人が、レバノン国旗などがかけられた棺らしきものの上に頭を置いて目を閉じている。右手では、頭部を布で覆った人の写真を触っている

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画像説明, イスラエルの空爆で殺害された家族6人の葬儀(3日、レバノン南部ワルダニエ)

こうしたなか、アメリカのドナルド・トランプ大統領は3日、レバノン首都攻撃を命じたネタニヤフ氏を「狂っている」などと電話で非難したと報じられたことについて、米紙ニューヨーク・ポストのポッドキャストで事実だと認めた。

トランプ氏は、レバノンでのさらなる事態の悪化が、アメリカ・イスラエルとイランの間の戦争の終結に向けた包括的な合意を危うくしかねないと懸念しているとされる。

イランはアメリカに対し、いかなる停戦もレバノンを含まなくてはならないとしている。

イランのタスニム通信によると、同国のアッバス・アラグチ外相は3日、イスラエルによるベイルート攻撃が続いたときの戦争再開に向け、イランは「万全の準備」ができていると警告した。

一方、トランプ氏は3日、アメリカとイランの間の協議と、イスラエルとヒズボラとの戦争をめぐる協議を分けたい考えを示した。

トランプ氏は、「それを切り離し、別のものにしたい。なぜなら、それは(中略)別だからだ」と記者団に話した。