トランプ氏、「出生地主義」を再び制限 新たな大統領令に署名

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グレイス・イライザ・グッドウィン
アメリカのドナルド・トランプ大統領は6日、出生地主義によって子どもに米国籍を与えることを制限する二つの大統領令に署名した。トランプ氏は以前も大統領令で制限を試みたが、連邦最高裁が6月、これを違憲で無効としていた。
この日署名した大統領令の一つは、出生地主義によって国籍を得る資格がない人々について、既存の定義を拡大する。
もう一つは、生まれる子どもに米国籍を取得させる目的で妊婦が訪米する「出産ツーリズム」を禁止する。
トランプ氏はホワイトハウスの執務室で、「何年も前にやるべきことだったが、今ようやく対処している」と述べた。そして、150年間続いてきた出生地主義を終わらせる自らの前回の試みを、最高裁が違憲としたことを批判した。
一つ目の大統領令には、「私の政権は、私たちの国の寛大さにつけ込んで米国民をだまそうとする悪質な外国勢力のリスクに対して防衛策を取ってきた」と記されている。
その大統領令では、両親とも米国民ではなく、どちらかが外国のテロ組織のメンバーや、外国政府職員、不正な手段で米国籍を得ようとした者、連邦法によって米国籍が与えられない米領土に居住している者の場合、アメリカで生まれた子どもに自動的に国籍を与えることを禁止する。
プエルトリコなどの米領土で生まれた子どもに対しては、出生地主義に基づく米国籍の付与が連邦法で明文化されている。
トランプ氏と政権関係者らは、出産ツーリズムを繰り返し非難している。ロシアや中国の敵対勢力が出生地主義によって取得した国籍を利用し、アメリカに潜入していると主張している。
トランプ氏はこの日、出産ツーリズムで何十万人もの赤ちゃんがアメリカで生まれていると述べた。
外国で米国籍の子どもをもつのが狙いだと
超党派の研究機関「移民政策研究所」によると、国勢調査に基づく最も包括的な推計では、毎年約2万2000~2万6000人の赤ちゃんが、出産ツーリズムでアメリカで生まれている。住所が外国の母親からアメリカで生まれた赤ちゃんは、2024年は約9600人だったことが、政府のデータで示されているという。
大統領の国土安全保障担当補佐官で次席補佐官(政策担当)でもあるスティーヴン・ミラー氏は6日、ホワイトハウスでトランプ氏の隣に立ちながら、「観光客を装い、訪問者を装ってここに来るのが、人々の狙いだ」と述べた。
さらに、「しかし、そうした人たちがここにいる本当の理由は、子どもを産み、その子どもを自動的に米国民にさせ、私たちの国を離れて米国民の子どもをもつことだ」と主張。そうすることで、それらの子どもらが福祉給付、投票権、「米国民だけが持つその他のあらゆる権利と特権」を享受できるようになるとした。
ミラー氏はまた、大統領には移民国籍法の条項に基づき、出産目的の観光を禁止する権限があると述べた。同法は大統領に、入国できる人物に関する例外や制限を設定する権限を与えている。
トランプ氏は2025年に大統領に復帰してまもなく、米憲法修正第14条で保障されている出生地主義に基づく国籍付与を終わらせる大統領令に署名した。
これを受けて裁判が起こされ、連邦最高裁は6月、この大統領令は違憲で、出生地主義は有効だとの判決を出した。
この判決は、アメリカに住み、働き、米国民となる人物を制限しようとするトランプ氏の取り組みにとって大きな打撃となった。
トランプ氏は今回の二つの大統領令を発表する際、「最高裁はひどい判決、非常に不公平な判決」を出したと批判。「そのせいで私たちの国は苦しんでいる。だから別の形で終わらせることにした」と述べた。
米カリフォルニア大学デイヴィス校ロースクールのガブリエル・チン教授は、今回の大統領令の一部は妥当かもしれないが、他の面では「深刻な憲法上の問題を提起する」と述べた。
チン教授は、大統領には人々の入国を制限する権限が、特に出産目的の人に対しては、多少なりともあると説明。
「しかし、いったんアメリカで子どもが生まれたら、その子が国民ではないと決定する権限は大統領にはないと思う」とし、この問題は最近の最高裁でのトランプ政権の敗訴で決着がついたと付け加えた。
そして、アメリカで何百万人もが生まれていることに比べれば、出産ツーリズムは「ごくわずか」であり、「一般的ではない現象だ」とした。














