米スペースXのロケット残骸が月面に衝突、韓国航空宇宙庁が画像公開

ロケットの残骸が衝突する前と後の月面画像が並んでいる。衝突後の画像の中央には、白っぽい跡が見える

画像提供, KASA/Reuters

画像説明, 米スペースXのロケットの残骸が衝突する前(協定世界時2015年10月1日)と衝突後(協定世界時2026年8月5日)の月面画像
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韓国航空宇宙庁(KASA)は6日、米宇宙企業スペースXのロケットの残骸が月面に衝突した痕跡をとらえた画像を公開した。

KASAによると、スペースXのロケットの残骸はグリニッジ標準時5日午前6時35分(日本時間5日午後3時35分)ごろに月面に衝突した。衝突後の月面を撮影したのは、韓国の月周回探査機タヌリ。KASAは衝突後の画像を、衝突以前の画像と共に公開した。

スペースXは、今回の衝突は意図的なものではなかったと説明している。

今回、月面に衝突したファルコン9は、昨年1月に米フロリダ州から打ち上げられた。

スペースXのロケットが衝突する前後の月面画像が並んでいる。衝突の痕跡に緑色の丸がついている

画像提供, KASA/Reuters

再利用可能なロケット「ファルコン9」は、ロケットの一部(上段)を宇宙空間で切り離して地球へ帰還させる。スペースXはこれまでに行ったいくつかのミッションで、このタイプのロケットを使用してきた。

今回衝突したファルコン9の空になった上段部分は、5階建てビルほどの大きさで、地球上での重さは約4000キログラム。科学者たちはこの残骸が、時速約8700キロメートルで月に衝突すると予測していた。

2025年	1月に打ち上げられたスペースXのロケット「ファルコン9」の特徴をまとめた図。全長70メートルで、三つの部分に分かれている。フェアリングと呼ばれる先端部分は、打ち上げ時にペイロードを保護した後、分離する。第2段部分は月面に着陸する。第1段部分は再利用可能で、地球に帰還する。第2段部分は5階建てビルほどの大きさで、地球上での最小重量は4000キログラム。出典はスペースX

ロケットの一部が月面に衝突した際には短時間、劇的な閃光が生じたが、高性能な望遠鏡を使う天文愛好家でも観測は難しかったとみられる。韓国航空宇宙庁など、より大規模な天文台が、衝突に関する情報を分析している。

今回の衝突は地球に危険を及ぼすものではなかった。しかし、英ケンブリッジ大学の天文学者マット・ボスウェル氏は、宇宙ごみに対する懸念があると指摘した。

毎年「より多くの物が宇宙へ打ち上げられている」ので、「宇宙空間はますます混雑してきている」と、ボスウェル氏は述べた。

そして、「数十年以内には、宇宙空間が過密状態になり、地球軌道を抜けること自体がかなり難しくなる可能性がある」と警告した。

月の画像。下部にアポロ11号の着陸地点が、上部にファルコン9の残骸の衝突が予測されていた地点が示されている

月面に衝突したファルコン9の残骸は、昨年1月にフロリダ州から打ち上げられた後、宇宙空間を漂流していた。

これと同じブースターを使った18回目の打ち上げが、今月10日に予定されている。スペースXは今月のミッションで、同社の衛星通信サービス「スターリンク」の衛星29基を低軌道へ投入することを目指している。

昨年1月にフロリダ州から打ち上げられたファルコン9は、ロケットの上段を強力に噴射して月着陸機2機を地球の周回軌道から離脱させ、月の周回軌道へ投入するためのものだった。

役目を終えた上段部分は分離し、月の方へ大きく膨らみながら再び戻って来る、楕円軌道を漂うこととなった。

その後18カ月間にわたり、地球、月、太陽のわずかな重力や、太陽光が、残骸に微小な推進力を与えた。

ロケットの残骸を追跡していた天文学者たちは、こうした小さな力によってロケットの残骸が月へ向かう軌道に乗り、日ごとに速度を増していることを確認した。

5日の衝突は、世界の多くの地域で太陽が昇っている時間帯に発生した。衝突時に生じた閃光は一瞬だったため、望遠鏡を使っても観測するのはほぼ不可能だったとみられる。