ロシアがウクライナ各地攻撃、20人以上殺害 両国はそれぞれ一方的に停戦宣言

画像提供, ウクライナ国家非常事態庁(DSNS)
ロシアとウクライナがそれぞれ一方的に停戦を宣言する中、ロシアによるウクライナ各地への攻撃で5日、20人以上が殺害された。ロシアは8日と9日に停戦すると表明し、ウクライナは6日午前0時(日本時間午前7時)からロシアの出方次第で停戦するとしている。双方が宣言した停戦はどちらも一方的なもので、内容についての合意はない。
ウクライナ南部のザポリッジャ州当局によると、ロシアの空爆で5日、12人が死亡した。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領はこれを「冷笑的なテロ攻撃」と呼んだ。さらに、東部クラマトルスクで5人、同ドニプロで4人が殺害されたとも述べた。
ロシアでは、西部チュヴァシ共和国の当局が、5日午前にドローン攻撃があり、2人が殺害され、32人が負傷したと発表した。
ロシアとウクライナは4日、ロシアが9日に行う対ナチス・ドイツ戦勝記念日の軍事パレードを前に、それぞれ一方的な停戦を宣言した。
ロシアは8日と9日に停戦すると述べ、ウクライナが停戦を破った場合、キーウ中心部に対して「大規模なミサイル攻撃」を行うと脅した。
対するウクライナは6日午前0時から期限を設けずに停戦を順守すると発表。それ以降はウクライナは「対称的に」行動するとした。
双方が宣言した停戦はどちらも一方的なもので、条件や期間、順守状況の監視方法について両国は合意していない。
ウクライナのキリロ・ブダノフ首席大統領補佐官は、ゼレンスキー大統領が発表した停戦をロシア側も順守するなら、「我々は続けて、それを順守する。(中略)次をどうするかはロシア次第だ」と述べた。
ゼレンスキー大統領はロシアに対し、武器を置き、「本当の外交に移行する」よう促した。
「プロパガンダの祝賀行事のために静けさを求めておきながら、それに先だちこのようなミサイルやドローン攻撃を仕掛けるなど、まったく冷笑的だ」とも、ゼレンスキー氏は批判した。
ゼレンスキー氏は期限なしの停戦発表を通じて、ウクライナに即時かつ恒久的な停戦を開始する意思があることを示し、違反があればロシアの責任だと明示しようとしたものとみられる。
「どんな記念日の『お祝い』よりも、人の命は比べようもなく大事だと、私たちは信じている」と、ゼレンスキー大統領は通信アプリ「テレグラム」に書いた。
ウクライナの側も、自国が宣言した停戦が6日午前0時に始まるのを前に、ロシア・レニングラード州キリシの工業地帯や、チュヴァシ共和国チェボクサルイにある軍事部品工場を攻撃した。
ゼレンスキー大統領は、前線から約1500キロ離れたチェボクサルイの工場を攻撃するため、ウクライナ製フラミンゴ巡航ミサイルが使われたと述べた。未確認の夜間映像には、高速で移動する物体と大きな爆発が映っていた。
ロシア国防省はその後、ウクライナのフラミンゴ・ミサイル6発とドローン601機を撃墜したと認めた。
5日午前には、ロシア各地の空港が一時的に閉鎖された。モスクワ市のセルゲイ・ソビャニン市長は、首都近郊で複数のドローンが撃墜されたと発表した。
ロシア政府は、戦勝記念日を前に警戒を強めている。
9日の記念行事を前に、クレムリン(ロシア大統領府)は4月29日、ウクライナによる「テロの脅威」を理由に、赤の広場で毎年行われる大規模な軍事パレードの縮小を発表した。2008年以来初めて、装甲車両やミサイルシステムが登場しないパレードになる。
ロシア政府はさらに4日、記念行事に合わせて5月8日と9日にはウクライナに対して停戦すると一方的に宣言した。同時にロシア国防省は、ウクライナが戦勝記念日の祝賀を妨害しようとした場合、首都キーウ中心部に対して大規模な報復攻撃を行うと警告した。
ロシアのメディアによると、複数の地元通信事業者は4日、「治安上の理由」で、今週の大半にわたりモスクワでのモバイルインターネット通信を制限すると発表した。
ゼレンスキー大統領は、ウクライナが停戦順守の「善意」を示さない限り「モスクワでパレードを開けない」とロシア政府が感じていること自体、ロシア指導部は「戦争終結へ向けて動く」べき時がきたということだと述べた。
ウクライナはここ数週間、ロシア国内の奥深くへドローン攻撃を繰り返している。エネルギー施設や製油所を効果的に攻撃し、ロシアの石油取引を混乱させている。
ウクライナのドローンは現在、防空網を回避しながらロシア深部まで飛行できるようになっている。4日未明にはそのうち1機がモスクワ中心部の高層住宅に命中した。
一方で、ロシアによるウクライナ各地への攻撃も続き、国内各地で民間人が殺害され、負傷している。2022年2月にロシアが全面侵攻を開始して以降、死者は数万人に上っている。








