イスラエル人入植者がヨルダン川西岸で放火とパレスチナ人説明 モスクや車、農地に被害と

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セバスチャン・アッシャー記者、ルーシー・ウィリアムソン中東特派員(ヨルダン川西岸)
パレスチナ当局者は26日、イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区で、イスラエル人入植者がモスク(イスラム教の礼拝所)2棟に放火したほか、車や農地にも火を放ったと述べた。24日には少なくともパレスチナ人4人とイスラエル人2人が死亡する銃撃事件があったばかりで、同地区では緊張が高まり続けている。
パレスチナ側の情報によると、イスラエル人入植者たちが夜にかけて、ヨルダン川西岸にある二つの村を襲撃した。車が破壊され、家財が盗まれ、壁には憎悪をあおる落書きがスプレーで描かれたという。
被害に遭ったクスラ村のアブドゥル・アジム・ワディ村長は、入植者たちが建設中のモスクに放火し、モスクの壁に「復讐(ふくしゅう)」という言葉を含む落書きをスプレーで描いたと話した。
これについてイスラエル軍は、部隊をクスラへ派遣し、警察が捜査と証拠収集を行うと発表した。
パレスチナ当局によると、同地区北部トゥルカルムに近いクール村でも、イスラエル人入植者たちがモスクに放火し、壁にスローガンをスプレーで書き込んだという。
この攻撃の2日前には、北部のタル村近郊で入植者とパレスチナ人の間で衝突が発生し、パレスチナ人4人とイスラエル人2人が死亡している。これについては、パレスチナ人住民とイスラエル軍の双方が、相手による挑発がきっかけだったと主張している。
この衝突を機に、ヨルダン川西岸地区の状況はさらに悪化している。同地区では、イスラエル現政権内の極右勢力にあおられた過激派入植者によるパレスチナ人への暴力行為がますます激化している。

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パレスチナ人によると、24日のタル村での衝突以来、ヨルダン川西岸各地の村で入植者による攻撃が相次いでいる。
イスラエル国防軍(IDF)は、「対テロ作戦」だとして週末にかけて一斉捜索を行い、130人以上を逮捕した。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、タルでの事件に対し、「強力な措置」を講じると表明した。これには、事件に関与したとされるパレスチナ人2人の自宅を取り壊す可能性も含まれる。
タル村の隣に、サラ村がある。すぐ隣の丘の上にはハヴァト・ギラドの前哨基地がはっきりと見える。前哨基地とは非公認の入植地のことで、丘の上に複数のトレーラーハウスが設置されていることが多い。これらは、国際法およびイスラエルの法律で違法とされる。
ハナン・トゥラビさんは、自宅のそばで涙ながらにBBCの取材に応じた。住民によると、入植者が放火した建物6棟のうち、ひとつがハナンさんの家だった。ほかにも10軒以上の家が投石されたという。
近隣住民たちは、ハナンさんの家から黒くなった水や灰を掃き出した。外では、すすまみれ家具がトラックに積み込まれていた。
ハナンさんは、丘の斜面を横切って大勢の入植者が自分に向かって走ってくるのを目撃したと話した。4人の子供を連れて逃げる直前まで、家にとどまっていたという。
「(入植者は)あらゆる方向からやって来た」とハナンさんはBBCに話した。「私たちは逃げようとしたが、向こうは追いかけて石を投げつけてきた」。
彼女は、家を守りたいと思ったが、家が燃えるか家族を守るかの選択を迫られたのだと話した。
米マイアミ出身のカイエド・アフマド・トゥラビさんは、襲撃事件の発生当時、村に住む両親と妹を訪ねていた。隣家のポーチでカイエドさんが入植者たちと争う様子が、撮影されていた。
カイエドさんは退院から間もなく、BBCの取材に応じた。目の周りには大きなあざがあり、切り傷や打撲傷も複数あった。頭には12針縫う必要があったという傷があった。
「私はこれまでずっとユダヤ人と仕事をしてきたが、今回の連中は(中略)全員顔を覆って、ポケットには棒や物など、たくさんの物を入れていた。準備万端だった」とカイエドさんは話した。
この数時間後、村の裏口を見張る住民たちにBBCが話を聞いていると、入植者たちが再び村の近くへ近づいている姿が見えた。
村をバリケードで守れという呼びかけに応えて、数十人の若者が道路を走っていった。
双方が接近しないようにイスラエル兵が警備する中、入植者たちは次第に姿を消した。
イスラエル軍は警備の手段として、催涙ガスを村に向けて発射した。入植者に向かって走る村の住民を押し返すためだった。
兵士たちが前進してくる中、若い村人たちは催涙ガスの煙の中を走り、ガス缶を土に埋めようとしたり、「パレスチナ、パレスチナ」と叫びながらガス缶を蹴り飛ばしたりした。
イスラエル軍は26日、「民族主義犯罪事件」の防止に取り組んでいると発表した。イスラエル軍のこの用語は、イスラエル人入植者の中の過激派による攻撃を意味する。
イスラエルの指導者たちは自国民の過激派による暴力を、公には非難するものの、非合法な入植地の急拡大を黙認してきた。複数の人権団体は、この非合法な入植地の拡大こそ、パレスチナ人への攻撃を助長していると指摘する、
イスラエルのネタニヤフ首相は、タル村でイスラエル人が殺害された24日の事件を受けて、ヨルダン川西岸における農場拠点の設立と合法化を加速させると述べた。それ以降、この地域には入植者の新しい前哨基地が出現しており、サラ近郊の幹線道路からはその一つが見える。

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ヨルダン川西岸地区ではここ数カ月、入植者によるパレスチナ人攻撃が急増している。
これに対する国際的な非難も高まっているが、攻撃が減る様子はほとんど、あるいはまったく見られない。
イスラム組織ハマスが主導した2023年10月7日のイスラエル攻撃が起きる前から、事態はすでに悪化していた。
しかし、イスラエルがガザ地区のハマスに対して戦争を開始して以来、ヨルダン川西岸地区における入植者による暴力行為は激化している。
国連によると、ヨルダン川西岸地区ではパレスチナ人1114人が殺害されており、その大半はイスラエル国防軍によるものだという。また、少なくとも35人は入植者による攻撃が原因で死亡しているという。
国連報告書によると、ガザ戦争が始まって以来、パレスチナ側の攻撃やヨルダン川西岸におけるイスラエル軍の作戦で、民間人や治安部隊員を含むイスラエル人41人が死亡した。
パレスチナ人がガザ地区とともに将来の国家建設のために求めているヨルダン川西岸地区と東エルサレムを、イスラエルは1967年の第3次中東戦争で占領。それ以来、推定330万人のパレスチナ人が住む地域内に、計70万人のイスラエル人が住む数百の入植地が造られてきた。これらの入植地は国際法で違法とされている。













