イタリア政府、学校でブルカとニカブ着用禁止の方針 各教室で外国人の制限も

長い金髪で白いジャケットを着たメローニ首相が、マイクを右手で抑えながら口を開いている

画像提供, Vincenzo Nuzzolese/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

画像説明, イタリアのメローニ首相(20日)
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イタリア政府は24日、イスラム教徒の女性が身に着けるブルカ(全身を覆う一枚布のベール)とニカブ(目元以外の顔を覆うベール)の着用を学校で禁止する方針を承認した。併せて、イタリア語をほとんど話せない児童・生徒の割合を、各教室で制限することも認めた。

ジョルジャ・メローニ首相は、「常識的な措置であり、分断を招くのではなく、真に統合を促進するもの」だとしている。

これに対し野党は、来年の総選挙を意識した政府が、極右政党「国民の未来」にすり寄っていると非難している。

今回の措置は政令で、即時発効が可能。ただし、60日以内に議会の承認を得る必要がある。

メローニ氏は、今回の政府方針案を20日に発表した際、「みんなが顔を覆わずに学校に行かなければならない」と述べた。また、伝統の名のもとに、若い女性は身を隠すべきだと誰かが決めることはできないとした。

ジュゼッペ・ヴァルディタラ教育相は、ニカブとブルカの禁止を、男女平等の問題だとしている。

ニカブは、頭髪を覆うスカーフと共に着用され、目元を覆うベールと一緒に着用することもある。一方ブルカには、視界を確保するために目の部分にメッシュ状のスクリーンが付いているものも多い。

なお、頭髪を覆うだけで顔が見えるヒジャブは、禁止の対象ではない。

「ゲットー学級」を防ぐのが目的と

児童・生徒の構成割合に関する新方針では、小、中、高校の各1年次で、イタリアの国籍や市民権をもたない子どもや、イタリア語の知識が乏しい子どもの割合が、最大3割に制限される。

ヴァルディタラ教育相はこの制限について、国籍や市民権の問題ではなく、「純粋に言語的な」ものだとしている。

イタリアの研究機関フォンダツィオーネISMUによると、イタリアの学校に通う児童・生徒のうち、外国人は11.6%を占める。

イタリア語をあまり話せない子どもを最大3割にする制限は、教育の各段階によって異なる形で適用される。

小学校では、イタリアで生まれていない、または少なくとも2年間幼稚園に通っていない非イタリア国籍の児童が対象となる。

中学校および高校では、イタリア国籍を持たず、イタリアの学校制度で少なくとも3年間を修了していない生徒が対象となる。

各地の学校当局は、イタリア語能力が低い生徒を近隣の学校に均等に分散させるよう要請される。それができない場所では、例外措置として追加のイタリア語授業が実施される。

ヴァルディタラ教育相は、「ゲットー教室」ができるのを防ぐのが目的だと説明した。ゲットーとは、主にヨーロッパでユダヤ人が強制的に住まわされた地区を指す言葉。

極右へのすり寄りだとの批判

イタリアのANSA通信によると、今回の政令は、生徒・児童の親に関する規定も拡大する。学校は、親権を持つ者同士の言語の壁が子どもの社会統合を妨げている場合、その事例を社会福祉機関に報告することが義務となる。そして、無料のイタリア語講座が提供される。

イタリアにはすでに、学校におけるイタリア語教育に関する指針が存在する。2010年に当時のマリアステラ・ジェルミニ教育相が出した省令では、イタリア国籍を持たない生徒の割合を「原則として」3割に制限した。今回の政令は、この制限を法律として明文化する。

野党はこの政令をめぐり、教育的な意図と同じくらい政治的な意図も強いと主張している。また、メローニ首相が極右政党「国民の未来」を率いるロベルト・ヴァンナッチ氏に迎合していると非難している。退役将校の同氏は、連立政権の右派にとって脅威とみなされている。

中道左派の民主党(PD)のエリー・シュライン党首は、今回の政府方針はプロパガンダであり、実行不可能だと批判した。

ヴァルディタラ教育相は、米ニューヨークからのビデオリンクの記者会見で、こうした見方を否定。「私たちはヴァンナッチを追いかけていない。むしろ、彼が私たちを追いかけている」と述べた。

ヴァンナッチ氏は、今回の措置には賛成だが、何年も前に実施されるべきだったと述べた。

連立与党の政党「同盟」を率いるマッテオ・サルヴィーニ氏は、ヴァンナッチ氏を「政府に反対票を投じ続けている」と非難した。

サルヴィーニ氏は23日、「政治的イスラム」に対するものだとして、別の対策パッケージを発表。「国民の未来」が「同盟」の新提案を支持することを期待していると述べた。