エッフェル塔のトップが辞任へ 宗教団体の訪問時に女性職員が男性に交代させられた問題で

エッフェル塔の近くで、伝統的なオレンジ色の袈裟を身に着けたヒンドゥー教の僧侶らが立っている
画像説明, エッフェル塔には今月初め、新寺院の開堂にあわせてパリに来ていたヒンドゥー教の団体が訪れた(フランス・パリ)
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ジョージ・ライト

運営会社SETEは声明で、2018年からエッフェル塔の総支配人を務めてきたパトリック・ブランコ・ルイヴォ最高経営責任者(CEO)が、年末をもって退任すると発表した。

また、内部調査の結果、ヒンドゥー教団体が訪問した際の「運営上の不備」が、女性職員の排除という「容認できない」対応につながったことが判明したとした。

エッフェル塔では今月初め、ヒンドゥー教団体「ボチャサンワシ・アクシャル・プルショッタム・スワミナラヤン・サンスタ(BAPS)」に関係する約100人が訪問。その際、女性職員が男性職員に交代させられた。

18世紀にさかのぼる教義をもとに活動するBAPSは、男女を厳密に分離しており、寺院での活動や建物の入り口などでもそれを徹底している。

SETEは、対応が問題視されたことを受け、ヒンドゥー教団体から「女性との交流」が制限されるよう求められていたと説明。「こうした条件は受け入れるべきではなかった」とした。

一方、職員組合の代表者は、「女性(の職員)たちは持ち場を離れるよう求められた」とし、「屈辱」を感じたと述べた。

職員によると、女性職員に対しては、「代表団がいる間は特定のエリアを通ったり横切ったりしないよう指示があった」という。

怒った職員らがストライキを起こしたことで、エッフェル塔は一時閉鎖された。政治家らもこの出来事を非難した。

国民議会のヤエル・ブロン=ピヴェ議長は、「外国人観光客の要求に応えるために、女性たちが脇に退かざるを得ない状況を容認することは断じて許さない」と述べた。

パリのエマニュエル・グレゴワール市長(社会党)は、「不条理、不当かつ容認できない判断」だったとし、2種類の異なる調査を命じた。

SETEのアリエル・ウェイル会長は29日、ジェンダー平等を促進する措置や研修の実施を求めたと説明。

「今後数カ月間は、可能な限り最良の条件下で、リーダーシップ移行に向けた準備を進められる」とした。

エッフェル塔の入り口に、閉鎖中だと掲示が出ている。付近には腰を下ろしている人が何人かいる。手前にはリュックサックを背負った男性がぼやけて写っている
画像説明, エッフェル塔は、怒った職員らがストライキを起こしたことで閉鎖された

BAPSは今月初め、「苦痛や不便を招いた」ことについて謝罪。「私たちは互いを尊重して奉仕するという、普遍的な価値観を信じている」とした。

BAPSはウェブサイトで、ヒンドゥー教の価値観を通して「社会の改善に尽力する精神的かつボランティア主導のフェローシップ」だと自らを説明している。

BAPSはロンドン、米ロサンゼルス、シドニーなど、世界各地の主要都市に寺院を擁している。

その信仰は、18世紀後半の独身の苦行僧であり、信者たちからヒンドゥー教の守護神ヴィシュヌの化身とみなされているスワミナラヤンの教えに基づくもの。

BAPSは、男女分離は女性の利益のために導入されたと主張している。しかし、批判的な人たちは、18世紀の考え方は現代社会にはそぐわず、宗教的慣習の名の下に女性を排除するのは差別的だとしている。