北朝鮮捕虜の韓国移送、ゼレンスキー氏が公表 李政権はウクライナ大使代理を呼び出し抗議

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ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が先週開かれた国連総会での演説で、捕虜にした北朝鮮兵2人を韓国・ソウルに移送したと明らかにした。韓国政府は、秘密にすべきことだったとし、ウクライナの駐韓大使代理を呼び出して抗議した。一方、ウクライナは秘密保持の合意はなかったとしており、両国の主張が対立している。
ゼレンスキー氏は23日の国連総会で、韓国との1年以上にわたる協議を経て、北朝鮮の捕虜2人を韓国に移送したと、演説の中で述べた。その際、「生け捕りにするのは容易」ではなかったとした。
これを受けて韓国は、移送については秘密にするとの合意を破ったとして、ゼレンスキー氏を厳しく非難した。
李在明(イ・ジェミョン)大統領は、秘密が明らかにされたのは「非常に残念だ」とし、今回の移送は国家安全保障に影響が及ぶ「極めて機密性の高い問題」だとした。
韓国大統領府は声明で、非公開にするのは北朝鮮兵の家族を守るためでもあったと説明。さらに、ウクライナ人捕虜と交換する機会を放棄したとの批判を避けるため、ウクライナ側も移送を秘密にすることを望んでいたと付け加えた。
大統領府はまた、ゼレンスキー氏が演説で捕虜2人について言及するとウクライナ側から聞いていたが、移送には触れないはずだったと説明した。
韓国の朴潤柱(パク・ユンジュ)外務次官は、ウクライナのアンドリー・ヴィエシキン駐韓大使代理を呼び出し、ゼレンスキー氏による公表について正式に抗議。「強い遺憾の意」を伝えた。
北朝鮮の捕虜2人については、ウクライナが2025年1月、ロシア西部クルスク州で拘束したと発表していた。ウクライナと戦争を続けるロシアを支援するために送り込まれた多数の北朝鮮兵の一部で、捕虜になった後にメディアに対し、韓国への移送を望むと話していた。
ウクライナ外務省は、BBCの取材に対し、コメントを拒否した。
保秘合意の有無めぐり対立
この問題では、ウクライナと韓国の間に秘密保持の合意はないとウクライナ大統領府が主張したことで、両国の対立へと発展している。
韓国は、ウクライナが「虚偽の発表」をしたとして謝罪を要求。ウクライナの行動が両国間の信頼関係を著しく損なったとした。
ゼレンスキー氏が移送を公表したことで、韓国では李氏が厳しく批判されている。韓国の野党は、李氏が北朝鮮への配慮から移送を隠したと非難している。
李氏が率いる韓国与党は、北朝鮮に対して融和的な姿勢を示している。和平交渉の再開を目指しているが、成果はほとんどみられていない。
韓国のウクライナ支援
ロシアがウクライナを本格侵攻して以来、韓国は、ウクライナに対して同情的な姿勢を示してきた。同時に、戦争状態にある国には殺傷能力のある兵器を提供しないとする、韓国の長年の方針を変えることは拒否してきた。
ウクライナは、2024年に北朝鮮兵がロシアに送り込まれた後、韓国に対し、最先端の対空ミサイルを供給するよう要求を強めた。ロシアのドローンやミサイル攻撃から、自国のエネルギーインフラを守るのに使うとした。
ウクライナ大統領顧問のミハイロ・ポドリャク氏は、「北朝鮮がヨーロッパでの戦争に積極的に参加するなら、韓国は傍観者でいることはできない」と主張。「ソウルからキーウに防衛技術と能力を送り出すことは、ウクライナを支援するだけではない。攻撃的な全体主義の枢軸の拡大を封じ込めることで、韓国が長期的な安全保障上の利益を守ることにもなる」とした。
韓国は今年7月、ウクライナに対する1億ドルの支援パッケージを発表した。韓国大統領府は、ヘルメット、個人用防弾ベスト、医療機器などの非殺傷物資を供与する、これまでの支援の強化だとした。
一方、ロシア外務省は、韓国がウクライナに武器を提供すれば、ロシアは「報復せざるを得ない」と警告している。具体的な内容は明言していない。
韓国は長年にわたり、同盟国アメリカと対立関係にある近隣諸国と、友好的な関係を追求してきた。
ソヴィエト連邦の崩壊以降は、韓国は北朝鮮と国境を接するロシアとの貿易・外交関係の深化に努めている。韓国は、ロシアと中国の両方を、北朝鮮への影響力行使における重要なパートナーとみなしている。












