米ラッパーのマックルモア氏「パレスチナを解放しろ」ツアー発表 英歌手シーラン氏との確執後

金色の短髪にサングラスをかけた男性が、マイクを持って踊っている。首にはパレスチナの伝統的な布を巻いている

画像提供, AFP via Getty Images

画像説明, マックルモア氏(2026年8月30日、フランス)
Published
この記事は約 4 分で読めます

ナーディーン・サアド記者

米ラッパーのマックルモア氏は24日、10月に「Free Palestine(パレスチナを解放しろ)」と題したツアーを行うと発表した。同氏は今月初め、英歌手エド・シーラン氏のアメリカでのコンサートツアーにサポートアクト(前座)として出演した際、親パレスチナ的な発言をしたとして途中で降板させられた。

マックルモア(ベンジャミン・ハガティ)氏はツアーの発表に当たり、「皆さんも知っての通り、スケジュールに少し余裕ができた」と述べた。 アイルランドの首都ダブリンから始まるこのツアーの収益は、パレスチナ支援団体に寄付されるという。

マックルモア氏の途中降板をめぐっては、予定されていた全サポートアクトとシーラン氏のバックバンドが、マックルモア氏への連帯を示し、シーラン氏のツアーから離脱した。一方シーラン氏は、マックルモア氏をツアーから外す決定は自分のものではなく、プロモーターによるものだったと強調している。

マックルモア氏は24日の声明で、ここ数週間で「パレスチナ解放について、解放の呼びかけを検閲しようとする億万長者たちの力について、そして私たちが今アーティストに期待していることについて、大勢が一斉に目覚めた」のだと話した。

「私に起きたことは、1人のアーティストや1回のステージだけの問題ではない」

「億万長者たちが、どの発言がステージで許され、どの発言が危険すぎるのかを決定できるとしたら、誰もがそのことに注意を払うべきだ」

マックルモア氏はこの1週間、パレスチナの人々と連帯するため結果を顧みずに自分たちの立場を使ったさまざまなアーティストに連絡を取っていたのだと述べた。

ツアーの企画は急ピッチで進められたため、まだいくつかの詳細を詰めている段階だと、同氏は付け加えた。「だが、今こそ勢いがあるし、やるべきことがある」。

マックルモア氏の新しいツアーは、10月26日にダブリンで開幕する。続いて10月29日に仏パリ、10月30日に英ロンドンで公演が行われるという。

同氏によると、アメリカ公演の日程も追加され、来週には追加チケットが発売される予定だという。

この騒動は今月4日、ニュージャージー州のメットライフ・スタジアムで行われたシーラン氏のコンサートでの、マックルモア氏のパフォーマンスから始まった。

マックルモア氏は観客に向かって、「私がそもそもこのツアーをやりたいと思った大きな理由の一つは、このようなスタジアムに立って、私の心に深く刻まれた二つの言葉、『パレスチナを解放しろ』を言うためだった」と語りかけた。

同氏はその後、米コロンビア大学で行われた親パレスチナのデモ参加者にささげた楽曲「ヒンズ・ホール」を披露した。デモに参加した学生らは当時、同大学のハミルトン・ホールを、イスラエル軍に殺害された当時5歳のパレスチナ人少女ヒンド・ラジャブさんにちなんで「ヒンズ・ホール(Hind's Hall)」と呼んだ。

また、演奏の間には、ガザの惨状の映像が流された。

14日にツアーから外された後、マックルモア氏は、自分に対するボイコットはマサチューセッツ州にあるジレット・スタジアムのオーナー、億万長者のロバート・クラフト氏が主導したものだと非難した。

一方のクラフト氏は、マックルモア氏が長年、イスラエルとガザをめぐるヘイト(憎悪)スピーチや反ユダヤ主義的な発言を繰り返してきたと非難している。

シーラン氏は早い段階で、マックルモア氏をツアーから外す決定は、プロモーターのメッシーナ・ツーリング・グループによって下されたものだと述べていた。また、パレスチナ・ガザをめぐる公の議論には巻き込まれたくないと話していた。

シーラン氏の当初の発言を受け、ツアーからはサポートアクトのアーティストが離脱したほか、ファンからも不満の声が上がった。コンサートチケットの価格も急落した。

同氏は騒動への対応で「間違いを犯した」と述べ、ファンに謝罪するとともに、イスラエルとガザの紛争について「人道上の問題」との立場を表明した。

また、パレスチナ・ガザ地区の武装組織ハマスが主導した2023年10月7日のイスラエル攻撃を「恐ろしい」ものだと呼ぶ一方、ガザ地区での状況を「正当化できない」と批判した。