台風25号で日本に大雨 土砂崩れ相次ぐ

動画説明, 台風25号が日本に向かって猛スピードで進む様子のタイムラプス映像
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大型で強い台風25号(ドゥージェン)は21日夕、房総半島の南を北東に進み、22日朝には日本の東の海上に抜けた。各地で土砂災害が相次ぎ、複数の死傷者が出た。

国土交通省によると、22日午前9時の時点で確認された土砂災害は、千葉県で17件、神奈川県で9件、宮崎県で2件。確認された人的被害は、神奈川県で死者1人、行方不明者4人、負傷者1人。宮崎県で死者1人、負傷者1人となっている。

総務省消防庁によると、21日午後8時現在のまとめで、茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川、静岡の1都5県で、計約90万2千世帯190万9千人に避難指示が出た。22日午前9時現在では、避難指示の対象は26万2298世帯、55万2237人となっている。

気象庁は21日午後12時40分に、東京都大島町にレベル5土砂災害特別警報を発表。同日午後11時には、レベル4土砂災害危険警報へ切り替えた。

東京電力パワーグリッドのホームページによると、21日午後8時すぎの時点で、千葉県や神奈川県など関東地方を中心に計5万2600軒余りが停電した。22日午前10時すぎの時点では、千葉、神奈川、山梨、静岡の計4県で計47920軒が停電しているという。

航空への影響については、国交省によると、20日に関東地方発着便を中心に33便が欠航、21日には457便が欠航した。

気象庁によると、台風25号が日本の東を北東に進んでいる22日午前9時現在、中心付近の最大風速は35メートル、最大瞬間風速は50メートルとなっている。

JR新宿駅前の横断歩道を歩きながら、ひしゃげる傘に苦労する人

画像提供, EPA

画像説明, 激しい風雨の中、多くの人が歩くのにも苦労した(21日、東京都新宿区)

神奈川県横須賀市では21日午後、「土砂で家が押しつぶされそうだ」と住人の男性が通報した。警察などが現場へ向かうと、住宅に土砂が流れ込み、60代の女性と連絡が取れなくなっていた。消防当局はBBCに、女性が流され生き埋めになった可能性があると話した。NHKによると、女性は同日夜、住宅から発見されたが、その場で死亡が確認された。

千葉県袖ケ浦市では、大雨の影響で道路に流出した土砂を重機で撤去していた51歳の男性作業員が、重機ごと竹林へ転落し、重機の下敷きになった。消防当局はBBCに、男性が救出されたと明らかにしたが、複数報道によるとこの男性はその後、死亡した。

渋谷駅前のスクランブル交差点で、駅の方向へ渡ろうと信号待ちをしている大勢が傘をさして立っている

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画像説明, 雨の中、スクランブル交差点の信号待ちをする人たち(21日、東京都渋谷区)

この台風は、太平洋で相次ぎ発生している暴風雨の一つ。海水温を上昇させ、嵐の発生を促進する「スーパーエルニーニョ現象」によって、その勢力がさらに強まっている。

台風25号の影響で、シルバーウィークの連休に予定されていた複数のイベントが中止となった。

日本最大級の野外音楽フェス「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」は、21日の開催を中止。東京ゲームショウ2026も最終日にあたる同日の開催を中止した。

日本の高市早苗首相は、ソーシャルメディア「X」に投稿したメッセージの中で、「台風25号によって犠牲になられた方に、哀悼の誠を捧げます。そして、けがをされた方々に、心よりお見舞いを申し上げます」とした上で、「緊張感を持って万全の対応をするように木原官房長官と細野大臣に指示をした上で、国連総会に出席をするため渡米する飛行機に乗りました」と明らかにした。

高市首相は、ニューヨークで開かれている国連総会で22日に演説し、ドナルド・トランプ米大統領と会談する予定だ。

空港の出発ラウンジで、数人が荷物に囲まれて座っている。医療用マスクをつけた女性がスマートフォンを見下ろしており、その後ろでは男女が眠っている。

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画像説明, 羽田空港で最新情報を待つ乗客たち(21日、東京都大田区)

一部の研究によると、日本が強力な嵐にさらされる頻度が増えている可能性がある。ただし世界規模でみると、気候変動によって嵐の数が増えているとは考えられていない。むしろ、地域によっては減少する可能性さえある。

しかし、気温の上昇に伴い、台風の威力が以前より強力になる可能性は高い。

海水温が上昇すると、嵐はより多くのエネルギーを吸収する。これが結果として風速の上昇につながる。

また、気温が上がると大気中の水分量が増えるため、嵐が激しい降雨をもたらす可能性もある。

濡れた横断歩道を、傘を横に持ちながら歩く人たち

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画像説明, 風雨と格闘しながら歩く人たち(21日、東京都新宿区)

今年は、エルニーニョ現象も、台風の威力が増すもう一つの要因となっている。エルニーニョは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象。

エルニーニョ現象は台風の総数に明確な影響を与えるわけではないが、台風の発生場所、勢力、そして被害を受ける国に、影響を与える可能性がある。

例えば、エルニーニョ現象によって、日本がより強力な台風に見舞われる可能性がある。

(取材:ジェイミー・ホワイトヘッド記者、森来実東京特派員、小林智恵記者、マーク・ポインティング気候変動担当記者)