フェラーリ初の電気自動車、約64億円で落札 新車オークションの最高額

白い車の写真。ホイールも白

画像提供, RM Sotheby's

画像説明, オークションに出された特別仕様の「ルーチェ」
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イタリアの高級スポーツ車メーカー、フェラーリ初の電気自動車(EV)がこのほど、チャリティーオークションで4000万ドル(約64億円)で落札された。オークションで販売された新車としての最高額を記録した。

フェラーリのEV「ルーチェ」には、米カリフォルニア州のRMサザビーズで開かれたオークションで、通常価格の35倍以上の高値がついた。特別なホイール、特注のブレーキ、白い塗装など、他にない仕上げと部品によるカスタム仕様だった。

サザビーズは、購入者の名前を公表していない。今回の売却による収益は全額、フェラーリ財団の教育プログラムに寄付するという。

BBCはサザビーズとフェラーリにコメントを求めている。

ルーチェはiPhoneのデザイナーのイギリス人、ジョニー・アイヴ氏がデザインした。

跳ね馬のエンブレムで有名なフェラーリが、EV市場に参入することを意味するため、ルーチェの発表は、近年の新型車の中でも特に注目されるイベントのひとつだった。EV市場ではこれまでのところ、イーロン・マスク氏率いるテスラと、中国の複数の自動車メーカーが圧倒的な地位を占めている。

イタリアのセルジオ・マッタレッラ大統領や、キリスト教カトリック教会トップの教皇レオ14世も、ルーチェを見学した。

白い車の隣に、白い法服のレオ14世とダークスーツ姿の人が並んで立っている

画像提供, EPA

画像説明, フェラーリ初の電気自動車「ルーチェ」。5月に発表されると、ローマ教皇レオ14世(右)も見学した(5月26日、イタリア・カステルガンドルフォ)

しかしルーチェは、5月の発表後、大きな批判を浴びた。

評論家らからは、バッテリー駆動の5人乗りにしたことで、デザインがフェラーリの伝統を逸脱し、ブランドのアイデンティティーの一部を失ったとの指摘も出た。

批判には、イタリアのマッテオ・サルヴィーニ副首相や、元フェラーリ会長のルカ・コルデロ・ディ・モンテゼーモロ氏も加わった。同氏は、「伝説を破壊する危険性がある」とまで述べた。

発表翌日には、フェラーリの株価が下落した。

ルーチェを側面から見た写真。ドアが開かれていて、白のレザー製のシートが見える

画像提供, RM Sotheby's

画像説明, 「ルーチェ」はiPhoneデザイナーのジョニー・アイヴ氏がデザインした

フェラーリのチーフデザインオフィサー、フラヴィオ・マンゾーニ氏は5月のインタビューで、批評はイノベーションのプロセスの一部で、人はいずれルーチェの良さを理解するようになると述べた。

フェラーリは、ルーチェの販売目標を公表していない。英紙フィナンシャル・タイムズによると、中国での高い需要により、今年の目標はすでに達成したという。

フェラーリは、自動車オークションでしばしば最高額の記録を更新する。

昨年のフェラーリの教育支援活動のためのオークションでは、特注のスーパーカー「フェラーリ・デイトナSP3」が2600万ドルで落札された。当時、オークションでの新車の最高額を記録した。

オークションにおける自動車の最高落札額の現在の記録は、2022年に1億4200万ドルで落札された、極めて希少な1955年製「メルセデス・ベンツ300 SLRウーレンハウト・クーペ」。