日本で初めて産休取得した女性市長、米誌タイムの「次世代の100人」に

森来実(もり・くるみ)東京特派員
日本の現職の首長として初めて産休を取得した京都府八幡市の川田翔子市長(36)がこのほど、米誌タイムの「次世代の100人」に選ばれた。
川田氏は今年5月、9月中旬の出産予定日の2カ月前から産後2カ月までの4カ月間、公務から離れると発表。7月から産休に入り、9月に第一子を出産した。
出生率の低迷に苦しむ日本だが、川田氏の決断は賛否を呼び、選挙で選ばれた公職者は出産のために休暇を取得すべきかという全国的な議論を巻き起こした。
タイムは川田氏について、「先例がないなかで、自ら先例を作り出した」と評価。また、八幡市のさまざまな子育て政策を紹介し、「川田氏は自身の個人的な選択や政策の優先順位を通じて、日本が家族にとってもっと暮らしやすくなる可能性を示している」と述べた。
ソーシャルメディアでは、出産は大変で、川田氏はベストを尽くしているという声や、日本社会は妊娠を考慮した制度を整備できていないと指摘する人もいる。川田氏が家族を優先し、ほかの女性の政治参画をしやすくする素晴らしい前例を作っているという意見もみられた。
一方で公務を離れるのは「無責任」で、妊娠を望むのなら「(市長)就任前にそうすべきだった」という主張や、長期休暇を希望する首長らは「辞職すべきだ」という批判もあった。
産休中は給与を減額すべきだという人もいた。
産休に入る前に行われたBBCのインタビューで川田氏は、批判を受け流しつつ、自身は仕事そのものを楽しんでいるし、今が子どもを持って家庭を築く時だとも考えていると堂々と語った。
「それ(公職者の産休)を批判 してしまうと、本当に20代から40代くらいの、いわゆる妊娠の可能性のある女性を全ての公職、選挙であったり、任期のある仕事全てから可能性として排除してしまう議論になりかねない」とも、川田氏は話した。
日本には現在、公務員の産休制度はあるものの、公選者が出産に伴って休暇を取得するための法的枠組みは存在しない。そのため川田氏は、能勢重人副市長に16週間、市長の権限を託す形をとる。また、可能な場合はリモートで職務に当たるという。
川田氏は9月15日、ソーシャルメディアで女児を出産したと報告。支持者に感謝するとともに、「これから直面する親としての無数の壁を乗り越えて『親』になる努力をしていくとともに、その思いをリアルタイムで政策に反映させていきたい」、「今この時代を生きる『親と子』を取り巻く無数の課題に、私もまた同じ目線で悩み、そして解決の糸口を考えていきたい」と書いた。
さらに、社会問題の解決に向け、自治体としての取り組みや全国への働きかけに全力を尽くしたいと強調した。
















