イスラエル人入植者がヨルダン川西岸の村を襲撃、パレスチナ人家族の帰宅を妨害
ヨランド・ネル中東特派員(エルサレム)
イスラエル占領下のパレスチナ・ヨルダン川西岸地区にあるパレスチナ人の村を28日、100人以上のイスラエル人入植者が襲撃した。入植者らは、イスラエル軍に護衛されていたパレスチナ人一家が、数週間前に入植者に占拠された自宅に戻るのを妨害しようとした。
ナブルス南郊のジャルード村ではこの日、パレスチナ人のアル・トゥバシ家の住宅2軒が放火された。イスラエル治安部隊も入植者による攻撃の標的となった。人権団体は、これらの事件はイスラエル当局が入植者による暴力に対して効果的な対策を講じていないことを示していると指摘している。
襲撃を受けたマフムード・アル・トゥバシさん(60)は、「言葉では言い表せないほど恐ろしい出来事だった。想像することすらつらい」とBBCに語った。
「今は死を免れて本当に良かったと思っている。本当に殺されると思った」
イスラエルの最高裁判所は今月初め、アル・トゥバシ家が自宅に戻るのを認める判断を下した。これを受けてアル・トゥバシさんは、妻アイダさん(51)と息子のワエルさん(33)と共に、イスラエル軍の護衛のもと、所有する住宅へと戻った。

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一家はこの夏、入植者らによる数週間にわたる嫌がらせと攻撃の後、自宅からの退去を余儀なくされた。過激派の入植者たちはジャルード周辺に違法な前哨基地を設置し、3軒の住宅を包囲した。その中には、アル・トゥバシさんの息子たちの家も含まれている。息子たちは結婚し、幼い娘たちもいる。
アル・トゥバシさんによると、27日の真夜中頃に電話があり、家族が自宅に戻れるようイスラエル軍と調整が行われていると告げられた。イスラエル当局からは、財産を取り戻したいなら、すぐに軍とイスラエル国境警備隊に同行しなければならないというメッセージを受け取ったという。
一家は懐中電灯の明かりを頼りに、住宅の一つを視察した。BBCに提供された映像には、入植者たちがすでにその家をひどく破壊していた様子が映っている。ドアに穴を開け、電気設備を引き剥がし、タイルを剥がし、窓を割り、ごみを散乱させていた。トイレを壊し、人間の排せつ物であふれさせたようだった。
この日の襲撃に参加した過激派入植者らの大半は、ワッツアップのグループチャットに、自分たちが追い出したパレスチナ人家族が戻ってくるので阻止すべきだという警告が投稿されたのを受けて、ジャルードにやって来た。
アル・トゥバシさんは、「すでに完全に破壊されていた家に入るとすぐに、入植者たちが石を投げつけてきた。軍は催涙ガスを発射して応戦したが、入植者の数が150人以上と非常に多かったため、軍はもはや彼らを制御できなかった」とBBCに語った。

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アル・トゥバシさんによると、イスラエル兵の一団が、近づいてきた入植者たちから家族を守り、催涙スプレーで入植者たちを追い払ったという。入植者たちは、一家が乗せられた軍用バンのタイヤを切り裂いた。その後、一家は装甲軍用車両に移された。
一家が車で現場を離れる際、入植者たちは一家の車と2軒の家に火を放った。遠くから撮影された映像には、そこから煙が立ち上る様子が映っている。
アル・トゥバシさんは、イスラエル治安部隊は「事実上、障壁を作り、私たちを安全にそこから連れ出してくれた。しかし、入植者自身に対しては何の行動も起こさなかった」と述べている。
イスラエル国防軍(IDF)は声明で、「100人以上のイスラエル人暴徒が村に集まり、道路を封鎖したり、タイヤに火をつけたり、治安部隊に石を投げつけたりした」と説明。警察官3人が軽傷を負ったほか、治安部隊の車両1台が損傷したとした。
また、アル・トゥバシ家を「民族主義犯罪」の犠牲者と表現し、「暴力行為のため、一家を自宅に帰還させる任務は完了できなかった」と付け加えた。
ジャルードの地方議会の議長は記者団に対し、住民が入植者たちと衝突し、それが近隣の村にも波及し、パレスチナ人女性が入植者に襲われ、住宅が放火されたと語った。

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アイダさんは1カ月前、覆面をしたイスラエル人入植者に襲撃され、彼女を取材していたアメリカ人ジャーナリストたちと共に負傷した。
最高裁判所は、入植者による暴力行為を取り締まらなかったとしてイスラエル当局を非難し、一家を9月20日までに安全に自宅に帰すべきとの判決を下した。しかし、帰還は1週間以上遅れた。
この判決は強い言葉で、イスラエル人入植者らの行為を「ユダヤ国家であり民主主義国家であるイスラエルの基本的価値観と道徳原理に反する、全く容認できない現象」と断じた。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、治安部隊への攻撃を強く非難し、法執行機関に対し「暴徒を法の最大限の範囲で訴追する」よう求めた。イスラエル警察は、攻撃に関与した疑いのある3人を逮捕したと発表した。

ネタニヤフ首相は先週の国連総会での演説で、入植者による暴力行為に関する国際社会の懸念を一蹴した。同首相は、メディアがユダヤ系イスラエル人への攻撃を無視し、「石を投げたり、オリーブの木を切り倒したり、時折火をつけたりする、わずか150人ほどの非行少年」ばかりを報道していると非難した。
イスラエルの人権団体イェシュ・ディンによると、過去20年間に行われた入植者による暴力事件に関する警察の捜査のうち、有罪判決に至ったのは3%未満。
同団体のジブ・スタール事務局長は、効果的な法執行が行われていない理由について、「暴力は、パレスチナ人をこの地域から追い出し、ヨルダン川西岸におけるイスラエルの土地支配を拡大することを目的とした、組織的な政府政策の一環だ」と指摘した。
ネタニヤフ政権は、聖書と律法に基づく土地所有権を主張し、ヨルダン川西岸におけるイスラエル人入植地の急速な拡大を監督してきた。一部の閣僚は、東エルサレムやガザ地区と同様に、この地域に独立したパレスチナ国家が樹立される可能性を「葬り去る」ことを目指していると述べている。入植地や前哨基地は国際法で違法とされている。
国連によると、入植者による暴力は今年、過去最高水準に達している。占領下のヨルダン川西岸地区では2023年以降、入植者による攻撃や立ち入り制限により、6500人以上のパレスチナ人が自宅からの立ち退きを余儀なくされているという。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は同じ期間に、イスラエル人入植者による死傷者や物的損害をもたらした攻撃を6199件記録している。
OCHAによると、ヨルダン川西岸地区では今年、イスラエル軍と入植者によって少なくとも82人のパレスチナ人が殺害され、イスラエル人4人(治安部隊員と民間人)が殺害された。また、入植者による攻撃に関連して、少なくとも23人のパレスチナ人が殺害された。













