ロシア、ウクライナを攻撃し多数死傷させる 極超音速ミサイル使用と表明

5階建ての石造りの集合住宅の中央が完全に破壊されて穴があいたようになっている。白い煙が立ち上り、地面から消防士が放水している。両側の建物も窓ガラスが吹き飛ばされてベランダの鉄柵がひしゃげている

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画像説明, ロシアが集合住宅をミサイル攻撃した(24日、キーウ)
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ロシアは23日夜から24日にかけて、ウクライナ各地で大規模な攻撃を実施した。ウクライナ当局によると、首都キーウなどで計4人が殺害され、約100人が負傷したという。ロシア国防省は、攻撃に極超音速ミサイル「オレシュニク」を使用したと発表した。

ウクライナ空軍によると、23日午後6時以降、ミサイル90発とドローン600機の飛来が確認された。初期のデータでは、ウクライナ側は弾道ミサイルおよび巡航ミサイル55発とドローン549機を撃墜もしくは迎撃。ミサイル19発は目標に到達しなかった可能性があるが、ミサイル16発とドローン51機が54地点を直撃したという。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領によると、キーウが主な標的だったものの、他の地域も攻撃を受けた。多数の住宅、学校、ショッピングセンター、緊急サービス施設、オペラハウス、博物館などが被害を受けたという。

多層階の石造りの集合住宅が破壊され、建物の内側がオレンジ色の炎で燃えている。地面から消防士が放水している。

画像提供, ウクライナ国家非常事態庁/ ロイター

画像説明, ロシアの攻撃で破壊された建物(24日、キーウ)

ゼレンスキー大統領は、首都だけで69人が負傷したと述べた。水道施設も攻撃を受け、キーウのチョルノービリ博物館は「事実上破壊された」という。

ウクライナのイーホル・クリメンコ内相は、同博物館への攻撃を「歴史、記憶、真実への意図的な攻撃だ」と非難した。公開された映像には、割れた窓や散乱した瓦礫(がれき)が映っている。

ロシア国防省は、ウクライナの民間インフラは攻撃していないと主張し、ウクライナの陸軍や国防省情報総局の指揮所を標的にしたと述べた。ウクライナ側はこのことを認めていない。

青空を背に、白いレンガの壁の前に、祈る人と両手を広げた子供の像が立つ、白いレンガ造りの建物が大破した現場に、複数の救急隊員がいる

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画像説明, 破壊された国立チョルノービリ博物館(24日、キーウ)

キーウのヴィタリー・クリチコ市長は、市内で2人が死亡し、子ども2人を含む36人が入院したと述べた。

中心部シェフチェンコ地区では、9階建ての住宅が被弾し上層階で火災が発生、1人が死亡した。同地区では、学校の防空壕(ごう)の入り口が付近への攻撃でふさがれ、複数人が閉じ込められた。救急隊は市内各地で消火、がれき除去、負傷者の治療に当たった。

キーウ州のミコラ・カラシュニク知事は、州全体でさらに2人が死亡したと明らかにした。

知事は今回の攻撃を「平和な人々に対する意図的なテロ」と非難し、「すべての現場で救急対応が行われている」と述べた。

さらにアンドリー・シビハ外相は、キーウ以外でもチェルカースィ、ハルキウ、オデーサ、ポルタヴァ、スーミ、ジトーミルの各州が攻撃を受けたと発表した。

極超音速ミサイル「オレシュニク」を使用とロシア

ロシア国防省は、攻撃に極超音速ミサイル「オレシュニク」を使用したと発表し、これはウクライナによる「民間インフラへの攻撃」への報復だと主張した。ウクライナ軍は民間人を標的にしていないと否定している。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は22日、同国が占領するウクライナ東部ルハンシク州スタロビルスクの学生寮がウクライナに攻撃されたとして、ウクライナを非難し、報復を約束していた。ロシア当局によると、学生寮で21人が殺害されたという。ウクライナはこれについて、ロシアの精鋭ドローン部隊の本部を攻撃したと発表ている。

報復するというロシア側の表明を受け、ゼレンスキー大統領はロシアが大規模な攻撃を計画しており、「オレシュニク」ミサイルを使うかもしれないと警告していた。オレシュニクは音速の10倍以上で飛行するとされ、防御が難しく、通常弾頭と核弾頭の両方を搭載できる能力があるとされている。

ゼレンスキー大統領は24日、キーウの被害現場を視察し、ロシアがキーウ州ビラ・ツェルクヴァに対してオレシュニクを発射したと述べた。

ただし大統領府は後に、確かにオレシュニクだったかはまだ未確認で、使用された兵器の特定作業が続いているとしている。

もしロシアが実際にオレシュニクを使用したとなると、今回の紛争で3度目となる。

欧州各国の首脳たちは24日、今回のロシアの攻撃を非難した。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領とドイツのフリードリヒ・メルツ首相は、オレシュニクの使用情報を受けて非難した。欧州連合(EU)のカヤ・カラス外交安全保障上級代表は、「政治的な脅し戦術で、無謀な核の瀬戸際政策だ」と述べた。

イギリスのイヴェット・クーパー外相は、キーウの「悲惨な様子」を嘆き、「ロシアへの圧力を維持する」と表明した。

青空を絵に、焼け焦げた多層階の建物や、がれきの前を市民が歩いている。黒焦げの建物の前には「DONER」と看板の出たファーストフード店があり、青と黄色のウクライナ国旗を掲げている

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画像説明, ロシアのミサイルとドローン攻撃で破壊された建物(24日、キーウ)

テニスの4大大会の一つの全仏オープンでは24日、ウクライナのマルタ・コスチュク選手が1回戦勝利後に涙を流し、「ウクライナの人々に心と思いを寄せている」と話した。

プロボクシングの世界ヘビー級3団体統一王者で、エジプトで同日、タイトルを防衛したオレクサンドル・ウシク選手(ウクライナ)は、「今この瞬間、ウクライナの人々は防空壕にいる。私の娘もそうだ。『パパ、愛してる。あなたは勝つ』というメッセージを送ってくれた」と明らかにした。