英で少女2人をレイプした少年3人、拘禁刑にならず 英首相は「言語道断」と批判

ベージュ色のレンガ造りのたてもの。壁に「Courts of Justice」と書いてある。
画像説明, 少年たちの事件を審理したサウザンプトン刑事法院(資料写真)
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(注意:この記事は性暴力事件に関するもので、ショッキングな内容が含まれます)

イギリスでこのほど、少女2人へのレイプで有罪となった10代の少年3人が拘禁刑を言い渡されず、注目を集めている。キア・スターマー首相は24日、この判決は「言語道断だ」との見解を示した。また、司法長官が量刑を再検討していることは「正しい」とも述べた。

英南部ハンプシャー州フォーディングブリッジで2024年11月と2025年1月に起きた別々の事件で、当時15歳と14歳の少女2人が、当時14歳の少年2人にレイプされた。裁判では少年2人に強姦罪などで有罪評決が下ったほか、当時13歳だった別の少年も、2件目のレイプへの関与で有罪となった。

こうしたなか、21日に行われた量刑言い渡しでサウザンプトン刑事法院のニコラス・ローランド判事は、「この子どもたちを、不必要に犯罪者扱いすることは避けたい」として、拘禁刑ではなく、青少年更生命令(YRO)を言い渡した。YROは宣告時に18歳未満の青少年に科される社会内処遇で、無償労働や外出禁止、各種治療を受ける義務などが含まれる。

しかし被害者の1人は、この判決はまるで「自分の顔に岩がまっすぐ飛んできた」かのようなものだとBBCに話した。このインタビューは24日、BBC番組「サンデー・ウィズ・ローラ・クンスバーグ」で放送された。

現在16歳の少女は、「まるで、少年たちのしたことは良くないことだが、まだ子どもだから法的には許されると、そう言っているかのようだった」と話した。

少女と家族らは、量刑の見直しと少年らの収監を求めており、今回の刑は「軽いお仕置き」に過ぎないと主張している。

「どうして私は苦しい思いをしながら裁判に出て、審理を受け、証拠のためにすべてを思い出し、そしてそれが再び起きるのを見届けた。それは何のためだったのか」と、少女は語った。

この少女は、エイヴォン川にかかる橋の下でレイプされた当時、15歳だった。

少女はソーシャルメディア「スナップチャット」上で「交際」を始めた加害少年の1人と初めて会うため、2024年11月にこの場所に出向いたところ、ほかに少年2人が現れたのだという。

もう1人の少女は2025年1月、スポーツ用のフィールドで被害にあった。

少年らは携帯電話で両方の犯行の様子を撮影した後、その映像の一部をインターネットで共有した。

川にかかる橋の下の歩道。レンガ造りの橋げたには数々の落書きがある。泥の歩道には手すりが設けられ、そのすぐ先を川が流れている

画像提供, 英検察庁

画像説明, 2024年11月にレイプ事件の起きた、ハンプシャー州フォーディングブリッジの現場
白線が敷かれた芝生の広いフィールド。ラグビーのゴールポストが立っている

画像提供, 英検察庁

画像説明, 2025年1月にレイプ事件のあったフィールド

被害者たちは「並外れた勇気と強さ」を示したと首相

スターマー首相は24日、被害者へのBBCのインタビューに反応する形で、「これは胸を引き裂くような、そして勇気ある証言だ」と、ソーシャルメディア「X」に投稿した。

「この事件の中心にいる少女たちは、凶悪な状況で並外れた勇気と強さを示してきた」と首相は述べ、「これは言語道断の事件であり、法務当局が量刑を緊急に見直しているのは正しいことだ」とした。

リチャード・ハーマー司法長官は今後、28日以内に、量刑を控訴裁判所に付すべきかどうかを判断する。

英首相官邸のダレン・ジョーンズ首席首相秘書官はBBCに対し、ハーマー司法長官は期限よりも早く判断を下すだろうと述べ、「私たちは全員、この問題を緊急に検討したいと考えている」と話した。

また、少女らは「正義を受けるに値するし、その家族も同じだ。そのどちらのためでもあるし、同様の状況に置かれる他の少女たちのためでもある」と述べた。

厳しい表情のスターマー氏

画像提供, PA Media

画像説明, イギリスのキア・スターマー首相

有罪評決を受けた加害少年3人のうち、2人は現在15歳で、もう1人は14歳。

15歳のうちの1人には、2人の少女それぞれへの強姦罪と、わいせつ画像に関する2件の罪で、3年間のYROが言い渡された。YROの条件には、180日間の集中的な監督指導と監視が含まれている。

もう1人の15歳の少年には、被害者1人につき3件の強姦罪と、わいせつ画像の撮影4件の罪で、同じく3年間のYROが言い渡された。

14歳の少年には、2025年1月の事件において、別の少年1人をそそのかして強姦に関与した罪で、18カ月間のYROが言い渡された。

ローランド判事は量刑言い渡しの際、この事件の「重大性」を強調し、犯行を撮影したことが、事件を「さらに重大」にしていると述べた。一方で、裁判中の少年らの態度を評価した。

少年たちに拘禁刑が言い渡されていた場合でも、一般の刑務所には送られない。イギリスでは18歳未満の受刑者は、拘禁刑の場合、若年犯罪者施設に収容される。

野党からも量刑見直しを求める声

最大野党・保守党のミムズ・デイヴィース影の女性担当相は24日、BBC番組「ウェストミンスター・アワー」で、「この問題では絶対に、女性たちの声に耳を傾ける必要がある」と述べた。

また「女性と少女が置かれている状況はいくらか改善したものの、現在は後退しているように思える。そしてこの事案は、首相がきょう示したように、緊急の見直しが必要だと感じる」と述べ、「労働党政権によって、より幅広い選択が検討される必要がある」と付け加えた。

保守党のケミ・ベイドノック党首は22日、この事件は「気分が悪くなるほど不快」だと述べ、「これ以上ないほど重大な犯罪であるにもかかわらず、与えられた罰は全く罰とは言えないようなものだった」と話した。

子どもの抱える問題に取り組み、政策提言を行う「イングランド子どもコミッショナー」のデイム・レイチェル・デ・スーザは、「深い懸念を抱いている」と述べ、支援のために被害者家族に連絡を取っていると明らかにした。

デイム・レイチェルは、「この国のすべての少女に、このようなことが起きても適切に対処されないことがあり得るなどと、そう思ってほしくない」と述べた。