イスラエル、イランによるミサイル攻撃に報復

Published
この記事は約 6 分で読めます

イランは7日、イスラエル北部に向けて数回にわたりミサイルを発射した。イランがイスラエルにミサイルを発射したのは、両国およびアメリカとの間で停戦が発効した4月以来初めて。その後、イスラエル空軍はイラン中部および西部の軍事施設を空爆したと発表した。イラン国営テレビは、首都テヘラン、タブリーズ、イスファハンの3都市で爆発があったと報じた。

イランのメディアは、テヘラン消防局の情報として、テヘランの西部で8日未明、少なくとも2回の爆発音が聞こえたと報じた。テヘランの市街地は標的にされていないという。

被害の全容はまだ明らかになっていない。

イスラエルはこの日、イランへの攻撃に先立ち、レバノンの首都ベイルート南郊にある、イスラム教シーア派組織ヒズボラの関連施設を攻撃したと発表した。ヒズボラを支援するイランは、これに報復する意思を示していた。

それを実行したとみられるイランによるイスラエルへの攻撃について、イスラエル当局は、同国北部でミサイルを迎撃したと発表した。負傷者は報告されていない。同国の国民は、避難所を出てもよいとされている。

イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)は、これは「1週間にわたる連続攻撃の始まり」だとする声明を発表した。

声明はまた、「ミサイルとドローンによる攻撃は、敵が抑止され犯罪行為を止めるまで、今後7日間、24時間休まず続く」と警告。「イラン領土へのいかなる攻撃も、予想を超える壊滅的で圧倒的な報復に遭うことになる」としている。

イスラエル国防軍(IDF)は、エヤル・ザミール参謀総長が状況を評価中だと、通信アプリのテレグラムに投稿した。参謀総長は「命令が出され次第、断固として敵を攻撃する」と誓ったという。

イスラエル軍の報道官は、イランが「重大な過ち」を犯したと述べた。

イスラエルのイタマル・ベン=グヴィル国家安全保障相は、イランが「焼かれなければならない」とXに投稿した。

こうしたなか、アメリカのドナルド・トランプ大統領は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に電話し、イランの攻撃に報復しないよう求めると、米メディアのアクシオスに話した。報復により、米・イスラエル・イランの3カ国の合意が「吹き飛ぶ」ことを懸念しているという。

トランプ氏はまた、英紙フィナンシャル・タイムズの電話取材に対し、「彼(ネタニヤフ氏)に選択の余地はない」、「決定権は私にある。すべて私が決める。彼に決定権はない」と主張。今回のイランの空爆は「合意に何の影響も及ぼしていない」と述べた。

これらの報道より前、米FOXニュースは、トランプ氏がイラン側に「もう十分だ。(交渉の)席に戻れ」と伝えたと報じた。同氏はまた、イスラエルによるベイルート攻撃を「快く思っていない」と、FOXニュースに繰り返し話したという。

アメリカ、イスラエル、イランの3カ国の間では4月8日から停戦が発効している。しかし停戦は名ばかりで、イスラエルとイランの双方が違反を繰り返している。

イスラエルがレバノン首都を攻撃

イランによるイスラエル北部へのミサイル発射に先立ち、イスラエルは7日、レバノンの首都ベイルート南部を攻撃した。イスラエルとレバノンは先週、アメリカの仲介で、停戦の履行で合意している。イスラエルがレバノンを攻撃したのは、それ以降で初めて。

レバノン保健省によると、ヒズボラの拠点地域にあるアパート2棟に空爆が2回あった。2人が殺害され、女性4人と子ども4人を含む少なくとも20人が負傷した。

イスラエルのネタニヤフ首相は、「ヒズボラがイスラエル領土を砲撃したことへの報復として、ベイルートのダヒエ地区にあるテロリストの本拠地を攻撃した」と述べた。

イスラエル軍の報道官はアラビア語でXに、「ヒズボラのテロリストのインフラ」が攻撃対象となっていると投稿。攻撃が続くことを示唆した。

イスラエル軍はまた、レバノンから二つの飛翔(ひしょう)体がイスラエル領内へ飛来し、それらを迎撃したと発表した。

一方、ヒズボラは7日、イスラエル北部の同国軍の砲兵陣地や部隊に向けてロケット弾を発射したとする声明を発表。イスラエルによる「停戦違反とレバノン南部の村々への攻撃」への報復だとした。

イスラエルによるレバノン攻撃をめぐっては、その停止を、イランがアメリカとイスラエルとの戦闘終結の合意の条件にしている。

しかし、トランプ氏は7日放送の米NBCの番組「ミート・ザ・プレス」のインタビューで、イランとの和平合意の条件にレバノンへの攻撃停止を含むよう求めてはいないと発言。イスラエルによるレバノン攻撃は、対イラン情勢も不安定にする恐れがあるものの、これら二つの問題を切り離した。

イスラエルが2月末にイランを空爆し、同国の最高指導者を殺害したことを受け、ヒズボラは3月2日、イスラエルに向けてロケット弾を発射するなどの報復攻撃を開始した。これによりレバノンは、アメリカ・イスラエル対イランの戦争に巻き込まれた。

イスラエルはヒズボラによる攻撃への対応として、レバノン各地を空爆し、同国南部を地上侵攻している。この動きはここ数週間、強化されている。

4月16日にはアメリカの仲介で、イスラエルとレバノンが停戦で合意した。だが、戦闘は収まっておらず、名目だけの停戦となっている。