中国のスパイ、求人サイトから政府や軍関係者に接触 英MI5など5カ国の情報機関が警告

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イギリス情報局保安部(MI5)は3日、中国のスパイが採用担当者を装い、イギリスの政府や軍の関係者をだまして国家機密を明かさせていると警告した。

イギリス、アメリカ、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドの情報機関で構成される「ファイブ・アイズ」が共同で発表した通達によると、中国の潜入工作員らはリンクトイン、インディード、アップワークといった正規の求人サイトを利用し、偽のアナリスト職の求人広告を掲載している。

応募者はその後、「非公開」の情報を明かすよう圧力をかけられる。その情報は、中国軍の情報機関に利用される可能性がある。

ファイブ・アイズは、中国のスパイが「中国に戦略的および戦術的優位をもたらし得る特権的な軍事・政治・経済情報の取得を狙っている」と警告している。

一方、在英中国大使館の報道官はこの警告を非難し、その主張は「完全に虚偽」で、「悪意ある中傷だ」と述べた。

「ファイブ・アイズ同盟は世界最大の情報機関であり、その構成国は世界中で公然とスパイ活動を行っている。彼らこそが平和を愛する国々への真の脅威だ」と、この報道官は話した。

履歴書から候補を絞り込む

ファイブ・アイズの通達は、標的となり得る求職者は、機密文書へアクセス権限を持つ者から学術関係者、シンクタンクの職員にまで及ぶと警告している。

イギリスのダン・ジャーヴィス安全保障担当相は、「すべての政府および軍の人員に対し、インターネットで標的を狙っている兆候を見抜き、意図せず安全保障を損なうことを避けるために、国家保護安全保障庁の指針に従うよう強く求める」と述べた。

また、「政府は国家防衛のために断固とした措置を講じており、中国を含むさまざまな国家からの敵対的行為に対処し続ける。最近の複数の事例が示すように、我々は、外国国家のために働く人物を法の裁きにかける強い権限を持っている」と述べた。

ファイブ・アイズの通達によると、中国の工作員はまず、インターネット上に偽の求人広告を掲載し、応募者の履歴書を精査して利用価値のある候補者を絞り込む。

その後、政府の人脈や軍事活動といった関心対象の重要分野へのアクセスを持っているかどうかを確認するため、オンライン面接が行われる。

採用プロセスの最終段階では、求職者に対し、中国の国際関係や防衛などのテーマについて試験的な報告書を書くよう求める。

その後、採用者には報告書1本につき最大1000ドル(約15万円)が、決済プラットフォームを通じて支払われる。

ジャーヴィス安全保障担当相は昨年11月、MI5が中国の国家安全省のために使用されていたリンクトインのプロフィール2件を特定したと明らかにした。アカウントは、「アマンダ・チウ」と「シャーリー・シェン」と名乗っていた。

最大野党・保守党のニール・オブライエン下院議員のリサーチ職員として働くサイモン・ウェルバンド氏は、このうちの一つから接触を受けたと述べた。

ウェルバンド氏によると、送られてきたメッセージは不自然な英語で書かれており、内定通知が含まれていたという。

オブライエン氏はBBCに対し、「経験が浅ければ、何をするべきか分からないだろう」と述べた。「リンクトインで提示された、正当な内定だと思ってしまうかもしれない」。

イギリスは昨年、政府業務で使用する暗号化技術への1億7000万ポンド(約360億円)の追加投資や、中国によるサイバー犯罪に対する新たな防御策の導入などを発表した。

一方で9月には、中国のためにスパイ行為をしたとされる元議会調査員2人に対する起訴が、裁判開始予定の1週間前に取り下げられて物議をかもした。

検察庁は、中国が国家安全保障上の脅威であることを示す証拠がないと判断し、この起訴を取り下げた。